「FREETEL」のプラスワン・マーケティングが民事再生手続きを開始 「とりかえ〜る」などの受付を停止

» 2017年12月04日 13時40分 公開
[井上翔ITmedia]

 FREETEL(フリーテル)ブランドで携帯電話端末の開発・販売を手がけるプラスワン・マーケティング(POM)は12月4日、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立てた。MAYA SYSTEM(東京都新宿区)をスポンサー候補として、事業再生に向けた具体的な協議を進めているという。

Webサイト上の告知 FREETELのWebサイトに掲載された告知

手続き開始に伴う影響

 この手続きの開始に伴い、以下のサービスの利用受け付けが停止される。当該サービスの今後については、スポンサー候補であるMAYA SYSTEMなどと協議した上で改めて告知するという。

  • とりかえ〜る
  • 特別買取サービス
  • PREMIUM端末補償
  • FREETEL Coin
スマートコミコミ+ 「とりかえ〜る」を利用できる料金プラン「スマートコミコミ+」も新規受け付けを停止

「民事再生」とは?

 「民事再生」は個人・法人の倒産手続きの1つで、民事再生法に基づいて行われる。法人の場合は事業を継続させることが前提となる。類似の制度として会社更生法に基づく「会社更生」もあるが、それと比較した際の民事再生のメリットは以下の通り。

  • 会社更生手続きよりも手続きが簡便
  • 既存株主は株主の権利を留保できる
  • 手続き開始前の経営陣の交代が必須ではない(≒再建に携われる)

POMの今後は?

 裁判所が民事再生手続きの開始を決定した場合、POMは「債権の届出・調査」「再生計画案の作成」「債権者集会での再生計画案承認」「裁判所への再生計画提出」と手続きを進める。最終的に裁判所が再生計画を認可すると、POMの民事再生は正式に始まる。

 ただ、民事再生が始まっても油断はできない。計画通りに経営再建が進まない場合など、裁判所が職権で「破産」手続きに切り替える場合もある。破産となった場合、法人の財産を全て債権者に配分することになるため、最終的に法人が消滅することになる。

 POMは一部を除くMVNO事業(FREETEL SIM)を楽天に約36億円(負債込み)で売却した(関連記事)ものの、資金繰りが悪化。「資金繰り破綻によりエンドユーザーの皆様にご迷惑をおかけする事態を回避するため」民事再生を選択したという。ユーザーの便益を守りつつ、事業をどう再生させるのか注目が集まりそうだ。

基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO

格安SIM、SIMロックフリースマホのすべてが分かる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  6. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
  7. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  8. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  9. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  10. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年