第2回 やはり「SH-04A」が最強なのか?――タッチUIを徹底解剖する最新ケータイ徹底比較(NTTドコモ 2008年冬モデル編)(3/3 ページ)

» 2009年05月11日 13時00分 公開
[田中聡,ITmedia]
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タッチパネルの誤操作防止:F-03AとSH-04Aが使いやすい

 回転2軸型のF-01AとSH-03Aは、ディスプレイを露出したまま持ち歩くことは少ないだろうが、N-01AとF-03A、SH-04Aは閉じた状態でもディスプレイが表に出ている。いずれの機種もタッチパネルは静電式なので、カバンの中で勝手に反応するといったことは起きにくいだろうが、不安な人は誤操作防止の設定をしておきたい。

 誤操作防止は、閉じたままワンタッチで設定できるのが望ましい。F-03AとN-01Aは側面のロックキー、SH-04Aはディスプレイ面のクリアキーを長押しすると、タッチパネルとサイドキーをロックできる。F-01Aは閉じたままロックはできないが、画面の消灯はできるので、省電力に役立つ。

 F-03AとSH-04Aは、メールやブラウザなど、待受画面以外の機能の起動中でもロックできて便利だ。一方、N-01Aは本体と閉じたときや設定時間経過後に自動ロックする設定はできるが、待受画面以外の機能の利用中に手動でロックすることはできない。

photophoto F-01Aは側面のミュージックキーを長押しし、画面OFFを選ぶとバックライトが消灯する。ただし起動中の機能によっては利用できない場合もある
photophotophoto F-03Aは左側面のキーの短押しで画面消灯、長押しでロックできる(写真=左端)。スライドオープンしてキーロックが一時解除された後も、本体を閉じると再ロックされるよう設定できる。ロック解除時に暗証番号入力をするかどうかの設定も可能(写真=中、右)
photophotophotophoto N-01Aはサイドキーの長押しや、本体を閉じたときに自動でロックするよう設定できるほか、ロックの解除時に暗証番号を入力するかどうかの設定も可能(写真=左端、左中)。暗証番号入力を「あり」にした場合、サイドキーの長押しか画面のカギアイコンをタップした後に暗証番号を入力する(写真=右中)。暗証番号入力を「なし」にした場合、画面下部を左から右にスライドするか、サイドキーを長押しするとロック解除できる(写真=右端)
photophotophotophoto SH-04Aはディスプレイ面のクリアキーを長押しすると、タッチパネルとサイドキーをロックでき、もう1度クリアキーを長押しするとロックが解除される。ロック時は約5秒でバックライトが消灯するので、省電力にも役立つ。ただし画面のスライドや暗証番号の入力でロック解除することはできない。いったんロック解除して、本体をもう1度閉じてタッチパネルとサイドキーを再ロックする(本体を閉じると無条件でロックする)設定もできない
閉じたまま操作できるタッチパネルの誤操作防止
タッチパネルの誤操作防止 待受時にロック ほかの操作時にロック ロックの解除方法 バックライトを消灯
F-01A 側面ミュージックキーを長押しして「画面OFF」を選ぶ(※起動中の機能によっては利用できない場合がある)
F-03A 側面ロックキーの長押し 側面ロックキーの長押し、スライドオープン/暗証番号入力 側面ロックキーの短押しで画面消灯(待受時のみ)
N-01A 本体を閉じる/側面ロックキーの長押し 側面ロックキーの長押し、画面下部をスライド/暗証番号入力
SH-03A
SH-04A ディスプレイ面のクリアキーの長押し ディスプレイ面のクリアキーの長押し/スライドオープン(閉じると再ロック) 表面クリアキーの短押し(待受時のみ)

 N-01Aは閉じた状態からワンタッチでバックライトの消灯はできず、バックライトの点灯時間が長いとバッテリー残量が減りやすくなるので注意したい。N-01Aは常にディスプレイが表に出ているため、バックライトを消灯するキーを設けてほしかった。

 SH-04Aでは同じシャープ製の「AQUOSケータイ W64SH」(au)と「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」(ソフトバンク)が対応している、バックライトの「クローズ後消灯時間」の設定ができない。この設定では、本体を閉じた直後にバックライトが消灯するよう変更でき、省電力と誤操作防止が同時にできて一石二鳥だった。SH-04Aはディスプレイ面のクリアキーを短押しすればバックライトが消灯するのでそれほど手間ではないが、この方法で消灯できるのは待受時のみ。いつでも簡単に消灯できるよう、クローズ後消灯時間の設定は採用してほしかった。

タッチの基本性能が最も優れている機種は?

 第1回と第2回の検証結果を見る限り、SH-04Aのタッチパネルが最も使いやすいと感じた。タッチ操作を生かしたショートカットや「戻る」「進む」操作、物理キーとタッチの組み合わせ、誤操作防止など、いずれも快適に使えた。

 ただし不満な点もある。1つは先に指摘した、開いた状態では文字変換の候補をタッチで選べないこと。もう1つは待受タッチランチャの機能を変更できないこと。あとは待受時以外にワンタッチで画面を消灯できないことと、本体を閉じて即消灯の設定ができないのも残念だ。N-01Aのように画面をスライドしてタッチパネルのロックを解除できないのも惜しい。タッチとは直接は関係ないが、終話キーの位置もどうにかしてほしかった。

 N-01Aのタッチパネルも完成度が高いと感じた。タッチ後の振動がない、プッシュトークキー(シャッターキー)が押しにくい、操作中にロックができない、モーションセンサー非対応などの不満はあるが、タッチ専用の見やすいインタフェースやショートカット機能はよく工夫されている。

 ただ、個人的には「“3Wayスタイル”ではなくスライド型でもよかったのでは?」と思う。N-01Aの画面が180度回転する独特のスタイルは片手では使いにくい。本体を開閉するのにいったん横画面(シェアスタイル)にする必要があるので、両手を使うことが多い。一部のスマートフォンを除き、ケータイは片手で使うのが基本なので、これは煩わしい。

photo N-01Aの“3Wayスタイル”。左からタッチスタイル、シェアスタイル、コミュニケーションスタイル

 もちろん、ワンセグやフルブラウザなどを横画面のまま物理キーで操作できるのは便利だが、横画面操作はタッチスタイルでも十分こなせる。また、物理キーを使った横画面操作は、“必要に応じて”ディスプレイを回転するAQUOSケータイの「サイクロイド」や、富士通製端末の「ヨコモーション」の方が理にかなっていると思う。N-01Aの「タッチと物理キーで横画面操作」という試みは画期的なので、3Wayスタイルを今後も継承するのなら、ワンタッチでディスプレイが回転するアシスト機構を加えるなど、もう一工夫してくれるとありがたい。

 次回以降は、カメラや画像ビュワー、ワンセグ、ミュージックプレーヤー、フルブラウザなど、機能ごとにさらに踏み込んでタッチパネルの実力を検証する。

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