使い過ぎユーザーは制御、でもスマートに――スマホ時代のドコモ流トラフィック制御CEATEC JAPAN 2011

» 2011年10月06日 22時04分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo NTTドコモ 取締役常務執行役員の岩崎文夫氏

 フィーチャーフォンに比べて、格段にパケット通信量が増えるスマートフォン。このスマートフォンが本格的な普及期に入ったことから、通信キャリア各社がトラフィック対策に本腰を入れ始めている。

 CEATECでキーノートスピーチを行ったNTTドコモ 取締役常務執行役員の岩崎文夫氏も、トラフィック対策に言及し、自社の取り組みを紹介した。

 同社は2010年後半から、スマートフォンへの本格的なシフトを開始し、製品ラインアップを拡充。その戦略が功を奏し、スマートフォンの販売台数が急速に伸びている。8月末時点の累計販売台数は300万台に迫る勢いで、「年度末目標の600万台を上方修正する可能性もある」(岩崎氏)というほど好調に推移。しかし普及に伴ってデータトラフィックも急増しており、その対策を急いでいる。

Photo スマートフォンへのシフトが好調に進んでいるが、データトラフィックも急増。ドコモは3つの方法を柱に対策を講じる

 ドコモは(1)周波数の利用効率がよいLTEサービス「Xi」の拡大展開(2)通信速度の制御(3)フェムトセルや無線LANへのデータオフロード の3つを対応策の柱としているが、中でも興味深いのが通信速度の制御に使われている技術だ。

 スマートフォンが普及し始めた昨年来、モバイルネットワーク飽和の危機が叫ばれているが、この主な要因となっているのは、実はごく一部のユーザーに過ぎない。岩崎氏によると「定額ユーザーの5%が、全体の約半分を使っている」という。ドコモでは、ネットワークを公平に利用できるよう、特に利用量が多いユーザーの通信速度を制御しているが、この制御の柔軟性には驚かされる。

 2009年10月から同社では、直近3日間に300万パケット以上使ったユーザーを“利用が多いユーザー”とみなして制御の対象としている。そして、パケット利用が多いユーザーと一般ユーザーがトラフィックの混み合った場所にいる場合には、一般ユーザーを優先させるよう基地局側で制御する。この制御をすべての基地局で一律に行うわけではなく、混雑しているエリアや時間に限って適用しているのがユニークな点。岩崎氏は「きめ細かい制御ができており、ネットワーク全体のキャパシティを効率的に使えるようにしている」と自信を見せた。

Photo 混雑していない場所やエリアでは速度制限をかけない柔軟な設計になっている

Xi対応スマートフォンは10月に4機種を発表

 トラフィック対策の主軸となるXiは、これまでデータ通信端末のみだった端末ラインアップを拡充し、新たにタブレット端末2モデルを投入。スマートフォンについても「10月に発表会を行う」(岩崎氏)とし、CEATECで参考出展している新モデル4機種を正式に発表する予定だ。

 エリア展開については、2011年度末までに全国の県庁所在地と政令指定都市に拡大。また2011年度末までには、東京と博多の間の全駅構内をXiエリアにする計画だ。

 通信速度は、現在、屋内の一部エリアで提供している下り最大75Mbpsのサービスを屋外でも展開。時期は未定ながら、1.5GHz帯の15MHz幅を利用することで実現する下り最大100Mbpsのサービスについても、都市部の屋外を皮切りにサービスを提供する予定としている。

Photo Xiは秋冬モデルでタブレット端末とスマートフォンが登場。通信速度は屋外での下り75Mbpsのサービス提供を目指す

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