基地局とアンテナの裏側も披露――“UQの中”はこうなっている(2/2 ページ)

» 2010年02月26日 22時20分 公開
[田中聡,ITmedia]
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モバイルWiMAXの速度が3Gよりも安定する理由

 説明会の会場には、WiMAX搭載PCや、WiMAX対応無線LANルータとデータ端末、基地局、小型レピータ、アンテナなどを展示していた。

 WiMAX対応無線LANルータは、NECアクセステクニカ製「AtermWM3300R」や、アイ・オー・データ機器製「WMX-GW02A」などが発売されている。モバイルWiMAXが3G回線に比べて速度が安定しやすいのは、3Gよりも大きい10MHzの帯域幅を採用していることと、音声サービスを提供せずデータサービスに特化することでトラフィックの負荷が少ないこと、光ファイバーケーブルを基地局に直接つなげることが大きいという。「ほかの通信事業者さんは、基地局と交換機を接続する必要があるので、経由するハブが多く、遅延が起きやすい」(説明員)

photophotophoto WiMAX Wi-Fiルーターを使えば、Wi-Fi対応製品で快適にインターネット通信ができる(写真=左)。UQブランドンのデータ通信端末(写真=中)とメーカーブランドのデータ通信端末(写真=右)

 WiMAX搭載ノートPCは、パナソニック製のLet'snoteや、レノボ製のThinkPadなどを展示。レノボの新製品には、Wi-FiとWiMAXを自動で切り替える機能を搭載しており、Wi-FiとWiMAXを意識せずに利用できる。10秒以内でインターネットに接続できる専用のユーティリティソフトも採用した。なお、データ端末よりはモジュール内蔵PCの方がWiMAXのアンテナが大きいため、PCの方が電波感度は良い。

photophoto パナソニック製のLet'snote(写真=左)とレノボ製のThinkPad(写真=右)
photophoto WiMAX搭載ノートPCに採用したインテルの新しいモジュール「WiMAX/Wi-Fi Link 6250」
photophotophoto 2010年2月に仙台市で実施したモバイルWiMAXの走行試験では、下り20Mbps前後の速度を安定して記録した。グラフが落ち込んでいる部分は、基地局を切り替えるハンドオーバーによるもの。ちなみに、ハンドオーバーの速度も3G端末並みに早いという(写真=左、中)。基地局装置のチューニングを実施した結果、下り15Mbps以上の速度が出るエリアが増加した(写真=右)

複数メーカーを採用した基地局、干渉を防ぐアンテナの工夫

 広範囲をカバーする屋外の基地局は、「海外では電波の信号処理をするモジュールを室内に置くタイプが多いが、日本ではモジュールの設置場所を確保するのが難しいので、電波を出す装置と信号処理をする装置を1つの機器に入れているのが特徴」(説明員)だという。

 基地局はSamsung電子製のほか、新たにNEC製の製品も採用して併用している。WiMAXはオープン化されているので、異なるメーカーの基地局を隣同士で利用することも可能。これはUQが世界初だという。「複数メーカーの基地局を用いることでリスクヘッジ(危険回避)につながる」(説明員)とのこと。また、今回は展示しなかったが、日立製作所が手がける、より小型サイズの基地局もパネルで案内されていた。こちらは「電波の出力はやや小さいが、トラフィックの多い場所やビルの陰などエリアの穴をカバーすることを想定している」という。

photophotophoto Samsung電子製の屋外マクロ基地局(写真=左)と、NEC製の屋外マクロ基地局(写真=中)。基地局の後方に、ほかの基地局と接続するイーサネット端子があり、1つの光回線を複数の基地局で共用できる(後述する3セクタ方式の電波発射で使う)。このほか、GPSの信号を拾う装置もある(写真=右)。これらの仕様はSamsung電子製とNEC製どちらも同じだ
photophoto 屋内ピコ基地局は、ホテルのロビーやJRの駅などの公共スペースに設置されている(写真=左)。電波を受けるドナーノードとサービスノードをケーブル接続して小型中継アンテナとして使う、分離型の小電力レピーターも展示(写真=右)。「日本のレピーターは単に電波を増幅するだけでなく、信号処理をしてからもう1度再生するので、電波が劣化しない特徴もある」(説明員)
photophotophoto 新型成田エクスプレスに搭載した「車両用WiMAX-Wi-Fiレピータ(中継装置)」は、車内の電光掲示板内部に備えられている。Wi-Fiで電波を受けてWiMAXで出力、WiMAXで電波を受けてWi-Fiで出力することが可能だ
photophoto 個人向けの提供も想定している、一体型の小電力レピータ(写真=左)。小型屋内基地局「スーパーピコ基地局」の提供も検討している(写真=右)
photophoto 基地局のスペック(写真=左)と小電力レピータと基地局のスペック(写真=右)
photophoto UQの基地局は、都心部を中心に、1つの基地局で電波を3分割して発射する「3セクタ」と、1つの電波を発射する「オムニ」方式を採用している(写真=左)。説明員によると、3セクタとオムニの基地局数の比率は2:1程度だという。3セクタを採用した東京都千代田区付近と、オムニを採用した茨城県水戸市付近の電波分布マップ。○が基地局を示す。3セクタは、基地局ごとに電波が3分割されているのが分かる(写真=右)
photophotophoto 会場には、3セクタとオムニを採用した基地局のアンテナを展示。写真はオムニを用いたアンテナ(写真=左)。こちらはGPSアンテナ(写真=中)。電波を発射する部分。「V」からは垂直に、「H」からは水平に電波を出せる。「チルト角」と呼ばれる部分では、電波をなるべく下に向けて飛ばすよう角度をリモート設定できる。これは「電波を上に飛ばすと、ほかの電波との干渉が増えるため」(説明員)だという(写真=右)
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