D903iは前機種と比べるとかなり薄くなったが、使い勝手や基本機能はD902iSをそのまま受け継いだといっていい。
カメラはレンズカバーを開くと自動的に起動。側面の[カメラ]キー長押し、あるいはメニューから辿って起動することもできる。
カメラの起動は約4秒。まぁまぁの速さだ。
撮影は基本的に縦位置。VGAサイズ以上でも基本は縦位置である。
撮像素子は320万画素なので、最高画質で撮ると1536×2048ピクセルと縦長で撮れる。最近の携帯カメラは、VGAサイズ以上だと横位置画像になる機種が多い中でこれは異色といっていい。
撮影時は端末を横向きにして、側面にあるシャッターを使ってもいいし(この場合は半押しができる)、縦向きのまま[決定]キーで撮影してもいい。この場合、フォーカスロックは[発話]キーで行う。AFのオン/オフは側面の[プッシュトーク]キーで制御できる。

横向きで撮るときは、本体側面にある半押し対応の[カメラ]キーがシャッターとなる(左)。外部メディアはmicroSDカード。2006年の秋冬モデルから、ほとんどの端末が一気にmicroSDへと移行した(右)AFの範囲は通常撮影だと30センチから、マクロモードにすると5センチまで寄れる。なお、30センチというのは微妙な距離なので、近距離の撮影をするときは被写体との距離に気をつけ、必要に応じてマクロモードにすることが望ましい。
さて、スライドボディということで横向きも縦向きも自在だが、縦で撮るときはディスプレイを開いておくといい。その方が握る部分が増えて安定するからだ。
D902iSにあった手ブレ補正機能はなくなった(動画撮影時の手ブレ補正はある)が、それ以外の多機能さは継承した。左右キーのどちらかを押すことで、画面の下にずらっと並ぶアイコンを使った撮影メニューに入る(ちなみに、上下のキーはデジタルズームになっている)。これははやり使いやすい。
一番左が撮影モード、次が明るさ、色の濃さ、ホワイトバランス、手ブレ補正(動画時のみ)、フレーム(使える画像サイズに制限あり)、連写(使える画像サイズに制限あり)、画質、サイズ制限、画像サイズと、全部で10個並び、それぞれが[1]〜[0]のダイヤルキーに割り当てられている。よく使う機能は数字を覚えればすぐアクセスできる。また、それぞれで項目がポップアップするので選びやすい。
撮影モードは大きく3つにわけて考えると分かりやすい。
1つ目はスポット測光や逆光補正といったカメラのコントロール。もう1つはいわゆるシーンモードで風景やペット、トワイライトなどが用意されている。
そして最後は美白やモノトーン、版画調などのデジタルエフェクト系がある。多くのカメラでは、それらは別々のメニューに割り当てられていることが多いのだが、D903iではそれが1つにまとめられている。項目数こそは多いけれども直感的に分かりやすいのだ。
もう1つ重要なのは「静止画詳細設定」だ。画像サイズや画質、保存先などを一度に指定できる便利な画面で、インカメラとメインカメラで、それぞれ別の設定をしておけるのがいい。


左右のキーどちらかを押すと撮影機能メニューに入る。スピードセレクターで項目を選択し、上下キーで選ぶという感じ。これは3ページ分にも渡る撮影モード。モード数は多いがポップアップメニューのおかげで選びやすいのが特徴(左)。ホワイトバランス項目は5種類。“オート”だと室内でうまく合わないこともあったが、その場合はさっと手動に切り替えるとよい(中)。画像サイズのバリエーションはかなり多い。しかし96×72ピクセルなんて、今時いるのかなぁとふと思ったりして(必要ならQVGAで撮ってカメラ内で縮小すればいいと思うのだが)

[MENU]キーで、このような普通のメニューも使える(左)。カメラメニューの中に、明るさや色の濃さ調整などの細かい設定項目がある(中)。“D”端末おなじみの静止画詳細設定。まとめて設定できるのは便利(右)撮影間隔は比較的短く、3Mモードの高画質でmicroSDカードに保存した場合で約4秒。このくらいならあまりストレスも溜まらない。
機能面では相変わらず充実しており、あれこれ楽しめる。操作も分かりやすくていいのだが、D902iSが比較的よい写りだっただけに、それを越えられなかったのは残念だ。
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