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» 2008年06月18日 12時20分 公開

WWDC'08基調講演まとめ(後編):「iPhoneは電話のあるべき姿を永遠に変えた」 (3/3)

[林信行,ITmedia]
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iPhone開発者向けファンドも参加

 初めてチケットを売り切った今年のWWDCは、確かに人数的にも、これまでで最高のWWDCだ。すれ違う参加者に話を聞いてみると「iPhoneでの開発に興味があって参加した」という「初参加者」が驚くほど多い。会場近くでは、日本のゲーム業界の有名プログラマの目撃談もよく聞く。これまでのWWDCとは、明らかに客層も雰囲気も異なっている。

 会場の入り口では、今回のWWDCのチケットを買いそびれた筑波大学発のベンチャー企業、ニューフォレスターの代表が開発したiPhone向けDJソフト「IPJ-R01(RAIJIN:雷神)」と「IPJ-F01(FUJIN:風神)」をデモしており、行き交う開発者から注目を集めていた。

 数日前に観光地で路上パフォーマンスをした際、現地の黒人ダンサーに見初められ、宣伝用の看板の指導やブームボックスと呼ばれる巨大ラジカセの提供を受けたそうで、英語が苦手な彼らに代わってこの黒人ダンサーが行き交う開発者に商品の宣伝をしていた。

サンフランシスコのそこかしこでIPJのデモをしていたニューフォレスター

 こうした高まるiPhone開発機運に応えるように、今年はこれまでにはなかったタイプのセッションも用意されているようだ。

基調講演のスライドにはiFundの名前も

 ジョブズ氏は口頭では触れなかったが、スライドに「iFund」のセッションがあると書かれていた。iFundとはジョン・ドーア氏という有名な投資家が率いる米ベンチャーキャピタル大手、KPCBによるiPhone開発者の投資ファンドのこと。

 これからはiPhone向けコンテンツが大バケすると踏んでスタートした1億ドルのファンドプロジェクトで、すでに位置情報サービス「Whrrl」を開発するPelagoが同社からの出資を受けている。

 会場周辺で、iPhunding.comという英国のiPhone開発者向け投資ファンドの運営社2人にも出会った。

 同社代表のTony Clark氏によれば「米国の大手ベンチャーキャピタルは、投資先企業がシリコンバレーにあることを重視する傾向があったり、投資する企業に対して、いろいろと口出しすることが多いところもある。それに対して、我々は元々が開発者出身なので、開発者がどうしたら仕事がやりやすいかを理解し、あまり干渉しない方針をとっている。また、世界のどこにいる開発者でも、Skypeや電子メール、Web共有などを使って手軽にアプローチしてもらえるようにしている」と語っている。

 WWDCの開催以後になって、新iPhoneでは端末価格を下げるために、従来のようなキャリアがアップルに上納金を支払うモデル(レベニューシェア・モデル)を取りやめ、昨年までの日本の携帯メーカーのような、販売奨励金を受けるモデルを採用していることなどが明らかになってきているが、これもアップルがiPhoneを、ただの携帯電話からコンテンツプラットフォームと解釈し直した証拠だろう。

 話を聞いた何人かのゲーム会社のプログラマによれば、これまでのゲーム機の開発に比べて、iPhoneの開発は開発環境がオープンなうえに扱いも簡単で、開発意欲がどんどん湧いてくるのだと言う。そしてさらに、開発したソフトを簡単に世界62カ国で売ることができるのも大きな魅力だと語る。

 まもなく日本で登場するiPhoneは、携帯電話としてだけでなく、これまでの携帯型ゲーム機に代わる存在としても存在感を増していきそうだ。

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