2009年5月7日現在、NTTドコモは「PRIME」シリーズ7機種、「STYLE」シリーズ7機種、「SMART」シリーズ4機種、「PRO」シリーズ4機種を販売している。このうち、PRIMEシリーズの「F-01A」「F-03A」「L-01A」「N-01A」「SH-03A」と、PROシリーズの「SH-04A」「HT-01A」「HT-02A」の8機種がタッチパネルに対応している。これらの機種は2008年11月〜2009年2月に発売されたもの。
タッチパネル対応ケータイが増えた背景には、2008年7月に登場した「iPhone 3G」の影響が多かれ少なかれあるだろうが、より快適にケータイを使えるよう、ドコモがUI(ユーザーインタフェース)の選択肢を広げたとも考えられる。特にワンセグやカメラ、ブラウザ、画像ビュワーなどは直感的なタッチパネルの方が操作しやすいことが多い。また、iPhone 3Gが全面タッチパネルを採用しているのに対し、これら8機種は一般的なケータイと同じく物理キーも搭載しており、「タッチはあくまでUIの1つ」という位置付けといえる。
便利なタッチパネルだが、機種によって「できること」と「できないこと」が異なる。SH-04Aのようにほぼすべての機能をタッチ操作できる機種もあれば、F-01AやSH-03Aのように、タッチ操作はビュワースタイルのみに限定している機種もある。また、同じタッチ操作に対応した機能でも、機種によって操作性が異なる場合が多い。
そこで、タッチ操作で利用できる機能やショートカット、機能ごとのタッチ操作の違いなどを検証ポイントとし、F-01A、F-03A、N-01A、SH-03A、SH-04Aの5機種を比較する。
タッチパネルには、圧力を感知する「感圧式」と、パネル表面に電界を形成し、電荷の変化を計測することで位置を検出する「静電式」の2種類がある。F-01A、F-03A、N-01A、SH-03A、SH-04Aのタッチパネルは静電式を採用しており、指で操作するのが基本となる。
F-03Aはタッチパネルのほか、縦画面の下部に現れるソフトウェアキーボード「タッチセレクター」を使って操作する。中央のセレクター部分をなぞるとカーソル操作ができ、三菱電機製端末の「スピードセレクター」のように操作できる。タッチセレクターは、待受時に画面をタップすると現れる。このほか、MENU、CLEAR、終話キーなどの4つのソフトウェアキーがセレクター周辺に表示される。
スマートに使えるタッチセレクターだが、セレクターの中心部を押す「決定」操作は慣れるまでに少し時間がかかった。中心部を押したつもりが、上下にカーソル移動することが何度かあり、狙いを定めて指の腹で軽くたたくと、おおむね正しく押せるようになった。タッチセレクターは物理キーと違い、どのキーを押しているか感覚的には分からないので、決定キーはもう少し大きくしてほしかった。
ディスプレイを触った後の振動(フィードバック)はSH-03AとSH-04Aが対応しており、オンとオフを切り替えられる。タッチパネルの補正は5機種とも利用できない。
N-01Aはこの中では唯一、タッチパネルをオフにできる。本体を閉じた「タッチスタイル」、ディスプレイを90度回転した「シェアスタイル」、ディスプレイを180度回転した「コミュニケーションスタイル」それぞれでオンとオフにできる。F-03Aはタッチパネルのオフ設定はできないが、タッチセレクターの回転操作はオフにできる。
タッチパネルの性能と直接は関係ないが、ディスプレイの向きに応じて画面の表示が回転する「モーションセンサー」の対応の有無も、閉じたまま快適に操作する上では重要なポイントだ。モーションセンサーはF-01A、F-03A、SH-04Aが搭載しており、本体を横向きにすると、ワンセグやフルブラウザなどを横画面で表示できる。ただし、モーションセンサーが有効になる機能は機種によって異なる。なお、F-03Aは機能ごとにモーションセンサーのオンとオフを設定することも可能だ(写真=右)。
タッチパネル方式 | タッチ後の振動 | タッチ補正 | タッチパネルのオン/オフ | モーションセンサー | |
---|---|---|---|---|---|
F-01A | 静電式 | − | − | − | ○ |
F-03A | 静電式 | − | − | △(タッチセレクターの 回転操作を無効にするのみ) |
○ |
N-01A | 静電式 | − | − | ○ | − |
SH-03A | 静電式 | ○(オン/オフ) | − | − | − |
SH-04A | 静電式 | ○(オン/オフ) | − | − | ○ |
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