LG G Watchレビュー(後編)――通知、Google Now、OK Google、Android Wearアプリを試す想像以上に便利だった(1/3 ページ)

» 2014年07月28日 00時00分 公開
[ドリキン,ITmedia]

 こんにちは、ドリキンです。前回の「LG G Watch」レビュー前編の開封リポートに続き、今回は後編ということで、LG G Watchでは「何ができるのか?」という点と、実際に使ってみた感想、ファーストインプレッションなど、より具体的なAndroid Wearの機能についてレビューしてみようと思います。

photo 「LG G Watch」

Android Wear/LG G Watchでできること

 LG G WatchはAndroid Wearを搭載した腕時計型デバイスです。Android WearとはAndroid OSをベースに、ウェアラブルに最適化したOSなので、技術的にはどんなAndroidアプリを動かすことも可能です。ただ、現実的にはウェアラブルデバイスは、スマホに比べて画面が小さかったり、操作が難しかったり、物理的な制約が大きくなるので、デバイスに特化したアプリケーションや操作の最適化が必要になります。

 GoogleはAndroid Wearの開発者ドキュメントの中で、Android Wear UIは2つのコア機能、Suggest(提案)とDemand(要求)から成り立っていると説明しています。

 その名の通り、SuggestはAndroid Wearデバイス自身がユーザーに対して、操作や情報を提示する機能で、具体的には、Androidスマホ本体で受信したノーティフィケーション(通知)を表示したり、「Google Now」のカードを表示したりします。

 Demandは、ユーザーが能動的にAndroid Wearに対して何かを要求するという意味で、音声入力やタッチ操作により、アプリを起動する、タイマーをセットする、Android Wearの持つ機能をコントロールするという意味です。

 それ以外にも、基本中の基本である時計機能や、各種設定などの操作があります。

 まとめると、現状LG G Watchでできることはこんな感じです。

  1. 時計機能
  2. ノーティフィケーションとGoogle Nowカードの受信
  3. "OK Google"による各種操作の実行
  4. Android Wearアプリの実行
  5. 設定

 それぞれの機能について、具体的にどういうことができるのか、僕なりの感想を織り交ぜつつ解説していこうと思います。

ホーム画面と時計機能

 最初に紹介する機能はやっぱり時計機能でしょう。LG G Watchは腕時計型デバイスなので、時計機能を備えています(笑)。

photo

 標準状態では常に時計が表示されるようになっていて、これがAndroidスマホでいうホーム画面の状態です。何か操作をして画面が切り替わっても、しばらく放置しているとまた時計のホーム画面に戻るように設計されています。

photophoto

 デザインは、標準ではデジタル時計がセットされていますが、アナログタイプのデザインも含めて標準で24種類の時計デザインが用意されています。

 デザインの切り替え設定は、時計表示部分をタッチ操作で長押しすることで呼び出せるので、気分やシチュエーションで気軽にデザインを切り替えることも可能です。

 もちろん開発者がオリジナルの時計をデザインすることも可能で、後述しますが、既にBand O'Clockという、フォントや壁紙を好みにカスタマイズできる時計アプリもリリースされています。

 ホーム画面はノーティフィケーションやGoogle Nowカードを受信していないと全面時計表示になるのですが、何か情報が通知されると上半分が時計、下半分に通知という画面構成に切り替わります。

photo

 基本的には何かしら情報が通知されてくるので、この時計と通知のハーフ&ハーフ画面が標準的な待受け状態になると思います。

 また、このホーム画面上で、画面上部端から下に向かってスワイプするとプルダウンのメニューを引き出すことができます。

photophoto

 このプルダウンメニューには、日付とバッテリー残量に加えて、バイブ機能のオン/オフ状態が表示されていて、ちょっと文章では説明が難しいのですが、プルダウンを下に引っ張りきるとバイブ機能のオン/オフ状態がトグルで切り替わるようになっています。時計本体にハードウェア的なボタンは何もないのですが、この操作をすることによって、簡単にバイブ機能を制御できるようになっています。

 実際にはLG G Watchの場合、バイブ通知がかなり控えめで、携帯のように他人に迷惑をかけることもないので、あまりバイブをオフにする必要性を感じることはありません。個人的には、日付を確認するためにこのメニューを操作しないといけないのですが、その時にバイブ機能をオフにしないよう、気をつけて操作しないといけないのがちょっと不便です。

 そもそもホーム画面に常に日付が表示してくれればいいのに、と思ったりします(すぐにそういうアプリがリリースされると思いますが)。

ノーティフィケーションとGoogle Nowカードの受信

 現状、LG G Watchで最も便利に使っている機能がノーティフィケーションの受信とGoogle Now機能です。

 従来もスマホのノーティフィケーションを受信するウェアラブルデバイスはあったのですが、LG G Watchの最大の特徴はやっぱりAndroid Wear OSを搭載していることでしょう。スマホと同じAndroid OSをベースにしているだけでなく、Google自ら開発しているので、システムの親和性が高いです。

 実際、Androidスマホ上で表示されるノーティフィケーションは基本的に時計側でも受信できます。特にアプリ側がAndroid Wearに対応する必要はありません。

 TwitterのリプライやFacebookのメッセージなどを受信すると、リアルタイムに通知が来ます。Twitterなら返信ボタンを押せば自動的にスマホで返信画面が開きますし、Facebookメッセンジャーならスマホを経由せずに、直接時計から「いいね!」で返信ができます。

photophoto Twitterの返信
photophoto Facebookの「いいね!」で返信

 これはとても重要なことで、特にまだ専用アプリが少ない新規デバイスにおいては、あらゆるノーティフィケーションが受信できるだけで、既に実用性が高いです。僕自身、このノーティフィケーションの受信だけでLG G Watchを毎日装着して出かける価値を見いだしています。

 実際にLG G Watchを利用するまでは、「腕時計でノーティフィケーションを受信できるのは便利だと思うけど、実際には、Bluetoothでつながる範囲にスマホがあるんだから、わざわざ時計チェックしなくても、ノーティフィケーション受けたら直接スマホ見て確認すればいいじゃん!」と思っていたのですが、この想像は間違っていたなと今では思っています。

 確かに腕時計でノーティフィケーションを受けた段階で、ポケットなど手の届くところにスマホがあるケースは多いのですが、スマホを取り出して電源ボタンを押してホーム画面で通知を確認するという作業と、ちょっと手をひねって腕時計を確認するという作業では、思った以上にコストが違いました。

 実際、従来のスマホで通知を確認している場合、「なんだこんな通知か」とガッカリすることも多々あるのですが、腕時計で通知が確認できれば、そもそも確認する価値があるノーティフィケーションかどうかという判断ができます。1日の中で、わざわざスマホを取り出してノーティフィケーションを確認するという動作を半減できるだけでこんなに生活が快適になるものかとビックリしています。

 Google Nowについては、既に同様の機能が最新のAndroidスマホでは搭載されていて、Androidユーザーなら機能が想像できると思いますが、基本的にスマホで表示されるのと同様のカード情報がLG G Watch側にも表示されます。

photophoto スマホと同じ情報が表示される「Google Now」

 具体的には、今いる場所の天気だったり、株価だったり、自宅から職場までの通勤時間だったり、現状はまたまだバリエーションも少ないのですが、徐々に進化をしている感じで、これぞGoogleの本領発揮というか、Google Nowが進化すればするほどAndroidとAndroid Wearの最大の差別化要因になる可能性を秘めていると思います。

 最近感心したのは、パッケージのトラッキング機能です。Gmailと連携して、Amazonなど通販で購入したアイテムのパッケージの配送状況をトラッキングして、配送完了を通知してくれたりします。

 この手の新規デバイスでは、初期の状態では「アプリケーションやサービスが充実せずに使いにくい」→「使い道が少ないから売れない」→「売れないから対応アプリケーションが増えない」みたいな鶏卵的なネガティブスパイラルに陥ることが多いですが、Android Wearの場合、対応アプリが少ない現状でも、ノーティフィケーションとGoogle Nowで十分実用性があるところに普及する可能性があるなと思いました。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年