Intelが見せる“ちょっと未来”な新技術Research@Intel(1/4 ページ)

» 2013年07月30日 11時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
6月末でのリタイアが発表されたJustin Rattner氏。Intel Labsディレクター兼CTOとしての姿は今年のResearch@Intel(R@I)が最後となった

 米Intelが毎年開催している最新技術の展示会「Research@Intel」は、普段はあまり表に出てこないIntel Labsが主催するイベントだ。市販製品やそれに限りなく近い話題の多いIntel Developers Forum(IDF)とは異なり、まだ基礎研究段階であったり、実際の商用化に数年は要する、同社研究開発部門の“お披露目会”のようなものだといえる。

 筆者が最初に同イベントに招待されたのは2007年開催のものだった。当時の案内状を見ると、すでに「第5回目の年次イベント」となっているが、それまでの年はIntel Labsを率いるJustin Rattner氏の下で細々と小規模の内輪向けイベントとして催されており、この2007年で初めての大規模開催となったという。

 場所も当初は米カリフォルニア州サンタクララにある本社キャンパスの会議室を利用したごく小規模だったものが、翌々年には同州マウンテンビューにあるComputer History Museumに舞台を移し、昨年2012年にはサンフランシスコ市内での開催となった。

 内容も変化し、本社で開催されていたときは「コードの並列化」や「半導体製造技術」といった一般には非常に難解だったものが、最近ではロボット技術やSNS、物体認識など、より広く分かりやすいものとなってきている。実際に商用化に近い技術の比率が増えたため、「見ていて楽しめる」要素が増えている。

 このような経緯からも分かるように、Research@Intelは、Rattner氏主導で開催され続けてきたイベントだといえる。だが、同氏はIntelの社内規定である65歳の就労制限にすでに到達しており、リタイアが発表されている

 結局、今年2013年開催のResearch@Intelでの挨拶がRattner氏の同社CTOとしての最後の姿となってしまった。Intel Labsは従来までソフトウェア担当のトップだったRenee James氏の下につくこととなり、今後のイベント開催の行方は不明だ。本稿では、Rattner氏最後の晴れ舞台となった本イベントから、興味深い研究成果の一部を紹介していく。

毎年少しずつ進化する研究開発の成果

 研究開発部門の年次イベントだけあり、毎年参加していると同じような展示を見かける機会が多いのだが、その内容が毎年少しずつ進化している様子が確認できる。地味ながら、この差分を見つけていくのがResearch@Intelの醍醐味だといえる。

 例えば、昨年2012年は自動車向けソリューションとして「雨粒の動きを予測してヘッドライトの照射タイミングをインテリジェントに制御し、光の乱反射を防ぐ」というデモが展示されていたのだが、今年2013年はより乱数性が高く、移動軌跡の予測が難しい雪で同じヘッドライト技術を実現している様子が紹介された。

 また昨年は多くの展示でモーションセンサーを使ったデモが見受けられたのだが、そこで利用されていたハードウェアはすべてMicrosoftのKinectだった。今年はCreativeのSenz3Dというセンサーが用いられており、センサー側のより小型・シンプル化が進んでいる。後述するが、同センサーとプロジェクターを使ったマルチタッチシステムに至っては間もなく商用化が可能な印象を受ける。

 センサーとデータ解析を使ったデモは最近のResearch@Intelのトレンドとなっており、今回はその集大成としてセンサーとデータ解析を組み合わせた車のナビゲーションシステムが紹介されていた。生理学とセンサーの研究で脳の活動解析を行い、これを視線トラッキングシステムなどと組み合わせ、車のドライバーに適切なアドバイスとナビゲーションを提供する。非常にインテリジェントな仕組みだといえる。

2012年のR@Iで紹介された、雨粒の動きを予測して車のヘッドライトの照射範囲をリアルタイムで調整し、反射を少なくする技術。今年はさらに乱数性の高い雪でも対応可能に

センサーと生理学を組み合わせ、脳内の活動状況を測るシステムを作成し、さらにそれを車のナビゲーションシステムと組み合わせることで、ドライバーに適時注意を促したり、最適なナビゲーションを行う。写真は実際のデモの様子

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