もちろん見た目をIngress仕様にするだけではない。 Android Wear端末をスマホと連携させるだけで、スマホのIngressアプリを通じて「COMM」(プレイログとエリアチャットを表示する画面)のアラートがリアルタイムで飛んでくる。自分のポータルが攻撃を受けたときに手首がブルッと震え、誰がどのポータルを攻撃しているかがスマホを開かなくても分かるのだ。
これをただの時計画面で受け取るのと、Ingress仕様のウォッチフェイスで受け取るのとでは、印象がまるで違うのが面白い。Ingress仕様のフェイスにしていると、「自分はエージェントなんだ!」という気分が高まり、まるで映画の登場人物の1人になったかのような気持ちを味わえる。
「即リチャージしなくては!」(リチャージ=自陣のレゾネーターを回復、維持させる行為)というときは、通知を見たらすかさず画面を左にフリックしよう。「端末で表示」と表示されてから画面をタップすると、接続先のスマホでIngressが起動してCOMMが開くので、すぐ目的のポータルを開くことができる。
筆者はガーディアン(自分がオーナーで、1つ以上自分のレゾネーターが刺さっているポータルを保持している日数に応じてガーディアンのメダルがもらえる)候補のポータルを所有していないが、なんとしても守り抜きたいポータルがある人にはおすすめの機能だ。腕時計で時間を確認するように戦況報告を受け取れる。
通知同様に便利なのが「ハングアウト」だ。ハングアウトとは、GmailやGoogle Appsを利用しているユーザー同士が、1対1または最大150人までのグループで、文字、写真、絵文字、ビデオ通話で交流できるGoogleのメッセージングサービス機能。iOS/Android用アプリが用意されており、PCやスマホでシームレスに利用できる。Gmailにログを残せるので、やりとりを後から検索できるというメリットもある。
このハングアウトも個人、グループにかかわらず、バイブレーションと共に瞬時にAndroid Wear端末にメッセージが通知される。しかもただの通知だけでなく、Gmailと同様にスマホを開かなくてもAndroid Wear端末の画面内でスレッドが読めてしまうのだ。テキストのみだが、複数のメンバーの発言もすべてさかのぼれるので、話題を把握しやすい。
これは、支援要請などの緊急連絡時に役立つ。例えば、敵に味方陣営のポータルを次々と破壊されていることに気付いた時、ハングアウトのグループメンバーへ一斉に支援を呼びかけられる。現場付近にいるメンバーがいれば、すぐさま駆けつけて反撃することだってできるのだ。
画面の通知を左にフリックして「返信」を選択すると、音声での返信も可能。変換後のフレーズを確認して送信することはできないが、単文ならおおむね間違いなくテキスト変換されるので「行きます!」と返事することもできる。音声が使えないときは、さらに左にフリックすれば端末のアプリを起動できるほか、短い返信用定型文も選択可能だ。
Android Wear端末のハングアウトで開始できるのは、閲覧と返信のみ。自分から発信したいときはスマホかPCが必要だが、こういった緊急性の高いやりとりができるというのもAndroid Wear端末の良さといえるだろう。活発なグループハングアウトの場合、頻繁に手首が振動し続けることもある。集中したいときはスマホのハングアウトアプリで通知をミュートしておくなど、臨機応変に対応したい。
なお、現在どこのグループにも所属していないという人は、「Google+」でまずは自軍のサークルに所属してみよう。そこからさらに自分の行動範囲内のエリアにサークルがないか探してみるといいだろう。サークルに参加し、あいさつで活動エリアを明らかにすると、ハングアウト(HOと書かれる)に誘われる可能性が高くなる。
筆者の場合はアプリのCOMMに支援要請を書き込んでいたところ、それを見つけた地元エージェントのハングアウトに招待された。同じ地域を活動拠点としているだけに、メンバーにも親近感が沸く。このような地縁が生まれるのもIngressの大きな魅力だ。個人で活動しているだけではリーチできない情報を教えてもらえることも多く、勉強にもなるしモチベーションアップにもつながる。
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