1台のPCを自宅でも使うとなれば、少なからずエンターテインメント系の用途にも利用したくなる。
筆者が導入したUltrabook「dynabook R632/W1」は主にビジネスシーン+モバイル環境での積極利用を想定したモデルのため、dynabook Qosmioシリーズなどのようにテレビチューナーや豪華なAV系機能などは内蔵していない。ただし、それでも東芝製である。自宅での利用においても、かなり魅力的かつ実用的な機能を備えていたりする。
まず本機は(筆者導入時点で)「RZプレーヤー」と呼ぶDTCP-IP対応のDLNAクライアントソフトがプリインストールされており、これだけでもリビングルームのDTCP-IP対応テレビ・レコーダーと連携した「ネットワーク共有再生」が行える。さらに無償ダウンロードにより、さらに多機能な「RZスイート express」にアップグレードできる。RZスイート expressには、録画した番組をPCでネットワーク再生する「RZプレーヤー express」、放送中の番組をPCで見られる「RZライブ express」、録画した番組を持ち出せる「RZポーター express」の3機能が含まれている。
筆者宅には計4台のDTCP-IP対応のDLNAサーバ搭載機器(Blu-rayレコーダー、スカパー!HDチューナー、2台のNAS)があるが、もちろんメーカーに依存せずこれらに保存した録画番組は普通に再生可能だった。サーバ側のフォルダ構造にも対応するので、レコーダーを直接操作する場合とさほど変わらない使い勝手で利用できたりもする。
録画番組のネットワーク再生は、再生においても一定以上のデコード処理能力を要するMPEG-4 AVC/H.264で録画したハイビジョン番組であっても、本機のCPU使用率は20〜30%程度で済む。PCであるため、ウインドウ表示も可能。ほかの作業をしながらの“ながら観”もオツなものである。無線接続対応で、軽量かつ長時間のバッテリー動作もできる本機だからこその「家中どこでもテレビ」を実現できるのは、思いのほか便利だ。
もう1つ、RZポーター expressで録画番組を持ち出せるようにもなる。こちらはデジタル放送のDTCP-IPダビング対応機能より、録画番組を本機の内蔵SSDや外付けHDDへ「そのまま」ダビングできる。携帯電話やスマートフォンへのダビングと異なりハイビジョンのままであるのがポイントの1つ。本機においては、昼休みや休憩時のほか、出張や旅行などにもかなり活躍してくれそうだ。
なお、本機へのダビングによりレコーダーの録画番組はダビング10制度によりダビング可能な回数が1回減る仕組みだが、同じ番組を何回も消しては持ち出すわけではないので、今回の利用シーンにおいてはさほど気にしなくてよいと思う。
筆者宅のBlu-rayレコーダー「RD-BZ710」からのダビング時間は、30分番組で10分程度だ(地デジDRモード)。BSデジタル放送ならそれの1.5倍ほどの時間を見積もってほしいが、ともあれ事前に変換などの作業もいらないので、1時間番組くらいなら出かける準備をしている間にダビングが済んでいる感じだ。
最後にRZライブ expressにより、そのままワイヤレステレビとして放送中の番組も視聴できる。こちら筆者宅のRD-BZ710は対応していないのだが、手ごろな機器としては「nasne」などで利用できた。こういった家庭内のAV機器を併用することで、別にチューナーを内蔵していなくてもデジタル放送の視聴・再生・持ち出しは普通に楽しめる。
(一応、他Ultrabookでもやろうと思えばもちろんできるが)このような、高度かつ簡単・安心にAV機器と連携できるソフトウェアもしっかり標準で用意してくれるのは、PCもAVもリリースする総合メーカーである東芝製のUltrabookならではの魅力だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.