NTTドコモは、CEATEC JAPAN 2010の同社ブースにて、撮る3Dと触る3Dをテーマにした「撮って、触って遊べる3D技術」を公開。2視点で撮影された写真から多視点3Dディスプレイと2Dディスプレイに最適な画像を作る技術「撮る3D」と、携帯端末向けの多視点3Dディスプレイを用いた「触れる3D」のデモを実施していた。いずれも具体的な商用化は未定。
撮る3Dは、2眼のカメラで撮影した写真を、各種3Dディスプレイに最適な表示へ変換する技術。デモにはレンチキュラーレンズを用いた裸眼で3Dを楽しめるディスプレイを利用し、ドコモは3D表示の「次の技術」だとアピールしていた。今回は2視点、3視点、8視点の裸眼3Dディスプレイでの表示デモを行い、8視点では見る角度による奥行の変化を見られた。
また、加速度センサーを利用することで、2Dディスプレイでも見る角度によって奥行きの変化を擬似的に体験できる展示も実施していた。このデモにはXperiaの加速度センサーを利用し、端末を左右に傾けると写真の奥行きが再現される。2Dディスプレイでの3D表示は専用機器が不要なので、さまざまな応用ができそうだ。
3Dディスプレイだけでなく、従来の2Dディスプレイでも3D画像を表示できるので、例えば3Dで撮影された写真(カメラで右目左目、2回撮影した簡単なデータなど)をメールで送り、受け手のケータイでダウンロードすると、その端末に最適な3D画像を配信するということも可能になるという。
触る3Dは、裸眼3Dディスプレイに表示されたカメレオンにペンを近づけると、カメレオンがペンを検知し、舌で弾くというデモを行っていた。実際に体感してみると、ペンが「トン」と弾かれる感触が面白く、中には驚いてペンを落とす人もいるほどだった。
説明員によると、ケータイの小さいディスプレイでの3D表示は、画面の大きいテレビ並みの迫力は出せないので、ケータイで体感できる五感の「見る」「聞く」に加えて「触る」を再現することを目指して開発を始めたという。
ペンには磁石が組み込まれており、ディスプレイの下のコイルに磁力を発生させてペンを弾かせている。別途バッテリーが必要になるわけではなく、あくまで磁石の反応を利用するというシンプルな構造となっている。連続的に磁力を発生することにより、その場所が飛び出ているような感覚を再現できるほか、磁力を調整して反発する力を変えることで、飛び出すレベルの調節もできる。さらに、発生する磁力の極性を逆転させ、その場所に吸い寄せられるような感覚も再現できる。
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