2009年におけるスマートフォン市場のトレンドは以下の5つだ。
この中で重要度が増しているのは、「端末・コンテンツを一体提供する垂直統合ビジネスの推進」である。その代表例となるのが、Appleが2008年7月に開設したApp Storeだ。サービスの開始から1年間で6万5000のアプリケーションをそろえ、ダウンロードの総数は15億回を記録した。垂直統合ビジネスの中では一歩抜きん出た存在になっている。
(注1)矢野経済研究所推計。(注2)Windows Mobile6.1よりアップデート対応予定(一部製品)
対抗馬にはNokiaやGoogle、Microsoftが展開するモバイルアプリケーションのオンラインストアがある。Nokiaが同社の携帯電話向けアプリケーションを販売する「Ovi Store」は、サービスの開始が遅れている状況にある。だが、同社は日本以外の海外市場に積極的に進出し、通信事業者とも密接な関係を築いている。Ovi Storeを利用できる端末が世界で6000万台弱もあることを考えると、サービスの早期立ち上げも可能といえる。
Googleが2008年10月に開設したAndroid携帯向けのアプリケーションマーケット「Android Market」は、アプリケーションの数が少ないことやAndroidのプラットフォーム自体が開発中であることもあり、本格的な立ち上がりには至っていない。Microsoftが発表したWindows Phone向けアプリケーションストア「Windows Marketplace for Mobile」は、新OS「Windows Mobile6.5」リリースに合わせ、今秋の立ち上げが計画されている。
いずれのサービスも、早期ユーザーの獲得に成功したApp Storeとは大きな差がついており、Appleの優位性はしばらくゆるがないものと考えられる。
今後はスマートフォンがモバイルインターネットサービスの中心的な存在になり。インターネットとどう接続するかという問題が重要視される。端末の低価格を売りにしたメーカーの参入も増えることを考えると、スマートフォン市場は低価格帯と高価格帯の二極化が進んでいくと予測される。
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