“ちょうど良い”機能が充実!――「arrows SV F-03H」機能レビュー(1/2 ページ)

» 2016年06月27日 10時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 7月上旬の発売を予定しているNTTドコモのAndroidスマートフォン「arrows SV F-03H」。デザインの“上質感”を重視したミドルレンジモデルだ。

 ミドルレンジゆえに、プロセッサ、メインメモリや内蔵ストレージはハイスペックモデルよりも抑え気味ではある。しかしながら、普段使いの際に便利な機能はしっかり搭載している。本稿では、そんなarrows SVの“ちょうど良い”機能をいくつかご紹介する。

arrows Fit F-03H(White) arrows Fit F-03H(White)

スライドディスプレイ:指が画面上部に届かないときに便利

 初期設定したてのarrows(ARROWS)シリーズのスマホを手にすると、ナビゲーションバーの右端に下向き矢印のキー(アイコン)が目に入る。これは「スライドディスプレイ」キーだ。

 画面の上端部に指が届かない時にこのキーを押すと、画面が下方向にスライドするようになっている。下げ幅は自由に変えることもできる。さらにarrows SVでは、下げた画面を左右に寄せることも可能だ。スマホを片手で操作する人にはうってつけの機能といえるだろう。

 ちなみに、スライドディスプレイキーはナビゲーションバーの左端に表示することも可能だ。また、スライドディスプレイ自体を使わない場合はキーそのものを非表示にもできる。自分の好みに合わせてカスタマイズしよう。

スライドディスプレイキー スライドディスプレイキーは、初期状態でナビゲーションバー右端にある
下へ寄せるさらに左へに寄せる キーを押すと画面は下に寄る(写真=左)。下に寄った状態からさらに左右に寄せることもできる(写真=右)

スライドイン機能:いつでも呼び出せて便利

 arrowsスマホといえば、画面の端部をスワイプする(なぞる)と呼び出せる「スライドイン機能」も忘れてはいけない。arrows SVにはハイスペックモデルと同様に「スライドインランチャー」「なぞってコピー」「キャプメモ」の3つのスライドイン機能を搭載している。

 スライドインランチャーは、画面の端部をスワイプすると呼び出せるアプリランチャーだ。1つのランチャーに最大で8つのアプリを設定できるようになっており、最大で4つのランチャーを用意できる。

スライドインランチャー最大4つランチャーを設定可 画面の端部をスワイプするとどこでも呼び出せるスライドインランチャー(写真=左)。ランチャーは最大で4つ設定可能(写真=右)

 なぞってコピーは、表示中の画面をなぞると、なぞった部分の文字列をコピーできる機能だ。純粋な文字列だけではなく、画像・写真に含まれる文字もテキストに変換してコピーできる。Webサイトの店名や電話番号をメールで送りたいが、画像に含まれていて手打ちし直さないといけない……というシーンで非常に役に立ちそうだ。

 キャプメモは、画面のスクリーンショット(キャプチャ画像)に、手書きの情報を書き加えて保存できる機能だ。文字を直接書き込んだり蛍光ペンで強調したりすることで、メールやSNSでの情報共有がより便利にできる。何も書き込まずに保存すれば、電源キーとボリュームダウンキーの同時押しによるキャプチャ操作の代わりにもなる。ただし、スクリーンショットが禁止されているアプリ(ワンセグアプリ、一部の動画アプリなど)ではキャプメモを使うことはできない。

なぞってコピーキャプメモ なぞってコピーは本来コピーできない文字列や画像も認識してテキストデータとしてコピー可能(写真=左)。キャプメモはスクリーンショットに手書きの情報を書き込めて便利(写真=右)

 スワイプスポットは画面の左右に5カ所ずつ、合計10カ所ある。ランチャー(最大4つ)、キャプメモ/なぞってコピーの起動を好きなスワイプスポットに割り当てることができる。自分の使い方に合わせてスポットを設定しよう。

スワイプスポットは10カ所ある スワイプスポットは10カ所ある

マルチコネクション:データ通信の安定化+高速化

 通常のAndroid端末では、Wi-Fiに接続をするとLTE/3Gのデータ通信はオフとなる。無線LANをオンにしたままにすると、移動中に無線LANアクセスポイントへの接続・切断を繰り返すことがある。ちょうど接続・切断のタイミングで通信が行われると、Webサイトやアプリがデータ取得においてエラーを起こしやすくなる。また、Wi-Fiにつながっていても、電波が弱いと「粘る」ことでデータがいつまでたってもやりとりできないこともある。

 それに対し、arrows SVには「マルチコネクション」という機能が備わっている。これは大きく「LTE/3Gと無線LAN(Wi-Fi)の同時待機・通信」と「マルチセッション」の2要素から成り立っており、前者は主に通信の安定度向上、後者は通信の高速化に寄与している。

 マルチコネクションをオンにしておくと、LTE/3GとWi-Fiが同時にデータ通信を待ち受けるようになる。Wi-Fi接続が不安定になるか切断されると、自動的にLTE/3G通信も行い、安定するとWi-Fi中心の通信に戻るようになっている。また、マルチコネクションのモードを「フルスピード」にすると、LTE/3G・Wi-Fiの同時通信を積極的に行うことでデータのダウンロードをより高速化できる。

 マルチセッションは、Webブラウザやアプリが1つのサーバアクセスするセッション数を増やすことでデータのダウンロードを高速化する技術で、arrows SVではマルチコネクションを有効にすると使える。一部の動画アプリでは「高速ストリーミング」にも対応している。

 arrows SVはLTE-Advancedサービス「PREMIUM 4G」や、より高速なWi-Fi規格「IEEE 802.11acに非対応だ。だが、マルチコネクションを駆使すれば少しかもしれないが、より安定・高速な通信を期待できる。マルチコネクションは標準で「オン」となっている。富士通コネクテッドテクノロジーズとしては「ぜひ使ってほしい機能」ということなのだろう。

 なお、マルチコネクションをオンにしているとうまく通信できないアプリも少ないが存在する。そのような事態に備えて、マルチコネクションをアプリ単位でオン/オフする機能も備わっている。また、完全な有効/無効の切り替えは通知パネルスイッチからもできる。もしもの時は活用しよう。

マルチコネクションのアイコン マルチコネクションは標準で「有効」となっている。赤枠で囲ったアイコンが目印だ
マルチコネクションのモード切替アプリ単位での有効/無効切替 マルチコネクションはWi-Fi通信が不安定な時にLTE/3G通信を加える「安定通信」と積極的に同時通信をする「フルスピード」の2モードがある(写真=左)。マルチコネクションの有効/無効はアプリ単位で切り替えられる(写真=右)
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