海外プリペイドSIM導入マニュアル――「ルクセンブルグ+パリ2014年」編パリは2012年よりSIMが購入しやすく(2/2 ページ)

» 2014年06月30日 16時20分 公開
[山根康宏,ITmedia]
前のページへ 1|2       

Post Telecomは使い方が不明

 今回の滞在ではSaturnでPost Telecomのプリペイドスマートフォンも購入してみた。郵便局でもいくつか製品を見かけたのだが、SIMフリーのスマートフォンに同社のプリペイドSIMをセットした専用パッケージが売られている。SIMフリースマートフォンを持っていない人には便利な製品だ。

 ところが、Post Telecomのデータ通信料金体系は、前述したようにスマートフォンには適さないWAP時代の数Mバイト利用を前提としたもの。そのため、スマートフォンで使うとあっという間に残高がなくなってしまうだろう。また、購入したスマートフォンにはすでにプリペイドSIMがセットされており、APNも設定済みだったが、そのままではデータ通信ができなかった。何かの設定がいるのかもしれないが、Post Telecomのプリペイドスマートフォンは音声通話用と割り切って使うべきかもしれない。

photophoto 10ユーロのSIM込み69ユーロで買ったPost TelecomのSamsung Electronics製「GALAXY Stara」。調べずに買ったらGSM端末だった(写真=左)。SIMは端末に装着済みで、APNも設定されているが、データ通信は利用できなかった(写真=右)

パリのプリペイドSIMのデータ通信が使いやすくなった

 ルクセンブルグの前に立ち寄ったフランスのパリ。ここでのプリペイドSIM購入体験は2012年3月に「フランス・パリ編」としてまとめたが、事業者によってはプリペイドSIMの購入が実質できないなど、旅行者には優しくない状況だった。しかし約2年半後に再訪したところ、各社ともスマートフォン向けプリペイドSIMは格段に買いやすくなっていたので、簡単にまとめておこう。

 各社ともにプリペイドSIMを購入してから、データ通信の利用量に応じた残高追加カードを購入して追加利用できる方法に変わっていた。もちろんプリペイドSIM購入時に各社の店舗で希望するデータ通信量をその場で追加してもらうのもよいだろう。SMSでコマンドを送ったり、複数のプランから選んだりといった面倒な手続きが(しかもフランス語)不要になっていたのだ。また、前回はフランスの銀行口座が必要だったBouygues(ブイグ)も今回は不要になり、誰もがプリペイドSIMの購入が可能になった。

photophoto Orangeは「Internet Mobile」の残高カードで150Mバイト/5ユーロ/1カ月か500Mバイト/10ユーロ/6カ月の2種類(写真=左)。SFRは「Internet」残高カードで1Gバイト/9ユーロ/7日間。Orangeより割安だ(写真=右)

 フランスでも各社がLTEを開始しているが、プリペイドで利用できるのはBouyguesとMVNOのJoe Mobileのみ。Joe MobileはSIMの入手がオンラインであり料金も月額制なので、LTEを使いたい人はBouyguesを選ぶことになる。OrangeやSFRもいずれLTEが利用できるようになるだろうから、こちらも渡航時には事業者の店舗やWebで最新状況を確認してほしい。

photophoto Joe Mobileをネットで購入したが、月額制かつ自動引き落としが継続されるため、利用は断念した(写真=左)。BouyguesはFormule24/24プランがスマートフォン向きだ(写真=右)

 ということで、今回はBouyguesのプリペイドSIMを購入してみた。BouyguesのSIMにはプランが3種類あるが、このうち「Formule24/24」がスマートフォン向き。テザリングにも対応しているということで、こちらを購入した。料金の追加に応じて無料データ分が300Mバイト、500Mバイト、2Gバイト、3Gバイトと分かれているので、SIM購入時に希望の料金を伝え、同時に追加してもらった。なお、SIMはパスポート提示による本人登録が必要だ。APN設定は以下の通り。

  • APN……mmsbouygtel.com
  • ユーザー名……なし
  • パスワード……なし
photophoto 前回まではプリペイドSIMが買えなかったBouyguesの店舗へ。Googleマップでは「Club Bouygues」で検索する。Bouyguesだけでは本社しか検索結果に出てこない(写真=左)。LTEは「しばらくするとつかめる」とのこと。電源投入直後は利用できなかったが、数回の再起動と1時間くらいしたら、いつのまにか4G表記になっていた(写真=右)

 パリでは、各社日数限定のデータプリペイドSIMも販売している。Bouyguesは2日間定額で9.9ユーロという、短期滞在にも便利な製品を提供している。またSFRにも同様の製品があると店舗で確認したが、数店舗回ってどの店でも品切れだった。Orangeにもタブレットに特化したプリペイドSIMがあるようだ。

photophoto BouyguesのデータプリペイドSIM。9.9ユーロでLTE対応、2日間定額だ(写真=左)。SFRにも同等の製品があると店舗で聞いたが品切れ。Webでは200Mバイト/15日無料(別途SIM代金9.9ユーロ)の案内しか見つけられなかった(写真=右)

 数年前に比べて格段に買いやすく使いやすくなったパリのプリペイドSIM環境。各店舗でも店員は英語を話す人が増えたようで、購入もスムースだった。この夏、パリに行く人はぜひ現地でプリペイドSIMを購入してほしい。


photo

山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1100台以上(2013年5月時点)。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月30日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  2. 「PayPayカード ゴールド」の特典変更は改悪? 損益分岐点を計算、年間100万〜220万円利用ならお得に (2026年04月28日)
  3. 相互交換が始まった「PayPayポイント」と「Vポイント」のお得な活用法 6月の“ルール変更”にも要注意 (2026年04月28日)
  4. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  5. 中国スマホの“iPhone化”が進む理由 模倣を超えた「最適解」、乗り換え促進の「エコシステム戦略」に迫る (2026年04月30日)
  6. ダイソーで550円の「スマートフォン ワンハンドシャッター」はカメラ撮影に役立つ? 「ボタンを押すだけ」がポイント (2026年04月29日)
  7. 「Fitbit Inspire 3」が10%オフ 最適な睡眠をサポートするスマートアラーム搭載 (2026年04月29日)
  8. 携帯電話のホッピング問題、「6カ月以内の継続利用を認める」方向で決着か 2026年夏に結論 (2026年04月23日)
  9. 修理費で13万円超えも 折りたたみスマホに「端末保険」が事実上必須といえる理由 (2026年04月27日)
  10. 血圧を測定できるスマートウォッチ「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」 17%オフで約5万円に (2026年04月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年