PRIMEシリーズに属する富士通製の「F-06B」は、IPX5/IPX7/IPX8の防水性能と1320万画素CMOSカメラ、タッチパネル対応の3.5インチディスプレイなどが特長のスライドヨコモーション端末だ。ドコモの2010年夏モデルの中でも、特に高いスペックを実現している。
ソフトウェアで注目したいのが、タッチパネルの感度とユーザーインタフェースを改善したこと。2009年冬モデルの「F-01B」と比較して感度が6倍向上しており、より素早く操作できるようになった。
「F-09A」や「F-04B」などが搭載していた「待受ランチャー」も改良し、Android端末のように待受画面下部に触れて上にスライドすると、ショートカットアイコンが表示される。ここに登録されている機能は、アイコンをドラッグすると任意の場所に移動する。ただ、発売前のモデルで確認したためか、待受ランチャーの表示はややもたつく印象だった。このほか、待受画面下部に設置できる「待受ショートカット」も用意されている。
タッチパネルの基本的な操作感が改善されている点にも注目したい。まず、これまでの富士通製タッチパネル端末の中には、本体を閉じた状態でもメニュー項目の文字や行間が、通常と同じサイズで表示される機種があり、狙った個所が押しにくかった。さらに、カーソルの合っていない項目にアクセスするには、1度項目をタップしてカーソルを合わせ、もう1度タップしてアクセスする、という具合に2回タップする必要があった(カーソルが合っている項目はワンタッチでアクセスできる)。
F-06Bではこれらの不満点を改善し、メニューの第2階層以降の文字と行間を大きく表示することで、タッチ操作でも狙った項目を選びやすくなった。また、カーソルの合っていない項目でも、1度タッチするだけでアクセス可能になった。
ソフトウェアキーボードを用いた文字入力のUIも、大きく変更されている。F-09AやF-04Bでもソフトウェアキーボードは搭載されていたが、例えば「あ」を入力する場合、「あ」キーを選び、その後に表示される「あ」〜「お」キーの中から「あ」を選ぶ、2タッチ方式が採用されていた。F-06Bでは通常のかな入力と同様に、「あ」キーを1回押すと「あ」を、5回押すと「お」を入力できる。また、ソフトウェアキーボード上でQWERTY配列の表示も可能になり、英単語や英文が入力しやすくなった。日本語入力システムには「iWnn」が採用されている。
もう1つ注目したいのが、ソフトウェアキーボードで、平仮名のフリック入力が可能になったことだ。母音が「あ」の単語は1回タップ、「い」の単語は左へフリック、「う」の単語は左上へフリック、「え」の単語は右上へフリック、「お」の単語は右へフリックすると入力できる。
下方向へのフリックには入力は割り当てられておらず、iPhoneやXperia、Android向けアプリ「Simeji」などが採用している、十字方向へフリックする操作法とは異なる。筆者はiPhoneのフリック入力に慣れていたため、斜め方向へフリックする(母音が)「う」と「え」の単語の入力に何度が失敗した。また、右フリックをした場合、iPhoneやSimejiでは母音が「え」、F-06Bでは「お」の単語が入力されるので、少々紛らわしい。ともあれ、タッチ入力の選択肢が増えたことは大きな進化といえる。
F-01BやF-04Bでもおなじみの手書き入力も継承し、漢字や絵文字を手書きで入力できる。予測変換にも対応しており、例えば「田」と入力すると「田舎」「田園」などの単語が候補に表示される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.