シェア低下はiPhoneの影響、2010年は前進の年に――Symbianのフォーサイス氏Mobile World Congress 2010(2/2 ページ)

» 2010年02月23日 13時02分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
前のページへ 1|2       

ITmedia 市場の認識を変える必要性を感じていますか? 今後マーケティングの強化を計画しているのでしょうか?

フォーサイス氏 Symbian Foundationは非営利団体なので、マーケティングは注意深く進める必要があります。

 目指しているのはLinuxです。リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)氏は、マーケティングに一銭も費やしていませんが、Linuxは世界中に知られています。それは、開発者がLinuxについて話をするからです。これは、非常に価値あるマーケティング手法です。Symbianもコードが公開されたことで、コミュニティが認知度を上げ、広めてくれることを願っています。

 幸い、オープンソースコミュニティからの反応は上々です。例えばリチャード・ストールマン(Richard Stallman)氏が率いる非営利団体Free Software Foundation(FSF)はFSFのメンバー企業に対し、モバイルではSymbianを推奨しています。一部には、GoogleがモバイルLinuxをめちゃくちゃにしてしまったことがありますが、モバイル分野で混乱しているオープンソース/フリーソフトウェアコミュニティに対してSymbianは正しいことをしており、オープンと業績主義というフリーソフトウェアの基本に忠実だと評価してくれています。

 モバイルLinuxについていうと、LiMoはあまり進展していません。AndroidはGoogleがLinuxのソースコードから分岐させて開発している上、Googleが管理しているGoogleのためのプラットフォームなので真のオープンソースとはいえません。

ITmedia SymbianがタブレットPCに載る可能性は?

フォーサイス氏 端末ベンダーの判断になるため、私からはコメントできませんが、Symbianはさまざまな画面サイズや入力方式に対応できる柔軟性と適応能力を備えています。

 われわれはシリコンベンダーとロードマップの情報を交換していますし、4コアチップセットもロードマップにあります。これは「Core 2 Duo」のような現在のノートPCと同じレベルで、通常の携帯電話では必要ないレベルです。ARMベースのため省電力性に優れ、拡張性もあります。このような作業により、Symbianを利用してタブレットやNetbookなど非常に興味深いハイエンド製品の開発が可能となります。

 技術的な観点からみると、アプリケーションはWebブラウザのランタイムで動くWebアプリケーションが増えてくると思います。SymbianはWebランタイムを完全統合しています。つまり、Symbianはさまざまな端末に現実味のあるプラットフォームといえます。

 GoogleのChrome OSは基本的に、ブラウザランタイムとグラフィックアーキテクチャといえます。(Chrome OSとSymbianの)2つのOSをベースに同じスペックの端末を作った場合、Symbianプラットフォームのものはまったく同じアプリケーションが動き、さらには電力効率で勝るでしょう。

 携帯電話だけではなく、Sub-Netbook/Netbookでも使えるというのは、大きな特徴です。われわれはタブレットやNetbookにフォーカスしているわけではありませんが、非常に競争優位なプラットフォームを提供できるのです。

ITmedia Symbianアプリの公開支援プログラム、「Horizon」の進捗について教えてください。

フォーサイス氏 2009年10月にスタートし、アプリケーションが提出されています。現在、その数についてはお話できませんが、時期がきたら報告します。

ITmedia 開発者にとってSymbianの魅力とは?

フォーサイス氏 非常にシンプルです。Symbianベースの携帯電話は3億3000万台あります。2009年第4四半期だけでも、iPhoneは800万台、Symbianは2000万台以上が出荷されています。地理的にも、欧州、日本、中国など、幅広い市場で販売されています。

ITmedia iPhoneとBlackBerryは、AppleとResearch In MotionがOSと端末を作るという垂直モデルで成功しています。エンドユーザーの体験という点では、OSをライセンスするモデルは不利にならないのでしょうか?

フォーサイス氏 これは哲学的な議論になるのですが、OSをライセンスして開発した端末がよくないとは必ずしもいえないと思います。

 垂直型なら、市場に投入する時期を短縮できますが、コストは高くなります。ユーザーにとっての“体験”は、端末がインターネットに接続する頻度が低く、デバイスのソフトウェアの制御がすべてであれば、ご指摘の通りでしょう。ですが、デバイスのエクスペリエンスでWebサービスが占める比率は高くなっています。この場合は指摘どおりではないと思います。検索ではGoogleを、メールではYahoo!を、SNSはFacebookを、写真のアップロードにはFlickrを……と、ユーザーは自分の固有のWebサービスのポートフォリオを持っています。

 将来は、ユーザーエクスペリエンスを垂直型に統合すること自体が不可能になるのではないでしょうか。実際、RIMはWebとの統合で苦労しています。垂直型はインターネット時代には難しいモデルだと思います。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月07日 更新
  1. スマホ大型化の裏で高まる「小型音楽プレーヤー」待望論 現役ウォークマンか、“ポストiPod”のiPhone SEか (2026年04月05日)
  2. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【4月5日最新版】 チャージで最大2万ポイント還元のチャンス (2026年04月05日)
  3. GoogleがPixelの「日本限定モデル」を予告 4月7日に発表か (2026年04月06日)
  4. 「iPhone SE(第3世代)」が10カ月連続で1位 にこスマの3月中古スマホランキング (2026年04月06日)
  5. スマホもノートPCも100W給電「UGREEN USB Type-C ケーブル」が43%オフの743円に (2026年04月06日)
  6. JALモバイルに対抗してANAモバイルがついに登場――MVNEたちはJAL、ANAに続く「経済圏」を見つけ出せるか (2026年04月05日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. 「Google Pixel 10a」発表 ディスプレイを強化、アウトカメラがフラットに 4色を実機でチェック (2026年02月19日)
  9. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【4月4日最新版】 ポイント10倍多数、1万ポイント還元も (2026年04月04日)
  10. 「Xiaomi 17 Ultra」レビュー:驚異のダイナミックレンジと可変式光学ズームで“ライカ共創”は新次元へ (2026年04月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年