“+脈拍”でより精度が高まる活動量計 「PULSENSE」「WristableGPS」ってどんなもの?まずは記録から始めたい

» 2014年10月02日 23時32分 公開
[園部修ITmedia]
PULSENSE

 エプソンが10月2日、ウェアラブルデバイスの新製品を発表しました。いずれも同社のデバイス技術を生かしたラインアップです。運動強度やカロリー収支、睡眠や心の状態まで把握できる活動量計「PULSENSE」、ランニング時に心拍トレーニングが可能なGPS付きのランニングウオッチ「WristableGPS」、それにゴルフのスイング分析ができる「M-Tracer For Golf」の3製品が登場しました。どれもスポーツや健康、医療分野での活用を想定した、エプソンが強みを持つ技術を核とした製品です。

鈴村文徳氏 エプソン販売 取締役 販売推進本部 本部長の鈴村文徳氏

 もともとエプソンはクオーツウオッチやテレビウオッチ、リストコンピューター、ロカティオなど、「ウェアラブルデバイスを古くから手がけてきた」とエプソン販売 取締役 販売推進本部 本部長の鈴村文徳氏が話していましたが、そんなエプソンがそれらのコンセプトを継承しつつ開発した、意欲的なウェアラブルデバイスです。

 実売予想価格はPULSENSEの液晶ディスプレイ搭載モデル「PS-500B」が1万円台後半、ディスプレイがない「PS-100BL」「PS-100BS」「PS-100TL」「PS-100TS」が1万円台半ば(いずれも税別)。発売は11月6日の予定です。WristableGPSの「SF-810B」「SF-810V」は、実売予想価格が3万円台後半(税別)で10月17日発売予定。M-Tracer For Golf「MT500GII」は2万円台後半(税別)で10月8日発売です。

PULSENSE 「エプソンのルーツはウェアラブルにある」
PULSENSE 新商品は脈拍センサーを搭載した活動量計とGPSランニングウオッチ
PULSENSE ゴルフスイング分析システム向けの新モデルも

脈拍センサー搭載で精度が向上

 脈拍センサーを搭載したリストバンド型のPULSENSEとWristableGPSは、一般的な、加速度センサーのみを搭載する活動量計よりも、正確な運動強度や消費カロリーを計測できるのが特徴です。脈拍を検出できると、体への負荷や体の状態が正確に分かり、また睡眠状態なども認識できます。これにより、例えば同じ距離を移動したときでも、平坦なところを歩いたのか、坂道を歩いたのかを判別でき、算出される運動強度や消費カロリーがより実体に近くなるわけです。睡眠時にモードを切り替える必要もありません。

 脈拍数は「ウォーミングアップ」「脂肪燃焼」「有酸素」「無酸素」「最大強度」と5段階に分けてLEDライトと振動で通知してくれるので、自分が今行っている運動の状態を把握しやすいのもポイントです。

 このエプソン独自の脈拍センサーは、手首の血管にLEDの光を照射し、血中のヘモグロビンが光を吸収する性質を利用し、血流の変化で脈拍数を計測します。他社製品と比べて感度が5倍高いとのこと。そのため、従来の製品と比べ、より低い電力で動作でき、計測可能な時間が長く確保できています。PULSENSEでは最長36時間、WristableGPSは最長20時間の連続計測が可能で、1日に1回充電すれば、その日の行動をしっかりと記録してくれるだけの動作時間を確保しています。

 またWristableGPSは、心拍数を計測するバンドが不要になったのもポイント。これまで、心拍数を計測するには、専用の電極を備えたBluetooth接続が可能なバンドを胸に巻く必要がありましたが、新しいWristableGPS(SF-810B/SF-810V)なら、腕に付けるランニングウオッチだけで、走行距離やペース、脈拍が計測でき、心拍トレーニングが手軽に行えます。

PULSENSE 脈拍センサーを備えることで、活動量計の精度がより高くなります
PULSENSE 腕だけで運動中の精度が高い計測ができるのが特徴で、バッテリーの持ちも良く、コンパクトサイズであることが強みです
PULSENSE 長時間動作のからくり。エプソンの「省」の技術に当たるものです
PULSENSE これまで3つのチップで実現していた機能を1チップ化したり、外光除去フィルターを搭載したりしたことで小型化を実現しました。これはエプソンの「小」の技術を応用したものです
PULSENSE 激しい運動中はノイズも多く発生しますが、独自のアルゴリズムでノイズを除去しています。エプソンの「精」の技術によるものです

日々の活動を記録したい人向けの「PULSENSE」

 この脈拍センサーを活動量計に搭載したのがPULSENSEです。普段の何気ない活動を記録し、運動のきっかけにしたい人向きの製品です。単純に「5分歩いた」場合でも、5分歩いたうち、脂肪を燃焼したのは2分くらい、といったことが把握できるようになります。厚さはPS-500Bが14ミリ、PS-100シリーズの各モデルは厚さが12.5ミリ。PS-500Bは重さが約44グラム、PS-100シリーズのLモデルが約31グラム、Sモデルが約30グラム。3気圧の防水性能を持っています。

 PULSENSEで計測したデータは、専用のスマホアプリ「PULSENSE View」に転送して確認できます。PULSENSE Viewには、リアルタイムで脈拍がモニターできる画面や、エクササイズメーター、カロリーメーター、睡眠メーター、心バランスメーター、歩数メーターといった画面が用意されており、それぞれ認識した運動強度の情報を元に、データを可視化。例えば脂肪燃焼ゾーンでの活動時間などもグラフで確認できるので、1日の中でどれくらい運動ができたのかが簡単に把握できます。

 目標体重とダイエットのペースを設定することで、活動目安時間や消費カロリーの目安なども確認できます。ユーザーが体重の推移を入力すれば、カロリー収支から将来の体重推移予測を表示したりもできるので、運動やダイエットを続けるモチベーションにもなりそうです。

PULSENSE 脈拍センサーを搭載した活動量計、PULSENSE。緑色のLEDとセンサーで血流の変化を検出して脈拍を測定します
PULSENSE ディスプレイ付きのPS-500Bは細身の腕時計のようなデザイン
PULSENSE 専用アプリPULSENSE Viewでデータをグラフで可視化してくれます

心肺機能の強化を目指すアスリートやランナー向けの「WristableGPS」

 WristableGPSの新モデルは、PULSENSEよりも上級の、心拍トレーニングを行いたい人向けのランニングウオッチです。運動時に装着して利用することを想定していて、準天頂衛星「みちびき」の信号にも対応した高性能GPSチップなども備えています。スライドセンサーにより、トンネル内や屋内でも走行距離やラップが刻めるほか、上昇高度、下降高度、勾配なども計測できます。

 厚さは14.2ミリ、重さは52グラムで、5気圧の防水機能を備えます。製品のサイズは非常にコンパクトで、センサーを内蔵していながら外見は一般的な腕時計やスポーツウオッチとほとんど違いはありません。スポーティーなデザインではありますが、スーツを着ていても変に浮くようなことはない見た目です。

 WristableGPSは、Webアプリ「NeoRun」にデータをアップロードすることで軌跡や速度、脈拍数、ラップ、消費カロリーなどの管理・分析ができます。

WristableGPS WristableGPSの新モデルにも脈拍センサーが搭載されたことで、バンドが不要になりました

前モデルの不満点を解消した「M-Tracer For Golf」の新モデル

 脈拍センサーを搭載したPULSENSE、WristableGPSと同時に発表されたM-Tracer For Golfの新モデル「MT500GII」は、平均スコア100前後のアベレージゴルファーや上級者がさらにスコアアップを目指すための製品です。ゴルフクラブのグリップにセンサーを装着し、スイングすることでスイングやインパクト、スピード、シャフトの回転、テンポなどが解析できるデータが計測できます。データはスマートフォンやタブレットなどでグラフや画像で確認でき、改善ポイントと目標数値の把握ができます。実売予想価格は2万円台の後半(税別)です。

PULSENSE 左から元Jリーガーの片山真人さん、加圧トレーニングインストラクターで、エアラン東京ランニングクラブアドバイザーの鈴木莉紗さん、エアラン東京ランニングクラブ代表兼ゼネラルマネージャーで、WristableGPSランニングアドバイザーの田中正直さん。運動時に心拍数が参考にできることの重要性を説いていました

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