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» 2012年03月23日 19時51分 公開

新iPadの高速通信に期待/EMOBILE LTE好調の理由/「W-VALUE割引」対象変更に要注意石野純也のMobile Eye(3月11日〜3月23日)(2/2 ページ)

[石野純也,ITmedia]
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ウィルコムが「W-VALUE割引」の対象を変更、“コム友”ユーザーは要注意

 3月19日には、ウィルコムが「W-VALUE割引」の対象費目を4月1日から変更すると発表した。W-VALUE割引とは端末購入に伴い、月々の通信料に対して割引を受けられるサービスのこと。NTTドコモの「月々サポート」や、KDDIの「毎月割」、ソフトバンクモバイルの「月月割」に近い内容といえば、他社のユーザーにも理解しやすいだろう。端末購入とセットになった割引のため、端末代が安くなるようにも思えるが、実際には毎月の料金が減額される仕組みだ。店頭で端末が販売される際に“実質価格”という表現が使われるのは、こうした事情を正確に反映するためである。

4月1日以降のW-VALUE割引対象
  項目
W-VALUE割引対象(一例) ・通話料
・パケット通信料(PHS)
・オプションサービスの月額料や利用料
・データ通信向け料金コースの月額基本使用料(「3G データ定額(S)」「3G データ定額ビジネス(S)」「新つなぎ放題」「TwoLinkDATA」)
W-VALUE割引対象外 ・機種代金の分割支払金
・音声向け料金コースの月額基本使用料
・「ウィルコムあんしんサポート」の月額料
・コンテンツ情報料(回収代行分)
・パケット通信料(3G)
・ユニバーサルサービス料

 W-VALUE割引は購入する端末によって月額490円から2900円と金額が異なるが、音声端末では月980円の割り引きが一番多い。割り引き内容の変更は、4月1日以降にウィルコム端末をW-VALUE SELECTで購入したユーザーが対象。3月31日までに契約したユーザーの割り引き内容には、変更はない。


photo 基本使用料のみで利用しようとすると、月々のランニングコストが上がってしまう

 このW-VALUE割引が、4月1日の契約分から音声向け料金コースの月額基本使用料や「ウィルコムあんしんサポート」には適用されなくなる。既存契約者に関しては変更はないので安心だが、新規契約や機種変更を考えているユーザーには注意が必要だ。影響を受けやすいのは、基本使用料だけを支払い、ウィルコム同士の24時間通話定額を利用しているユーザー。例えば、最新モデルの「WX03A ストラップフォン」を購入し、「新ウィルコム定額プランS」を契約したとする。基本使用料は1450円で、3月31日までは毎月980円のW-VALUE割引を受けられるため、毎月の支払いは470円。ここに端末の割賦分が1480円上乗せされ、合計で1950円になる。ところが、4月1日からは基本使用料にW-VALUE割引が適用されなくなり、毎月の利用金が1450円に上がってしまう。1480円の端末の割賦代を合わせると合計は2930円だ。

 もちろん、「だれとでも定額」を契約しているユーザーには大きな影響はない。オプション料金が980円発生するため、この料金がW-VALUE割引で相殺される形となるからだ。だれとでも定額を契約せずに他社に電話した際の通話料なども割引対象となる。とはいえ、ウィルコムは他社に先駆けて自網内の24時間定額を実現しており、これを目的にPHSを契約しているユーザーも少なくなかった。大学生がサークルのメンバー同士で連絡を取り合うために、ウィルコムの通話定額を活用していたというエピソードは、一時期、同社がたびたび披露していたほどだ。W-VALUE割引の適用範囲変更が、このような利用方法に対する実質的な値上げになってしまうのは残念だ。現在ウィルコムのPHSを自網内通話定額用にしており、かつ機種変更を考えているユーザーは、3月31日までに駆け足で端末を購入した方がいいだろう。新規契約の場合も同様だ。

 ウィルコムの広報担当は、W-VALUE割引の適用範囲変更の理由を「他社も基本料以外のご利用分からという形となっていた」と説明している。だが、実際にはドコモの月々サポートや、KDDIの毎月割は基本使用料も割引の対象になっている。ソフトバンクモバイルの月月割だけはホワイトプランなどの基本使用料が割り引かれないが、今回の変更でW-VALUE割引もこれに近い形となる。ウィルコムがソフトバンクグループになったため仕組みを統一した方が分かりやすいという側面はあるものの、使い方によっては値上げになってしまうだけに、ウィルコムには独自路線を貫いてほしかった。

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