モバプリ注目はLINEモバイルとUQ mobile!?2017年のMVNO展望SIM通

» 2017年01月17日 06時00分 公開
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 昨年も大盛り上がりだった格安SIMやMVNOの各社。2017年の業界はどうなって行くのでしょうか。SIM通に記事を寄せてくれているモバイルプリンス氏に伺いました。

モバイルプリンス氏

―来年のMVNO業界の展望を伺いたいのですが、その前に昨年の業界についてお聞かせください。

モバイルプリンス(以下モバプリ) 2016年は、大手キャリアが総務省からのお達しでガチガチに縛られる一方で、MVNOやSIMフリースマートフォン市場は大盛況でしたね。

―キャッシュバックや実質0円の禁止など、大手キャリアにとって向かい風の1年でした。

モバプリ そうですね。ただし、そうした苦しい中で、20GB・30GBの大容量プランが出てきました。それに対抗する形で、動画サービスを通信量のカウント対象外とするMVNOも出てきて、余波が広がっていますよね。

―SIMフリースマホも沢山出てきましたが、注目した機種はありましたか?

モバプリ HUAWEI P9やZenFone 3などは言わずもがなですが、今年はスマホメーカーではない会社のスマホが印象に残っています。

 たとえば、スマホアクセサリーメーカー・トリニティのWindows 10 Mobileスマホ「NuAns NEO」や、携帯ショップ、テルルでお馴染みピーアップのAndroidスマホ「Mode1」などです。両方ともスマホとしての完成度は決して高くないものの、一点突破型で存在感を示しています。NuAns NEOの場合は国内初「Continuum」対応、Mode1はdocomo・au・SoftBankの周波数に対応などですね。

NuAns NEOとMode1

―たしかにいろんな機種が出てきましたね。それでは本題ですが、ズバリ、2017年に注目のMVNOはどこの会社でしょうか?

モバプリ 個人的に楽しみなのはLINEモバイルですね。

―2016年9月よりサービスを開始しています。LINEやTwitter・Facebookなどが通信量のカウント対象外になる「カウントフリー」機能も話題となりましたね。

モバプリ 嘉戸彩乃社長が素敵ですよね。

―そこですか(笑)まじめに答えてください。

モバプリ まじめに答えると、サービスよし、知名度高し、社長よしの大本命なのですが。

―本当に社長を押しますね(笑)

モバプリ 契約方法がWEB申込みだけなんですよ。世の中には、インターネットで物を買うことに抵抗がある人もまだ多いと思います。けれど、LINEモバイルの場合はさらに「契約」ということで、ネットショッピングと比較してもハードルがかなり高くなっています。そこをどう乗り切るかに注目しています。

―確かに契約できる場所や、手順って大事ですよね。

モバプリ 仕事柄、多くの人からMVNOに関する質問や相談を受けますが、契約方法の話をすると「できれば対面で契約したい......」と、WEBでの契約を敬遠する方は沢山います。初めてMVNOを契約する時って、不安がいっぱいだと思います。音声回線つきのものをMNPするならなおさらです。やっぱり対面での契約の安心感はあるでしょうから、LINEモバイルに限らず、これは大事ですね。

―その他、注目のMVNOはありますか?

モバプリ いやがうえで注目しないといけないのはUQ mobileでしょう。テレビCMや店頭の販売スタッフの力の入り方が尋常ではないと感じます。実際使ってみて、通信速度も本家のau回線とあまり遜色がなく、安定しています。乏しかった端末のラインアップも、ZenFoneシリーズや独自にカスタムしたP9 lite PREMIUMを導入することで、一気に厚みが増してきましたね。

―知名度、通信品質、端末ラインアップと全方位で充実させてきているということでしょうか。

モバプリ そうですね。ドコモ系の端末を使わなければ、現状最強のMVNOと言ってもよいかもしれません。ただしUQ mobileってのはKDDI・沖縄セルラーの子会社で、ちょっと優遇されすぎていないかな?と言うのは感じるわけです。他のMVNOだったら、あの価格・あの品質でやっていけるのかと。

 安くて品質よければユーザーとしては嬉しいのですが、長期的に見ると新規参入が拒まれ市場が硬直化し、ユーザーにとっては不利益を被る可能性もありますよね。ながくau系のMVNOでがんばっているmineoからすると、現状のUQ mobileには一言も二言も言いたいことがあると思いますので、今後は総務省を交えたマイクバトルが始まるのかどうか、ちょっと楽しみですね。

―LINEモバイル、UQ mobileの2社に注目、ということですね。

モバプリ 多くのMVNOがある中で、ポジショニング的に鍵を握っているのはこの2社だと思います。

 今までは情報感度の高い、いわゆるアーリーアダプター層がターゲットだったと思いますが、時間が経つに連れて徐々にハードルを下げて裾野を広げないといけなくなります。MVNOはまだまだ伸びる余地がある成長市場なので、ちょっとしたキッカケで爆発的に普及すると思うんですよ。それこそ、契約のハードルを下げるとか。

 いずれ大手キャリアとMVNOの契約者数が逆転するのではないか、と思っています。2017年も動向をチェックしながら、楽しみに待ちたいと思います。

(文:モバイルプリンス)

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