インタビュー
» 2013年07月09日 12時00分 公開

「中国五千年の歴史」は大嘘だった? 中国の本当の姿とは (2/2)

[新刊JP]
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日本の研究者たちが本当の中国の姿を書けない理由

日本の研究者たちが本当の中国の姿を書けない理由

―― インタビューの前半では「中国の歴史はうそだった!」ということで大変興味深いお話を聞かせていただきました。それで、本書を読んで、どう歴史と向き合えばいいのかというところで戸惑いを覚えてしまったのですが、倉山さんはどのように歴史と向き合っていらっしゃるのでしょうか。

倉山 わたしの向き合い方はすごく単純で、地図の上にその国や地域の年表を書いていくだけです。そして、日本ではこの年に何が起こり、清朝ではこんなことが起こっていて、朝鮮はこうなっていたと並べるだけで分かってしまうのです。

 大学院生のころに、13年間ほど安全保障の勉強会に参加していたのですが、その第一回目の合宿での勉強テーマが『カスピ海』だったんです(笑)。そこで、カスピ海の近くにあるグルジア、アゼルバイジャン、ロシア、アルメニアが何をしているのか、日本の新聞記事や本から情報を集めて年表にしていくと、グルジアとアゼルバイジャンはトルコにとってのロシアへの盾なんだ、とかアゼルバイジャンとアルメニアは仲が悪いということが分かるんです。これは地政学的なやり方で、大まかな歴史や関係を把握するための望遠鏡のようなものです。でも、地政学だけでは本当の事情まで把握できないので、詳しい部分は政策決定論という顕微鏡で見ます。つまり、望遠鏡と顕微鏡の二刀流です。

―― かなり詳しいところまで把握しないと、本当のことは分からないということですね。

倉山 そうなんです。例えば、満州事変が起きたとき、欧州は『政府が不拡大方針を言いながら現地で軍事拡大するなんて、日本はなんてずる賢いんだ』と思ったらしいのですが、それは地政学だけで見るとそうなりますね。でも、実は時の総理大臣がノイローゼでまともな命令が出せなかったというオチで、それは望遠鏡だけでは覗けないですから、顕微鏡が必要になります。

―― そういえば、帯の部分に「日本の中国研究者が書けないタブーを書く!」と書かれていますが、中国に都合の悪い情報はタブーになっているんですね。

倉山 研究者の中ではタブーになっているものもあります。わたしは情け容赦ない人間なので平気で書くんですけど(笑)、本当の事情を知っていても仲間がいるので書けないという側面もありますね。

―― 仲間がいるから書けないというのはどういうことでしょうか。

倉山 例えば研究者のお師匠さんが親中派で、こういうことを書いてしまうとお師匠さんを批判してしまうことになるとか。学会の中には派閥があって、幾ら頭が良くて立派な研究ができていても、その派閥に加われなかったら職にもつけないわけですよ。ケンブリッジとオックスフォードで博士号取っても、非常勤講師2コマという研究者もいます。後は、日中共同研究費を握られているので、中国の悪口言えないとか。

―― お金や職、上下関係などが絡んでくると、そうなってしまうんですね。

倉山 そうなんです。だから、日本人自身の問題でもありますね、本当のことを言わないというのは。メディアも同じで、松村謙三らが日中記者交換協定というのを勝手に結んで、中国政府に都合の悪い報道はさせませんという約束をするんです。これは一応廃止されていますが、事実上まだ生きています。

 でも、相手がどんなにダメダメでも、日中国交正常化後の日本はひたすら献身的に中国に貢いでいます。もうね、口を悪くしていうと、年増で厚化粧のDV女に貢いでいるオヤジですよ、日本は。

―― それはこの本にも書いていましたよね。早くすっぴんを見て、現実に戻りなさいと(笑)

倉山 そうです。早く見てほしいです。

―― そんな中国のすっぴんが明らかになる本書ですが、どんな方に読んで欲しいですか?

倉山 そういうことなので、ドMの人以外すべてですかね(笑)。ドMの人はもうしょうがないです。

 後、ここで言うのもなんですが、政治学者のマイケル・グリーン(編注:東アジアの外交を専門に研究している米国の政治学者。知日派として知られ、日本のメディアにもたびたび出演している)に日本語のまま読んで欲しい(笑)。知日派の米国人学者としていろいろ言っていますけど、英語になっていないものは価値がないという米国人のあの傲岸さ! 日本から中国に行っていた人も、現地の語学ができなかった人っていないですよ。この国をハンドリングしたいなら、まずこの国の言葉を学ぶべきです。

―― では、このインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いします。

倉山 日中友好、夜間敵対。この精神でこの本を読んでください。

―― ありがとうございました。

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