美しい見た目にスリムなボディ、「P001」はさりげなく“美人”と暮らせるケータイ開発陣に聞く「P001」(3/3 ページ)

» 2009年03月03日 16時30分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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「美しさ」の演出、裏側や中身でも

photo 左がW61P、右がP001の中身

── そういえばP001は、“P”端末として初めて「KCP+」を採用しました。やはり、プラットフォームの一新は大変でしたか。

電気設計担当の増田氏 KCP+の変更で主要チップ(クアルコムのMSM7500など)が代わることもあり、今までのノウハウを継承しつつ基板デザインも当然一新しました。MSM7500はやや大きく、背が高いこともあり、従来機のままのやり方だと20%ほど体積が増え、サイズを5ミリほど長くしないと収まらないことが分かりました。当初は「KCP+にして、今までの“スリムボディ”は継承できるのか」と悩みましたね。

宇佐見氏 厚さとしては、W61Pよりコンマ4ミリ増の13.3ミリになりましたが、新開発のフルワイドVGAの3.1インチ高色再現性液晶や3.2MのAF(オートフォーカス)カメラ、ワンセグ、おサイフケータイ、750Mバイトの内蔵メモリのほか、BluetoothやグローバルパスポートCDMAなども新たに追加しています。結果として、これだけの差でよく詰め込めたなというのが正直な気持ちです。


photophoto 左がW61P、右がP001のメイン基板。基板に、実装した部品の間を樹脂で固めて基板自体の強度を上げる「ボードモールド工法」を継承して採用する

増田氏 FeliCa系(おサイフケータイ)やワンセグ用部品なども従来機よりいいものを採用しています。流用した目立つ部品をあえて挙げるなら、赤外線ポートや外部スピーカーなどくらいでしょうか。

宇佐見氏 実はW61Pでやり残したのが、フォトライトの位置です。基板構成の都合で、裏面の中央付近にレンズから少し離れたところ(構え方によっては人差し指で隠れてしまう位置)に配置していたのですが、今回は設計チームが改善に努めてくれて、レンズの横にしっかり収められました。

増田氏 フォトライトは写真撮影用で使う以外に、暗所でバッグの中を見たり、鍵穴やスイッチを照らすといった用途にも便利に使えます。撮影用途以外でも必要という人は結構多いようですね。ちなみに、フォトライトはサイドキーの長押しですぐ点灯できるようになっています。

photophoto 裏面の中身はこうなっている。3.2MのAFカメラモジュールの横にフォトライト、ケースの裏にフィルム状の通信アンテナがある

── 今さらですが、改めてKCP+のメリットは何なのでしょう。

宇佐見氏 ユーザーの見えるところですと、マルチプレイウィンドウ(マルチタスク操作)やEV-DO Rev.A(下り3.1Mbps、上り1.8Mbpsの高速通信)、Bluetooth対応などでしょうか。

 また、auの新サービスもKCP+でないと対応できないものが多くなってきます。例えばナカチェンやau one ガジェットなどがありますね。新機種なのに新サービスに対応しないとなると、それだけでユーザーさんの満足度を損ねてしまうことになります。

 P001はインフォメーションエリアやLISMO Video、グローバルパスポートCDMA、マルチプレイウィンドウ、au BOX、au oneガジェット、着うたフルプラス、ケータイdePCメール、ナカチェンなど、多彩なauの新サービスにも対応します。

── ビジネスパーソンを想定するとなると、GSMローミングにも対応してほしかったとも思います。こちらは難しいのですか。

宇佐見氏 “アンテナ・電波もの”が関連すると難易度がグッと上がります。残念ながら今回は対応していません。

増田氏 GSMローミングの対応は、クアルコムのソフトウェアバージョンをもう1つ上に上げなければならず、それに合わせて全体をチューニングをし直す必要が生じます。もちろん、今後は挑戦したいと思っています。

photophotophoto
photophotophoto 上質で落ち着いたイメージの待受Flashやメニュー画面も複数プリセットする
photo  

── au向けとしては、“スリム”を今後も継承していくのでしょうか。他キャリアのように“VIERAケータイ”になったりなどの計画はありますか。

堀江氏 そういったご要望は確かにありますね。

宇佐見氏 今回はまずやっとKCP+でプラットフォームとしては追いつき、ディスプレイは少し差を付けたと思っています。そこからステップを踏んで進化していきたいと思います。

増田氏 以前、使い勝手を意識してかなり軽量に仕上げたのに、“実機を見ると、少し安っぽい”といわれたことがありました。これが少しショックでして、“薄く軽く”は当然維持しつつ、P001はデザインや機能でも、そして手にした感触でも、これを感じさせない質感に仕上がったと思います。

堀江氏 auの春モデルの中で、例えば8Mカメラや3D、タッチパネルなど飛び道具的な“サプライズ”はないかもしれませんが、長く使っていただきやすいデザインや機能、そしてきれいな液晶。非常にバランスのよいKCP+端末に仕上った──これが我々の中ではサプライズだと思っています。

 au携帯の中で、十分なスペックを保ち、きらりとワンポイントを主張しつつ、落ち着いたデザインの端末を望む人にぜひ選んでいただきたいですね。


“美人の顔”に傷を付けでもしたら大変……な件について

photo 左がW62P、右がP001のダイヤルキー。P001は上下のキーピッチを少し詰め、上から下まで指が自然に届くサイズに調整した

 P001のダイヤルキーは、前モデルのW61Pと比べて上下ピッチがやや詰まっている。キーのサイズは大きい方が操作しやすいと思いがちだが、場合によっては当てはまらない。もちろん操作性向上のためのサイズ調整であるようだ。

 「ワンプッシュオープンの勢いで“落としてしまう”リスクを減らすことと、持つ位置をずらさずに上部の十字キーから下部のタスクキーまで手が自然に届く位置に収めるためです」(宇佐見氏)

 P001に限らず、3インチ以上のフルワイドVGAディスプレイは縦方向に長く、総じて端末サイズもやや長くなる。親指がちょうど決定キーに来る位置で持つと下部の[#]キーなどに指が届かず、持つ位置を下にずらす“面倒”が1行程増えることになる。

 また、下にずらして持ったままワンプッシュオープンで開くと、その勢いで“するり”と落としてしまうリスクが増える。このため、持つ位置は親指が自然に決定キーに届く位置がちょうどよい。

 落としでもして、“美人の顔”に傷を付けてしまったら大変だ──。開発チームがそう思ったかどうかは分からないが、キーピッチ1つとってもユーザー目線の深い意味が込められているのである。




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