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» 2010年03月03日 17時12分 UPDATE

FC EXPO 2010/国際二次電池展:親指サイズの燃料電池、2000円前後で6月発売へ──燃料電池で動く「VAIO X」も

FC EXPO 2010で、数年前にPEFC型燃料電池を開発したアクアフェアリーが“ほぼ市販化OK”の製品を展示。2000円前後で2010年6月発売を目指す。

[岩城俊介,ITmedia]

PEFC型燃料電池、ノートPC駆動も可能な高出力型も

photo アクアフェアリーのPEFC型燃料電池「FC-STICK」(写真奥、赤と青の固体)とより小型の「micro FC-STICK」(写真手前)

 主にPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell:固体高分子)型燃料電池の開発、実用化・製品化を図るアクアフェアリーは、燃料電池業界の展示会「FC EXPO 2010」で最大2ワット出力仕様の小型燃料電池「FC-STICK」を軸にしたPEFC製品群を公開。高出力で低コスト、小型、軽量、高い安全性を実現するPEFC型燃料電池の利便性を説いた。

 展示する機器は標準モデル「FC-STICK」(1.5〜2ワット出力/定格5ボルト/3ワットアワー、重量26グラム)、より小型の「micro FC-STICK」(0.6〜0.8ワット出力/定格5ボルト/0.8ワットアワー、重量10グラム)、携帯電話より消費電力の大きいモバイル機器(スマートフォンや携帯ゲーム機、MIDなど)向けの「FC-Cube」(2.5〜3ワット出力/定格5ボルト/8ワットアワー、重量66グラム)、モバイルノートPCも駆動できる「FC-Cube Dual」(5〜6ワット出力/定格10.5ボルト/16ワットアワー、重量130グラム)など。いずれも手のひらサイズ/ポケットに入るほどの小型サイズを実現する。

 中でも標準モデルのFC-STICKは、2006年にNTTドコモと共同開発した試作機から、より小型軽量、高出力化され、いよいよ2010年6月をめどに発売する考えだ。価格は本体+燃料カートリッジ+接続ケーブルのキットが2000円前後、交換用燃料カートリッジを100円前後を想定する。

 説明員によると「(エネループなどの)ニッケル水素充電池を使うモバイルバッテリー/充電器キットに近い価格なので、コンシューマーユーザーにも十分訴求できると考えている。あとは、カートリッジの入手性や販路などが課題」とのことで、ほぼそのまま販売できると思えたほどの完成度だ。6月の登場に期待したい。


photophotophoto 親指サイズの「FC-STICK」(左)、より小型の「micro FC-STICK」(中)。micro FC-STICK2つをバックパック風に背負ったR/Cロボット(右)。小型軽量なので、このような応用も容易という

 一方、「FC-Cube Dual」は二桁ボルト台の電圧を要する機器向け──つまり、Netbook/ノートPC用のモバイル燃料電池/充電器として実用化が期待される。今回展示するFC-Cube Dualは、高出力型のFC-Cubeを2つ連結し、参考PCのソニー「VAIO X」に合致する10.5ボルト仕様に電圧を合わせたものに仕上げた。バッテリーを外した状態でVAIO Xを駆動できるのはもちろん、リチウムイオンバッテリーとの併用でより大きな負荷変動にも追従する性能も備え、(今回のFC-Cube Dualは)VAIO Xを約3時間程度動作できるという。

photophotophoto 10.5ボルト出力のVAIO Xを「FC-Cube Dual」で約3時間駆動できる。USB出力型バッテリーなど、製品群が多様な携帯電話/モバイル機器向け外部バッテリー製品と異なり、ノートPC向けのモバイルバッテリー/サブバッテリー用途に使う機器はまだ数が少なく、大容量のリチウムイオンバッテリーを内蔵するのでやや大きく重量がある傾向。この点で、バッテリーを1本余分に購入する──より安価で軽量なら、意外にニーズがあるのではないだろうか(左、中)。燃料電池側で出力を自在に調整できる技術も確立したという(右)

 登場間近──と言われ続けてはや数年、2009年10月にモバイル燃料電池「Dynario」(東芝製)が台数限定ながら市販されたが、一部アーリーアダプタ層向けでない価格帯で市販化されるなら、既存のリチウムイオン型ないしニッケル水素充電池型モバイルバッテリー製品のライバルにも十分なりえるといえる。発売に期待したい。



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