“広範囲”で見られるドコモの多視点裸眼3Dディスプレイ――課題は高精細化ワイヤレスジャパン2010

» 2010年07月16日 13時48分 公開
[田中聡,ITmedia]

 ドコモブースでは、「携帯型多視点裸眼3Dディスプレイ」が多くの来場者から注目を集めており、7月16日の11時30分ごろには「50分待ち」の案内が出るほどの盛況ぶりだった。

 多視点裸眼3Dディスプレイは、専用の眼鏡をかけずに、映像や画像を広範囲に3D表示できるのが特長。ディスプレイの上に「レンチキュラーレンズ」を備え、8方向の画像を1枚に合成して表示する。説明員によると、「扇状に広がった8枚の画像のうち、2枚を左右の目に映し出すイメージ」だという。デモ端末のディスプレイの解像度は「QVGAよりやや大きいサイズ」(説明員)で、同サイズの画像が8枚使われている。色数は1677万7216色。

photophoto 展示されていた多視点裸眼3Dディスプレイと操作デバイス(写真=左)。携帯型多視点裸眼3Dディスプレイの仕組み(写真=右)

 ケータイ向け裸眼3Dディスプレイは、すでに日立製作所シャープが発表しているが、今回ドコモが発表したものは“多視点”であることが特長。既存の3Dディスプレイは、基本的に特定の距離と角度(正面)からしか見られないが、多視点裸眼3Dディスプレイは、距離や角度を変えても3D表示が可能。具体的には、40センチメートルから1メートル(至近距離なら20センチまで可能)の距離から見られるほか、左右に15度ずつ動いても見られ、視野角も比較的広い。

 ブースには画像を回転させられるタッチパッドが用意されており、1枚の画像をさまざまな角度から見られるようになっていた。ドコモは「あたかも本物がそこにある感覚」を再現できることをアピールしている。タッチパネルと連携させた操作も可能だという。ディスプレイに触れながら画像のアングルを変える、といった直感的な操作ができると面白そうだ。

photophotophoto タッチパッドをなぞると画像のアングルが変わる

 想定される利用シーンは、ゲームや教育、オンラインショッピングなど。教育では、例えば昆虫図鑑をコンテンツ化し、奥行きのある昆虫の写真をさまざまな角度から見る、といった利用法が考えられる。オンラインショッピングでは商品の写真を掲載し、2D表示では伝えきれないディテールを映し出すことで、商品購入の参考にしてもらえる。

 なお、撮影した写真やワンセグの映像など、2Dコンテンツを3D化するといった用途は考えていないようだ。「ソフト処理で3D化することは不可能ではないが、画像のクオリティが落ちてしまう」(説明員)という。したがって、利用できる3Dコンテンツは、8方向から撮影した写真やCGを使った画像など、あらかじめ3D用に作成されたものに限られそうだ。

 多視点裸眼3Dディスプレイの商品化の時期は未定。説明員は「数年後には」と話していた。現状では量産化と、高精細な表示に対応させることが難しいことに加え、どのようなコンテンツを採用するかも未定で、技術面とビジネス面で課題が残っているという。

 最近のケータイディスプレイの解像度は「フルワイドVGA」が標準的になりつつあるので、QVGA程度では物足りないと感じる人も多いだろう。それだけに、“高精細な多視点3D表示”が実現できれば、新しいコンテンツビジネスを生み出す可能性が高まる。ドコモが取り組む3Dディスプレイの動向に注目したい。

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