NTTドコモのシャープ製「AQUOS PHONE f SH-13C」は、コンパクトなボディにおサイフケータイ、赤外線通信、800万画素カメラを搭載し、IPX5/IPX7等級の防水とIP5X等級の防塵性能を備えたスマートフォンだ。OSはAndroid 2.3を搭載している。発売は7月〜8月を予定している。ワンセグこそ搭載していないものの、シャープの薄型テレビAQUOSとの連携やDLNA対応などのAV機能が充実しており、シャープらしさが光る。
しかし一番の特徴は、市販されるスマートフォンとして世界で初めてワイヤレスで充電できるという点だ。発表会では残念ながらモックアップの展示であったが、できる限りの部分をチェックしていこう。
AQUOS PHONE f SH-13Cはワイヤレス充電規格WPC(ワイヤレスパワーコンソーシアム)のQi(チー)に準拠しており、Qi規格対応の充電パッドであれば端末を乗せるだけで充電できる。ドコモは「おくだけ充電」と銘打って、今後も対応機種を増やす方針だ。
防水モデルは基本的に、卓上ホルダなどで充電することで端子カバーの開閉を行わないように工夫されているが、この端末はさらに“乗せるだけ”という手軽さで充電できるわけだ。また本体に付属する充電パッド以外でも、Qi準拠の充電パッドがあれば乗せるだけで充電できる。ドコモは今後、映画館や空港ラウンジ、コーヒーショップなどにおくだけ充電のスポットを展開する予定だ。ただ規格に準拠していても、付属の充電パッド以外では充電時間が遅くなることもあるという。
端末に同梱の充電パッドは、白を基調としやマットな質感でシンプルなデザイン。展示されていた試作機では端末を近づけた際の動作音が気になったが、製品版では改善されるという。SH-13C以外のQi準拠端末も充電できるが、動作保証はしないという。充電パッド自体は別途ACアダプタから給電する。説明員によると、自宅や職場など複数の場所で充電できるように別売する予定もあり、大体3000円代後半から4000円代になるとのことだ。
SH-13Cの本体サイズは約60(幅)×119(高さ)×10.9(厚さ)ミリ、重さは約130グラムと、同じドコモ向けの「AQUOS PHONE SH-12C」の約64(幅)×127(高さ)×11.9(厚さ)ミリ、重さ約138グラムに比べると非常にコンパクトな印象だ。
説明員によると、ターゲット層は初めてスマートフォンを持つ女性ということなので、女性でも持ちやすいサイズを目指したのだろう。フラットな背面と約10.9ミリという薄さのせいか、確かに持ちやすい。端末の周囲にはメタル加工をあしらうことで高級感を演出している。本体のイメージはシンプルで四角い(スクエア)なスマートな雰囲気を持ったスマートフォンというところであろうか。
やや気になった面としては、サイドキーが非常に小型であったためにわかりにくい印象があった。ボリュームの変更やロックにはやや慣れが必要かもしれない。
ワイヤレスで充電するには端末側に受け手のコイルが必要だが、SH-13Cのコイルはどこにあるのだろうか。説明員によると、リアカバーに搭載することも考えられたが、今回は本体のサイズを小型化することを優先し、電池パック自体にコイルを搭載したとのことだった。そのため、電池パック単体でも充電パッドに置くだけで充電が可能となっている。なお1つの充電パッドでは1台の端末しか充電できないため、先に置いた端末を優先して充電するようにしているとのこと。
今回はモックアップのみの展示ということで残念ながらソフトウェアを試すことができなかった。説明員によると、ソフトウェアはSH-12Cと同等になるということだが、SH-13Cには「docomo Palette UI」が搭載されるそうで、アプリを項目ごとに並び替えをするなど、便利に使いやすいように変更ができるとのことだった。また手書き入力もサポートされるとのことで、スマートフォンでのフリック入力などの入力方法に慣れていないユーザーでも手軽に操作が可能になるそうだ。
世界初のワイヤレス充電対応モデルということだったが、モックアップのみの展示ということで外観のみのレビューにとどまった。ドコモでは今後ワイヤレス充電できる施設を拡大していくということで、今後の端末展開や提供に期待していきたい。
端末は非常に薄いわけではないが、フラットでなおかつコンパクトという部分で非常に持ちやすい印象を得た。コンパクトな防水防塵対応端末としても完成度が高いと思われるので筆者もぜひ製品版を試してみたいと思った。
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