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» 2016年01月20日 06時00分 UPDATE

SIM通:携帯電話料金タスクフォースの提言でY!mobileの立ち位置は?

携帯料金タスクフォースの提言が公開され、携帯電話事業者へ具体的な活動を始めるよう要請しています。これにより携帯料金やMVNOはどうなるのでしょうか?

[SIM通]
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 昨年、総務省主導のもと行われた「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」。提言が公開され、携帯電話事業者への具体的な活動を始めるよう要請しています。携帯料金やMVNOはどうなるのでしょうか?

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 提言内容の骨子は以下のとおり。

提言内容の骨子
  1. 利用料金の値下げ
    • 目安として5,000円以下を目指すこと
    • 実現方法は問わないがたとえばエントリープランを用意するなどの対策をとること
    • 事業者が取り組みを報告すること
  2. 端末販売について
    • 実質ゼロ円のようなMVNOに対して不公正な売り方を適正化すること
    • 契約形態(たとえばMNPと機種変更)によって特別に値引き・キャッシュバック額を変えるような売り方を改めること
    • と言っても過度な干渉や業界団体のルール作りはカルテル化するのでよくない
  3. MVNOについて
    • 従来通り接続料の算定基準透明性を確保していくこと
    • 加入者管理機能の解放や利用者データベースのオンライン連携などに努めること
    • MVNO自身が魅力あるサービスを提供すること

 これにより、携帯電話料金はどうなるのでしょうか。

 この手の審議会としては極めて異例のことなのですが、提言の中に「サービス金額の目標値」が言及されています。それが、最初に提示された「5,000円」という目標ライン。実は日本の携帯電話料金は諸外国と比べても高額とは言えず、むしろ安いと言える部類ですから、『諸外国と同等以下』とすると実効的に何もしなくてもよくなる、という事情もあったことが推察されますが、と言って、5,000円以下なら安い、と言えるのかというとまた難しいかもしれません。とはいえ、大手三社ともに月額5,000円以上の「平均的ユーザ」に収益を支えられていますから、事業者としてはかなりの痛手になります。

 一方、ユーザとしては、この5,000円以下のプランが一体どのようなものになるのかによって話が違います。たとえば、「通話し放題1GB」が5,000円以下ならうれしいユーザもいるかもしれませんが、通話をほとんどしない人には全く恩恵がありません。

 また、端末の売り方の改善については、自由競争の観点から過度の規制はできないという結論です。端末の売り方の最大の問題は「奨励金」の在り方ということになるでしょうが、仮にどこかのキャリアが奨励金を自粛すると量販店は大きな奨励金を出すキャリアの端末ばかりを売るようになります。それこそカルテルでも作って「いっせーの」でやらない限り現状を改めるのはほぼ不可能です。今回の結論からは、「特に何も変わらない」ということになるかもしれません。

 そして、大手キャリアがどのような施策を打ち出そうとも、最終的に一番安く済むのは、MVNO利用者、ということになりそうです。というのも、今回の提言にもある『MVNOの接続料の透明化』はずっと昔から実施されてきたことで、これがあるために、大手キャリアはほとんど利益の無い接続料でMVNOに回線を貸し出しています。

 ここには、新技術や新周波数への投資や新サービスの開発、品質担保などといったキャリア同士の競争のための費用は乗っていませんし、サポートなどの費用も同様です。サポートやサービスの一部あるいは全部をOTT(Over The Top、たとえばGoogleなどのようなネット上のサービス会社)に放り出すという選択ができる分、MVNOの方が安いという状況は今後も間違いなく続くはずです。実のところ今回の提言、ケータイが高くて困っている人は、大手キャリア自身の値下げを待つよりもMVNOを活用しましょう、というメッセージとも言えるのではないでしょうか。

 結局、大手キャリアがどのような売り方やプランを作るのか、MVNOがどのように努力をしていくのか、を見据えて、自分の使い方に合わせて選ぶしかない、つまりこれまで通り、ということになりそうです。

 ところで、「大手3社」がやり玉に挙げられているけどY!mobileは何もしないの?という疑問もあるかもしれません。

 実際は、総務省が働きかけをするのはあくまで「3つの事業会社」に対してです。つまり、Y!mobileとソフトバンクモバイルの二つのブランドで事業を行っている「ソフトバンク株式会社」が働きかけに応える必要があるので、あえてブランドごとに何かをしなければならないということはありません。だからと言って、一番の問題である「消費者に分かりにくい」という点を払しょくするためには、ブランドごとの取り組みを明解にしていく必要があると言えそうです。

 ちなみに、今回の総務省から大手キャリアへの要請、1月末までに取り組みについて報告することを求めているようです。もしまだ迷っているなら、あと少しの間、様子を見てみるのもいいかもしれません。

(文:記者M)

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