米Microsoftは4月29日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコにて開発者会議「Build 2015」を開催したことに合わせて、「Windows 10」プレビュー版の最新バージョン「Build 10074」を公開した。前バージョン「Build 10061」の公開から1週間というハイペースでのアップデートとなる。
今回からこのプレビュー版の名称は、「Technical Preview」から「Insider Preview」に変更されており、今夏の提供開始に向けて完成に近づいていることがうかがえる。
Build 10074は、Windows Insider Programに登録してWindows 10 Technical Previewを試用しているユーザーであれば、Windows Update経由でアップデートが可能だ。Windows Updateの更新メニューを「Fast」に設定している先進的なユーザーだけでなく、「Slow」に設定している保守的なユーザーにも配信される。
また、クリーンインストールや仮想環境へのインストール向けに、日本語をはじめ計22言語のISOファイルも公開された。日本語版ISOファイルの容量は、x86(32ビット版)で2.82Gバイト、x64(64ビット版)で3.86Gバイトだ。
同日開催された開発者会議のBuild 2015で行われたデモのいくつかは、Build 10074に搭載されていないという。Build 10074の主な機能や変更点は以下の通りだ。
ライブタイルのパフォーマンスと安定性が向上したほか、立方体が回転するようにタイルの内容を切り替えるアニメーション効果が加わった。高画素密度のディスプレイ環境(High DPI)に対応し、デュアルディスプレイ環境ではそれぞれ正しいスケーリング拡大表示が行われる。意外なところでは「Aero Glass」が暫定的に復活し、スタートメニューとタスクバーに半透明のぼかし効果が加わった(Aero Glassの是非は、Windowsフィードバックアプリで意見を求めている)。
2in1デバイスで使われるタブレットモードとデスクトップモードのスムーズな切り替え機能が改善された。タブレットモードでアプリを終了すると、デスクトップ画面ではなく、タッチ操作しやすいスタート画面に戻るようになった。
「Alt」+「Tab」キーで表示されるタスクビューまわりの機能も改善。アプリをスナップすると、余った領域にバックグラウンドのタスクがサムネイルで並ぶ(スナップアシスト機能)が、ここから直接不要なウィンドウを閉じられるようになった。
ユーザーからのフィードバックを受け、新しい効果音が適用された(その是非はWindowsフィードバックアプリで意見を求めている)。
ユーザーインタフェースが改善されたほか、音声アシスタント機能が進化し、天気、株価、辞書、計算機、フライト状況、リファレンス、上映情報、技術的なヘルプ、タイムゾーン、単位の変換、ジョークのようなチャットにも対応する。
音楽プレビューアプリ(3.6.999.0)はフルスクリーン再生が可能になった。ビデオプレビューアプリ(3.6.999.0)は、映像コンテンツダウンロード時の進ちょく確認、一時停止、再開といった操作に対応。購入したコンテンツは、3つまでのデバイスで何度でも再ダウンロードが可能だ。コンテンツのクローズドキャプション機能、起動時の新機能リスト表示にも対応する。
Xboxアプリを更新し、PCゲームのプレイ動画を録画するDVR、スクリーンショット、ライブタイル、ユーザープロファイル、実名の共有などをサポートする。
Windows 8.1搭載PCで購入したアプリをWindows 10のWindowsストア(β版)に表示。ストアの対応を41市場に拡大した。
そのほか、Build 10074では、スタートメニューからWin32(デスクトップ)アプリを起動できないバグが修正されたほか、Xbox Musicと音楽プレビューアプリで音楽をダウンロードできるようになり、音楽再生アプリを最小化する際にバックグラウンドで再生を続行可能になった。
一方、開発者がアプリを試すために開発者モードを有効にすることができない点、いくつかのゲームがフルスクリーンモードで遊べない点、Peopleアプリがクラッシュする点といった問題も残されている。
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