コラム
» 2006年12月29日 12時00分 UPDATE

2006年ニュース総括 「正直、がっかりしました」

PC USERのニュース担当が今年のホットトピックを私的に振り返る。マシンのようにニュースを片付けていくタフでクールな担当者の目に、2006年のPC業界はどう映っていたのか?

[城戸芳充,ITmedia]
og_news2006_001.jpg ニュース担当近影。IT戦士の恋人によく似ていると言われるが別人だ

 「ニュース記事担当の私的な視点で、今年の総括をテキトーによろしく」と編集G氏からの注文。さて困った。本来なら景気のいいセリフの1つでも言うべきなのだろうが、正直なところ2006年は「がっかり感」多き1年だったからだ。

 BootCampがある? まあ、そういう発言をする人と言い争うつもりは毛頭ないが、個人的にはあまり興味を引かなかった。いままでできなかったことができるようになる、という意味では素晴らしいことだと思うけれど、BootCampに限らずそもそも複数のUI(WindowsとMac OS)をユーザー側で使い分ける必要があるというのは、ソリューションとしてどうなんだろうという気がする。……何か嫌な予感がするのでこの辺でやめておこう。BootCamp、最高です。

自分自身に“がっかり”させられたり

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 PC業界全体に波及したニュースとして最も話題を集めたのは、やはりソニーバッテリー関連のリコール問題だ。デルのリコールから始まり、該当バッテリーの供給を受けていた国内メーカーの多くはその対応に追われた。自分のPCがリコール対象製品に該当してがっかりした人も少なくないだろう(編集部内では該当していなくてがっかりした人もいるようだが)。バッテリーの交換対象数やその費用、“too clever”なプロモーションでさまざまな反響を呼んでいるPSPの不審不振なども含めて、ソニーにとってはあまりよい年ではなかったかもしれない。いちソニーファンとしては、がっかりというより本気で悲しくなる年でもあった。


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 さて、「ちっこいガジェット好き」な筆者の“がっかりニュース”としては、「UMPC(origami)」の前評判と発表後の落差、そしてそのフェードアウトっぷりを挙げておく。「中途半端なものは出したくなかった」と言うけれど……いくらなんでも盛り上がらなすぎだと思います。

 もっとも、その失望はVAIO type U工人舎のSA1F00Aで、ある程度は埋め合わされた。ただ、「ミニPC」のコンセプトを持つ製品は一時的に注目は集めても、結局のところ一部の層にしか受け入れられないのがもの悲しい。この分野の製品が出ると“とりあえず即買い”してしまう製品ニュース記事担当としては、自分の感性と世間のニーズとの大いなるズレに疑問を抱かざるをえない。


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 そんな困惑に追い討ちをかけてくれたのが、「まあ初物はみんな様子見だろうな」とタカをくくっていたUSBワンセグチューナーPLCの製品群である。

 どちらも、メーカー側の予想をよい意味で裏切る好調ぶりとのことで、比較的冷淡にニュースを見ていた自分の鼻の鈍さに“がっかり”したのだった。ワンセグに関して言えば「携帯電話で十分だろ」、PLCは「しばらくは無線LANアクセスポイントのほうが」と思っていたんですけどね。

DIYな人には楽しい1年だったかも

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 自作ユーザーにとっては、Core 2 Duoの1年だった、と言えるかもしれない。その登場前はIntelAMD熾烈な価格競争を加速させたし、登場後はお互いがアキバのショップ店頭でマイクパフォーマンスを繰り広げる要因にもなった。ひさびさにオーバークロッカー御用達仕様のマザーボードも出そろってきており、自作PCから遠ざかっていた(自分のような)人間すらその気にさせる熱気が感じられる。

 また、製品自体のインパクトでは、“電気食い”なGeForce 8800シリーズやクアッドコアに後押しされてついに1000ワットオーバーの電源ユニットが登場したのもトピックだ。記事執筆時には、表記単位を「キロワット」にすべきか微妙に悩んだりした。

 こうした表舞台の華々しい新製品群の影で、忘れたころにポッと出るAGPグラフィックスカードもしぶとく生き残っていた。はたしていつまで延命されるのやら、とちょっと気にかけていたのだが、まさか2006年の年末までAGP製品を引っ張るとまでは予想していなかった。曰く、「玄人志向は、AGPバス用グラフィックボードをサポートし続けます」。漢気(おとこぎ)である。

新たに2つのチャンネルを開設

 PC USER内のトピックでは、「おバカ」チャンネル「SOHO」チャンネルの独立も(一応)重大ニュースであるようだ。特にいつの間にかできていたSOHOチャンネルは、地味なニュース個人事業主の筆者にとっては毎日数回は欠かさずチェックしてしまうくらい有益な情報で溢れているので大変素晴らしいと思います。まあ、記事を書いているのは自分なのだけれども。

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 一方、おバカチャンネルではプロの格闘家とスパーリングしたり、ネバダ砂漠までUFOを探しに行ったり、なぜかマクドナルドの商品をレビューしたりと、好きに勝手にやっているようだ。

 もちろん、おバカチャンネルに取り上げられる製品は、おバカな製品である。その中でも「全力で好きにやったら、結果“おバカ”だった」というケースの代表格が「秘密基地をつくろう!」シリーズだろう。延期につぐ延期にハラハラさせられつつも、ついにNECとのコラボPCセット発売にまでこぎつけたのは、まさに信念の勝利というべきか。

 ちなみにこのセットPCモデルは決して思いつきのシロモノではなく、初期のキービジュアル原画のコンセプトをそのまま再現したシロモノであることに気付かれた方は何人いるのだろうか。「計300台限定販売」がまだ売れ残っているとしても、これはこれで「野望成就」なのだ……きっと営業さんは大変だろうな。


 というわけで、今年1年の教訓は「失意(がっかり)の時代には、一本気な信念(おバカ)で対抗」である。おバカにしか拓けない未来だって、たぶん、あるのだ(編集部注:チャンネルスポンサー募集中です)。……そういえばWindows Vistaも、どことなくそんな「おバカ」な香り信念を感じなくもないわけですが……ねぇ?

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