「2時間しか活動しないグループがある」「クラスのグループに入らないと置いていかれる」――イマドキ女子のLINE事情「アンテナ喫茶」座談会(2)

» 2014年04月30日 10時52分 公開
[村上万純,ITmedia]

 現役女子高生、女子大生、1年目社会人というイマドキな女子6人にスマートフォンの使い方を聞くインタビュー連載「アンテナ喫茶」の第1回は、「家族とLINE」というテーマで話を聞いた(→「家族とLINEは当たり前」「お父さん抜きの家族グループがある」――イマドキ女子のLINE事情)。第2回では、最も頻繁にメッセージを送り合うであろう「友だちとLINE」に焦点を当てていく。

 女子高生や女子大生のスマホ事情については、以下の記事も参考にしてほしい。

photo 左から、古川さん、丹下さん、中谷さん、中村さん、百武さん、庭野さん

「クラスのグループに入らないと置いていかれる」

 筆者は2007年に都内の大学に入学したのだが、初めて教室に一歩足を踏み入れたときのことをいまだに鮮明に覚えている。初対面であるはずのクラスのほとんどが、まるで前からの知り合いのように打ち解けていたのだ。あとから分かったことだが、彼ら/彼女らは入学前に「mixi」でクラスのコミュニティを立ち上げており、すでにある程度ネットを介して親交を深めていたのだ。そんなことをつゆほども知らない筆者は、初日からアウェー感を味わい、最後までクラスになじむことができない苦い経験を味わった。

 少々前置きが長くなったが、似たようなことが今高校生の間で起きているという。しかし、そこで使われているのはmixiではなくLINEだ。「始業式のときにはもうあります」(中谷さん)というクラスのLINEグループは、基本的にクラスのほぼ全員が参加しているという。ただし、「フィーチャーフォンの子や、クラスにあまりなじめてない子だと入っていないこともあります。クラスのグループに入っていないと、(クラスの話題から)ちょっと置いていかれちゃうかも」(中谷さん)ということだ。

 クラスのグループが存在する理由は、単純に「連絡網」(中谷さん)として。体育祭や文化祭など学校行事のときはもちろん、日々の生活の中でもクラス全員で共有すべき内容はLINEのグループで共有する。中村さんによると、体育祭では競技ごとのグループもあるという。「LINEの前はキャリアメールで一斉送信していました」という意見は満場一致だった。さらに前の世代になると、連絡網の中身は各家庭の固定電話番号だったのではないだろうか。

 「テスト前に試験範囲が書かれたプリントが掲示されるんですけど、それを写メって共有してくれると本当にありがたいです」と女子高生2人は口をはそろえた。筆者の高校や大学時代では、掲示板の前にはいつも人だかりができ、各人がこぞって携帯電話のカメラを向けていた光景を思い出す。また、「みんなが見たい配布物や共有物についてはEvernoteアプリを頻繁に使います」(中谷さん)という意見もあった。

 LINEのグループは、クラス替えのたびに新しいものを作成するという。前のクラスのグループはどう使うのか尋ねたところ、「同窓会のように、また集まりたいと思ったときに使います。あと、過去を振り返らない主義の人は退会していきます」(中村さん)ということだった。ここでいう「過去を振り返らない主義」というのは、携帯電話のアドレス帳で、もう連絡を取らないと判断した人の連絡先を整理していくイメージだろうか……。

「その場の2時間だけ活動するグループもあります」

photo 「LINEがはやりだしたころは、まだフィーチャーフォンとスマートフォンのユーザーが半々くらいでした」と振り返る百武さん

 大学だと、サークルの新歓活動でLINEが使われる。「新歓にLINEは必須で、4月はLINEの友だちが急増します。学年ごとにグループを作って、その中で仲良しになった人とは個別にグループを作ります。その場の盛り上がりで、2時間しか活動しないグループもあります」(庭野さん)。誰が誰だか分からなくなるのを防ぐため、LINEのプロフィールは顔写真と本名がスタンダードなのだという。また、名前の後ろにサークル名を入れるといった配慮もする。彼女たちにとってLINEはリアルな人間関係で完結しているツールなのだろう。

 筆者が大学に入学した2007年は、交換する連絡先の内容は、もっぱらキャリアメールのアドレスと電話番号。手書きで記入した紙を代表者が大切に保管し、ある程度メンバーが固定されたら部員名簿を印刷、製本して配布……という、今考えるとなかなか骨の折れる作業をしていた。

「グループ数は100」「話題のきっかけはLINE NEWS」

photo LINEグループを削除するには、メンバー全員を退会させる必要がある

 「遊ぶイベントがあるたびにグループを作ります。あと、誕生日の子がいるとその子にサプライズをするためのグループを作ったりします」(中村さん)という彼女たちの話を聞いていると、毎日のようにグループが乱立しているように思える。グループ数を聞いたところ、「78」や「100」といった答えが返ってきた。それら全部に目を通すことは不可能なのは明らかだが、どのように管理しているのだろうか。

 「全部見るのはもちろん無理ですし、全てのグループが常に活動しているわけではありません。基本的にグループの通知はオフにしていて、大事なグループだけをオンにしています」という意見でほぼ全員が合意した。何かイベントがあるたびに増えていくグループだが、グループを削除するにはメンバー全員を退会させるという手続きを取る必要がある。なので、活動しなくなったグループもずっと残ってしまいがちだ。

 また、ニュースアプリを使って積極的にニュースを探すことは特にしないという女子高生2人にとって、「LINE NEWS」は友だちと話すときのきっかけになるという。12時にプッシュ通信でニュースが配信されてくると、昼休みに「『ビッグダディまた結婚したんだって!』とか話題になります」(中谷さん、中村さん)。ご飯を食べながらスマートフォンを触ることもあるという彼女たちにとって、スマホは友だちとつながりを維持する上で欠かせないツールとなっている。


 次回は、現役女子高生の意見を中心に、これまでどのように携帯電話と付き合ってきたかを聞いていく。現在の校則でスマートフォンはどういう扱いなのか、といった気になる点も紹介していく。

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