3G通信できなくても問題ない? 4G LTEの実効速度はどれくらい?――「mineo」「mineo」の“ここ”が知りたい 第2回

» 2014年06月13日 14時48分 公開
[田中聡,ITmedia]

質問:SIMを挿せばすぐに通信できる?

 MVNOのSIMを使ってデータ通信をする場合、事前にAPN(アクセスポイントネーム)という接続先の設定をしなければならない場合が多い。「mineo」のセット端末のDIGNO Mの場合、SIMを挿入して電源を入れるだけで自動でAPNが設定され、すぐに通信が可能になる。スマホ初心者にはうれしい仕様といえる。

photo セット端末のDIGNO Mなら、SIMを挿入するだけで通信可能になる。ピクトアイコンには、MVNOのAPNに接続していることを示す「CPA」の表示が出るが、通信速度などに影響はない

 一方、ほかのauスマートフォン(mineo対応機種)の場合、Androidは手動でAPNを設定する必要がある。モバイルネットワークの設定でIDを「mineo@k-opti.com」、パスワードを「mineo」と入力し、暗号タイプは「CHAP」を選択すればよい。機種ごとの設定はmineoのWebサイト(※PDF)を確認してほしい。

photophotophoto 写真はDIGNO Mの場合。au向けDIGNO M KYL22も同じ設定画面だ。「設定」→「その他」→「モバイルネットワーク」→「auネットワーク設定」→「高度な設定」でIDとパスワードを設定。暗号タイプを「CHAP」を選択。その後アクセスポイント名を「mineo.jp」などと入力して「設定を有効にする」にチェックを入れればよい

 iPhoneはhttp://mineo.jp/apn/mineo.mobileconfigからプロファイルをインストールすれば通信可能になる。そのほかの特別な設定は不要だ。

photophotophoto Safariからプロファイルをインストールすれば通信可能になる

質問:3Gが使えなくても通信は快適?

 mineoではauの4G LTEネットワークでの通信が可能だが、3Gのデータ通信は利用できない。3Gなしでも問題なく通信できるのだろうか?

 筆者の場合で言うと、ここ数日間、mineoのSIM+セット端末「DIGNO M」を試用した限りは問題なく使えている。筆者の自宅は東京都江戸川区で、職場は東京都港区。移動には東京メトロの東西線と銀座線を利用しているが、DIGNO MのLTEが圏外になることはなかった。何度か自宅から会社までの移動中にDIGNO MでTwitterやブラウザなどを使ってみたが、ストレスを感じることもほとんどなく、サクサク利用できた。

 筆者は普段、auスマートフォンの「HTC J One」を使っているが、思い起こしてみれば、ここ1年ほどはLTEから3Gの表示に切り替わったという記憶はない。それほど快適に通信できている(通話の音声が途切れることはたまにあるが……)。試しに東西線の移動中(トンネルの中)に「RBB TODAY SPEED TEST」で3回速度を測ったところ、下り16.07、19.02、14.10、上り8.54、2.27、2.73Mbpsだった。地下鉄の移動中にこれだけ出れば十分だろう。

 800MHz帯における4G LTEの実人口カバー率は99%を実現しており、都心部で3Gに切り替わることはほとんどない、と考えてよさそうだ。逆にここまで実人口カバー率が向上した今だからこそ、ケイ・オプティコムはmineoの提供に踏み切ったのだと考えられる。

auスマホと比べて実効速度はどう?

photo ほかのauスマホと同じく高速な通信が可能だ

 mineoの通信速度は800MHz帯では下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsで、スペック上はauスマホと同じだが、実際の速度はどうか。mineoのSIMを挿入したDIGNO Mと、auのSIMを挿入したHTC J Oneで「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使って3カ所で3回ずつ計測した。

 ITmedia Mobile編集部(東京都港区赤坂の屋内)での平均速度はDIGNO Mが下り20.47、上り3.51Mbps、HTC J Oneが下り24.61Mbps、上り6.82Mbpsで、HTC J Oneの方がやや速かった。一方、筆者の自宅(東京都江戸川区)での平均速度はDIGNO Mが下り14.9Mbps、上り6.61Mbps、HTC J Oneが下り8.45Mbps、上り5.39Mbpsで、DIGNO Mが上回った。最後に屋外でも計測してみた。青山一丁目駅前での平均速度はDIGNO Mが下り9.92Mbps、上り3.02Mbps、HTC J Oneが下り9.41Mbps、上り5.71Mbpsだった。

 2機種間で大きな差はなく、あったとしても端末の通信性能によるところが大きそうだ。mineoでもしっかりと高速通信の恩恵を享受できることが分かった。

通信速度テストの結果(Mbps)
ITmedia Mobile編集部(6/12 21:50頃) 自宅(東京都江戸川区)(6/13 11:00頃) 青山一丁目駅前(6/13 14:00頃)
下り 上り 下り 上り 下り 上り
DIGNO M(mineo) 1 22.17 4.33 26.5 10.41 12.8 2.89
2 20.67 2.06 8.6 4.68 8.29 3.33
3 18.58 4.14 9.65 4.73 8.68 2.83
平均 20.47 3.51 14.9 6.61 9.92 3.02
HTC J One(au) 1 24.44 5.55 8.77 5.46 11.26 8.04
2 24.75 8.55 7.77 5.71 9.88 5.15
3 24.65 6.37 8.81 5 7.08 3.95
平均 24.61 6.82 8.45 5.39 9.41 5.71

質問:毎月の通信量を確認するには?

 mineoでは、月額980円(税別)で毎月1Gバイトまでの通信ができる。Google Playのアプリをまとめてアップデートしたり、YouTubeで動画を見たりすると、それなりのデータ量を消費してしまうので、通信量はマメにチェックしておきたい。

 Android標準の機能として、「設定」の「データ使用」から、選択した期間の通信量を把握でき、一定の通信量に達したら、警告の通知を出すことも可能だ。アプリごとにバックグラウンドの通信をオフにする設定もある。

photophoto 選択した期間のデータ通信量を確認できる。どのアプリが多く通信しているかも分かる

 mineoでは、Webサイトの「マイページ」(https://my.mineo.jp/)から残りの通信量を確認できるので、こちらを利用するのもいいだろう。このマイページでは、通信量のチャージやオプションサービスの申し込みなどもできる。

photophotophoto mineoの「マイページ」では、残りのデータ通信量が分かる(写真=左)。データ通信量のチャージもここから行う。当月内で余った通信量は翌月に繰り越せるので、チャージした通信量は翌月末まで有効になる(写真=中、右)

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