最後に紹介するのは、データの流出を防止するためのグッズだ。これらはどちらかというと外部からの侵入者を想定したものではなく、従業員によるデータの抜き取りを防止するためのものという位置付けになる。
まず一つは、USBメモリやHDDなどの記憶装置を業務用PCに無断でつなげないよう、PCのUSBポートを物理的にふさいでしまうグッズだ。法人向けのPCの場合、USBポートの利用をソフト側で制限するユーティリティが用意されていることが多いが、コンシューマ向けに販売されているPCを業務で使用する場合、こうしたユーティリティソフトの追加購入には相応のコストが掛かる。
またUSBデバイスが物理的に挿し込める状態のままだと、後々利用する時にソフト側で制限されているのか、それとも故障なのか分からず混乱しやすい。
こうした場合に、USBポートに差し込んでロックすることで、物理的にUSBデバイスを挿し込めなくできる製品は、ソフトと違ってあらゆるPCに利用できるため重宝する。サンワサプライの「SL-46」、エレコムの「ESL-USB1」が代表例で、ガードされていることが見た目にはっきり分かるのも利点だ。ちなみにUSBポートをふさぐグッズとしては防塵用のキャップも市販されているが、本製品はこれらとは違って専用の工具がないと外すことができないのが特徴だ。
これとは逆に、デバイス側のUSBコネクタに取り付け、利用を制限する製品もある。サンワサプライの「SL-69」は、USBメモリの先端に取り付け、3桁の暗証番号が合わない限り外せないようにすることで、USBメモリの利用を制限できる製品だ。ワイヤーが付属しているので、これを使ってフレームなどに固定しておくことで、許可なくUSBメモリを持ち出すことを防ぐ効果もある。
以上が、USB経由でのデータ抜き取りを防ぐためのグッズだが、LANポートについても、同様のグッズが用意されている。一つはLANポートを物理的にふさぐグッズで、ハブやルーター、あるいは壁面に埋め込まれたLANポートに差し込んで、許可のないPCの社内LANへの接続を防ぐ製品だ。取り外すためにはキーが必要になるので、これらをネットワーク管理者が一括管理しておけば、不用意なLANへの接続が防げるというわけだ。
具体的な製品としては、プリンストンの「PTC-LPL」、エレコムの「LD-LOCK/HUB03」、サンワサプライの「SL-68」などが挙げられる。また、プリンストンの「PTC-LCL」のように、フロアから直接伸びているLANケーブルの先端に取り付け、LANケーブルの利用を制限するためのグッズもある。
最も、空いているLANポートを塞いでも、既に使われているLANポートからケーブルを抜き、そこに接続されてしまってはお手上げだ。こうした場合のために、鍵を外さなければLANケーブルがポートから抜けないようロックするための機構を備えた製品もある。
ケーブルと一体化したプリンストンの「PTC-LP6」エレコムの「LD-GPLK」のほか、既存のLANケーブルに追加できるサンワサプライの「SL-39」などもある。ちなみにエレコムからは、自作LANケーブルでこうした鍵付きコネクタを使うためのキット「LD-6RJ4510」も用意されている。
このほか、サンワサプライの「SLE-27」シリーズのように、メモリカードスロットをロックする製品なども用意されている。法人用PCを購入するにあたり、どうしてもスロットが付属する製品しか選択肢がないという場合、これらセキュリティグッズをうまく活用して、データの抜け道を塞いでやるのがよいだろう。
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