各キャリアが実施する、パケット通信の速度制限ふぉーんなハナシ

» 2009年09月30日 23時30分 公開
[園部修,ITmedia]

 KDDI、イー・モバイルに続き、NTTドコモとソフトバンクモバイルも通信品質確保を目的とした対策の正式運用を始めたことで、国内の携帯電話キャリアすべてが、パケット通信の利用が多いユーザーに対する速度制限を導入したことになる。

 パケット通信は、早い段階から定額制が導入されたことで、ヘビーユーザーでも安心して利用できるようになった半面、サービスを提供する通信キャリアにとっては、トラフィックに比例した収入が得られないものになってしまった。今後どれだけトラフィックが増えても、加入者数×定額の上限額以上にパケット通信料で収入を得ることはできない。ことトラフィックという一面で見た場合、増え続けるデータ量に対応するだけのインフラ投資を行っていくためには、定額料の上限を上げるのは難しいだろうから、加入者数を増やすか、パケット通信料以外の部分でお金を稼ぐしか道は残されていない。

 こうしたキャリア側の事情も分からなくはないが、やはり定額制の料金プランは、ユーザーとしては気兼ねなく使いたいもの。そこで今回は、改めて各キャリアが実施している速度制限の発動条件と判定基準などをまとめてみた。

通信速度制限の発動条件と制限内容
キャリア 発動条件 制限内容 開始日
NTTドコモ 利用当日を含む直近3日間で、300万パケット以上の利用があった場合 混雑時の通信速度をほかのユーザーよりも抑える 2009年10月から
au(KDDI) 前々月、300万パケット以上の利用があった場合 21時から翌1時までEZwebの通信速度を制限 2008年10月から
ソフトバンクモバイル 前々月、パケットし放題、パケットし放題S、パケット定額ライト、パケット定額で300万パケット以上(PCサイトブラウザ、PCサイトダイレクト利用時は1000万パケット以上)、パケット定額フルで1000万パケット以上の利用があった場合 当月1カ月間、パケット通信の速度を制限する 2009年12月から
イー・モバイル 前々月、300Gバイト以上の利用があった場合 当月1カ月間、パケット通信の速度を制御する 2009年10月から

 こうしてみると、auとソフトバンクが月間300万パケット(およそ384Mバイト)で並んでいることが分かる。ただ、auはBREWアプリ、PCサイトビューアー、Eメール、PC接続によるパケット通信等は制限の対象外で、時間帯も夜のピーク時に限られている。またソフトバンクはインターネットアクセスがかなり多いと想像されるスマートフォン向けの料金プランや、PCサイトブラウザ、PCサイトダイレクト利用時には条件を1000万パケット(およそ1.28Gバイト)にまで緩和している。とはいえ頻繁に通信するアプリを使ったり、YouTubeの動画を見たり、楽曲を多数ダウンロードしたりするユーザーであれば、超えてしまう可能性は十分あるレベルで、不安を覚えるユーザーもいるかもしれない。

※初出時に、auの通信速度制限がEZwebだけで、「BREWアプリ、PCサイトビューアー、Eメール、PCによるパケット通信等は制限の対象外」という一文が抜けており、誤解を招く内容でした。お詫びして訂正いたします。(10/1 9:48)

 ドコモは直近3日間で300万パケットを超えた場合に制限が発生するので、厳密にはちょっと条件が違うが、月間に換算するとおよそ3000万パケット(およそ3.84Gバイト)程度と見ることができるだろうか。直近3日間ということは、ちょっとオーバーした程度なら1日我慢すれば制限が解除されるわけで、比較的ユーザーには“優しい”制限となっている。他社に比べてインフラの品質の高さをウリにしていたり、動画コンテンツを積極的に推進していたりするだけのことはある。

 ちなみにイー・モバイルは、さすがにPCでのデータ通信サービスを主力として提供するキャリアだけに、月間300Gバイト(およそ23億4375万パケット)まで利用した場合に制限の対象となる。一般的なPCのブロードバンド(ADSLや3G)ユーザーが、1カ月間で転送するデータの量は平均するとおよそ2Gバイト程度とのことなので、普通の人はよほどのことでもない限りこの制限に引っかかることはないだろう。

 ちなみに自分がどれくらいパケット通信を利用しているのか確認したい場合は、郵送されてくる請求書やMy DoCoMo、auお客さまサポート、My SoftBank、My Emobileなどを見るといい。

 KDDIは300万パケットを「着うたフル約250〜300曲分」と説明しているが、動画のような大容量コンテンツは確実に増えており、それらを利用するユーザーもまた増加傾向にある。HD動画が撮影できるケータイなども登場し、今後はそれをアップロードしたい人も増えてくることは間違いない。こうしたニーズの増加に対して、キャリアはどこまで応えてくれるのか。

 限りある電波を利用する以上、何でもかんでも無線で接続していくことは難しいのかもしれないが、1ユーザーとしては、より便利に、そして快適に、制限なくパケット通信が利用できる未来に期待したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月13日 更新
  1. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  2. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  3. どこでもウユニ塩湖? 3COINSで550円の「スマホ用反射ミラークリップ」を試す (2026年03月12日)
  4. 「Galaxy S26」シリーズはどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年03月11日)
  5. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  6. ドコモ「ガラケー取扱説明書の掲載を終了します」 3G終了に伴い、事前保存を呼びかけ (2026年03月11日)
  7. Xiaomiからも“デカバ”モデルが登場! 1万mAhバッテリー時代が到来 (2026年03月12日)
  8. 100W出力で急速充電対応「UGREEN USB Type-Cケーブル」が43%オフの743円に (2026年03月12日)
  9. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  10. サムスンに聞く「Galaxy S26」シリーズ開発秘話 AI機能はさらに賢く、商用化まで5年を要した「プライバシーディスプレイ」 (2026年03月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年