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» 2017年03月11日 06時00分 UPDATE

石野純也のMobile Eye:現実味を帯びてきた「5G」、スマホも「1Gbps」の時代に MWC 2017で見えたもの (1/2)

2017年のMobile World Congressは、商用化が迫る「5G」の姿とそこへの道筋が、より具体的に見えてきた。スマートフォンの新製品はカメラの向上が目立ったが、1Gbps通信対応のモデルも登場し、端末スペックも5Gに近づきつつある。

[石野純也,ITmedia]

 2月27日から3月2日に渡り、スペイン・バルセロナで「Mobile World Congress 2017」(以下、MWC)が開催された。MWCは、通信業界の祭典とも呼べるイベント。通信キャリア、端末メーカー、ネットワーク機器ベンダーや半導体メーカー、アプリ開発企業など、モバイルに関わる、ほぼ全てのレイヤーに属するプレーヤーが、全世界から一堂に会する場となっている。

Mobile World Congress 2017 スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2017」

「5G」への道筋が見えてきた

 MWCのテーマは多岐にわたり、出展する企業ごとに思惑も異なるため、その内容を一言でまとめるのは難しいが、あえて大きな枠を設けるとすれば、2017年は商用化が迫る「5G」の姿とそこへの道筋が、より具体的に見えてきたMWCだったといえる。

 キャリアやインフラベンダー、チップセットメーカーは、2〜3年後のサービス開始に向け、実証実験を本格化させていた。例えば、Ericssonは、5Gの電波を飛ばし、50km離れた車を「遠隔運転」するデモを披露。Qualcommも「5G NR」(New Radio=5Gで使う新しい周波数帯)の実験結果を公開するなど、その進展の様子を確認することができた。

Ericsson Ericssonは、5Gのネットワークを使った遠隔運転のデモを披露。50km離れた車を、MWC会場から運転できた
Mobile World Congress 2017
Mobile World Congress 2017 Qualcommブースに展示されていた「5G NR」対応のボード。5Gは、2019年ごろに商用展開が開始される。その間、LTEも1Gbpsまで高速化していく見込み

 また、NTTドコモやKDDIを含む22社は、標準化のスケジュールを前押しすることにも合意している。これに伴い、早い国では2019年に商用環境の5Gがスタートすることが明らかになった。ドコモの吉澤和弘社長は「1年ぐらい前までは、5Gといってもコンセプト的なところがあったが、2017年のMWCではかなりそれを実現するための技術が具体的に見えてきた。標準化を前倒したのもそうだが、今後は実際にサービスに落とし込んでいく」と商用化に大きく前進したことへの期待感を語っている。

スマートフォンはカメラ重視に

 数年先をにらんだキャリアやベンダーに対し、端末メーカーにとってのMWCは、会期後すぐに発売される最新モデルをお披露目する場になっているのが現実だ。2017年は「Galaxy Note7」の発火問題もあって見送られたものの、例年であればSamsung Electronicsが大規模な発表会を開き、フラグシップモデルを全世界に向けてアピールしていた。

Mobile World Congress 2017 Samsung Electronicsはフラグシップモデルの発表を3月29日に先送りし、MWCでのプレスカンファレンスを縮小。タブレットなどを披露した

 2017年はこの王者不在の“穴”を埋めるように、Huaweiがフラグシップモデルの「P10」「P10 Plus」を発表。日本メーカーでは、ソニーモバイルコミュニケーションズが「現時点での“初”を凝縮した、最高の体験を与えられるXperia」(UX商品企画部門 UX商品企画2部 統括部長 安達晃彦氏)として、最上位モデルの「Xperia XZ Premium」を披露し、大きな話題を集めた。Xperia XZ Premiumについては、MWCを主催するGSMAから、「ベストスマートフォン」の賞も贈られている。

Mobile World Congress 2017 「HUAWEI P10」
Mobile World Congress 2017 「HUAWEI P10 Plus」
Mobile World Congress 2017 カラーでPANTONEとコラボするなど、デザインにも力を入れた

 スマートフォンは、各社ともトレンドとなっているカメラをさらに進化させた。ライカと協業し、デュアルカメラ普及の立役者ともいえるHuaweiはP10とP10 Plusでもこれを採用。日本では12月に発売された「Mate 9」と同様、モノクロ側のCMOSセンサーを2000万画素に上げ、より精細で解像感の高い写真を撮れるようになった。P10 Plusに関しては、レンズのグレードも上げ、ライカの「SUMMILUX」を搭載。F値が1.8となり、より明るい写真を撮れるようになった。同社端末部門のCEO、リチャード・ユー氏は「スマートフォンのカメラにブレークスルーをもたらしたい」と自信をのぞかせた。

Mobile World Congress 2017
Mobile World Congress 2017 デュアルカメラの画質に磨きをかけ、おなじみの「ワイドアパーチャ」も搭載

 対するソニーモバイルは、Xperia XZ Premiumや「Xperia XZ」のマイナーチェンジ版の「Xperia XZs」に、ソニーの半導体事業部が開発した最新の積層型CMOSセンサーを搭載。このセンサーにはメモリが搭載されており、信号を高速に処理することによって、960fpsの超スローモーション動画や、シャッターを押す前から画像を記録する「Predictive Capture(先読み撮影)」といった機能が利用できるようになった。

Mobile World Congress 2017 ソニーモバイルは「Xperia XZ Premium」などに新型の積層型CMOSセンサーを搭載
Mobile World Congress 2017 960fpsの超スローモーション撮影(写真は「Xperia XZs)
Mobile World Congress 2017 「Predictive Capture(先読み撮影)」を楽しめる(写真は「Xperia XZs)

 カメラ重視の傾向は、ミッドレンジモデルにも広がっており、日本に参入を果たしたばかりのWikoは、デュアルカメラを搭載した「WIM」をMWCで発表。カメラ評価機関DXOとのコラボレーションを行い、画質のチューニングも行っている。デュアルカメラはLGエレクトロニクスのフラグシップモデル「G6」にも搭載されており、こちらは2つのカメラを切り替えることによって、画角を大きく変えて撮影を楽しめる。全体を通してみると、カメラは数値的なスペックよりも、“いかに楽しめるか”に力点が置かれていた印象を受ける。

Mobile World Congress 2017
Mobile World Congress 2017 ミッドレンジながら、デュアルカメラを搭載したWikoの「WIM」
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