Flash LiteからAIRへ――Open Screen Projectでモバイル戦略を加速するAdobe(2/2 ページ)

» 2009年03月11日 07時20分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
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―― 具体的な活動内容とAdobeのビジネスモデルについて教えてください。

メイシー氏 端末メーカーがAdobeのソフトウェアをOSに統合し、われわれがこれを検証します。現在、Flash Liteの利用例として、(1)ユーザーインタフェース(2)ブラウザ(3)アプリケーションの3つがあります。ユーザーインタフェースはSony Ericssonなどが利用している例で、認定不要で開発者も限定的です。Open Screen Projectでは、(2)と(3)にフォーカスします。

 ハードウェアメーカー向けには、端末に搭載するアクセラレーションを提供し、オペレーターには、ランタイムの提供を確実にします。

 われわれはデスクトップ市場では、コンテンツクリエイター向けのツールやサーバ、サービスの3分野で収益を得ており、モバイルでも同じビジネスモデルを構築します。

 MWCでは、マルチスクリーンタイプのアプリケーション開発を促進する1000万ドルの基金をNokiaと設立したことを発表しました。FlashとAIRの機能を利用し、魅力的なユーザーインタフェースを持つアプリケーション開発とコミュニティを支援します。

 この基金には、ほかのOpen Screen Projectメンバー企業も参加できます。参加企業がプロジェクトを選出し、開発から配信までをサポートします。

―― Open Screen Projectでは、AIRにも拡大すると発表しています。具体的な計画は。

メイシー氏 将来的には、Flash LiteをAIRに置き換えていきます。Flash Liteはローエンド端末向けに残し、(ハイエンドの)スマートフォンにはデスクトップPCと同じFlash Playerが搭載されることになります。

 現在の計画では、2010年にスマートフォン向けのAIRを完成させます。まずは、S60、Windows Mobile、Androidに対応させる計画です。

―― AIRはリッチなインターネットアプリケーションの実行環境ですが、携帯電話の画面サイズや性能は問題にならないでしょうか。

メイシー氏 Flashでは、“One Web”として同じものをデスクトップとモバイルで提供する戦略ですが、AIRでは、機能を簡素化したモバイル向けプロファイルやフル機能のプロファイルといったように、複数のプロファイルを用意する戦略を採っています。

 開発者の中には、デスクトップのみを対象にAIRアプリケーションを開発する人もいると思われます。われわれとしては、モバイル向けのAIRアプリケーションに対しては、デスクトップでも動くことを約束していきます。

コッホ氏 デスクトップがムーアの法則によって2年で性能が2倍になる一方、携帯電話は消費電力をいかに抑えるかが課題になっています。つまり、2つの差は開いており、両方で動く製品を開発するのは難しくなっています。Adobeはハードウェアアクセラレータ、AIRとFlashの小型化などにより、この問題に対応します。

―― iPhoneへの対応は?

コッホ氏 WebブラウザでのFlash対応に向けて協業しています。いつ利用できるのかについては、われわれからはコメントできません。AIRについても同じです。

―― モバイル市場に進出するにあたって、課題は何でしょうか?

コッホ氏 携帯電話は、カメラの有無など特徴や仕様が細かく異なります。一貫性がある形でこれらの特徴を活用するのは難しいところです。しかし、Adobeにはプリンタで培ったノウハウがあるので、対応する自信があります。

 OSも課題といえるでしょう。Adobeは新しいモバイルOSに期待していますが、すべてのOSにプレイヤーをポーティングする必要があります。例えばLiMoの場合、名前は1つですが、複数ある実装環境に個別に対応しているのが実情です。Adobeの技術をすべての端末で利用できるようにしたいのですが、よく利用されているものから対応せざるを得ません。これは、われわれにとってリスクでもあります。

 デスクトップインターネットには、ソフトウェアを簡単にアップデートするメカニズムがありますが、モバイルで同じことをするのは難しいのが現状です。例えば日本では、ファームウェアのアップグレードなどはできますが、アプリや機能の追加はできません。インターネットは常に変化しており、新しい技術を利用できるようにすることは大切です。

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