熱い視線を送ってタブレットを操作してみた――ドコモの「i beam」:CEATEC JAPAN 2012

» 2012年10月03日 23時10分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
photo アイトラッカーを装着した試作タブレット

 CEATEC JAPAN 2012のNTTドコモブースにある「R&D」(研究開発)コーナーでは、スマートフォンやタブレットなどスマートデバイスのユーザーインタフェースに関する研究成果が出展されている。

 その中の1つが、アイトラッキング技術を使うことで端末に触れずに操作できるようにした「i beam」。スマホを握る力を検出して片手操作しようという「Grip UI」に対し、i beamはデバイスを見つめることで基本的な操作を行う。展示されている試作タブレットの下部には、赤外線レーザーを網膜に照射して視線をとらえるアイトラッカーを内蔵。ユーザーがディスプレイのどこを見ているのかを常に検知している。

 使い始めるにはユーザーごとのキャリブレーションが必要で、ほかのユーザーがタブレットをのぞき見ても反応しない。メガネやコンタクトレンズを装着していてもアイトラッキングに影響はなく、斜視や隻眼でも利用できるという。ただ、メガネのレンズに光が乱反射すると、うまく動かない場合があるそうだ。

photophoto 電子書籍のページめくりやブラウザのスクロールも、タブレットを見るだけで操作できる

 デモでは、Webブラウジングや写真ギャラリーのスクロール、電子書籍のページ送り、飛んでいる風船を割る簡単なゲームなどが試せる。今回使われているのはi beam向けに用意されたアプリで、Androidのホーム画面やほかのアプリは操作できなかった。タッチパネルのタップに相当する操作は、決定ボタンをじっと注視することで行う。画面には、自分が画面のどこを見ているかを示すポインターが表示されるが、そのポインターを気にすると視線が乱れてうまく操作できないことがあり、非表示にもできる。

photophoto アクティブに目を動かすゲーム(写真=左)と、じっくりと見る写真ギャラリー(写真=右)。視線での端末操作は分野は問わず応用できるようだ

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 実際に体験してみたが、確かにポインターがあるとそれを目で追ってしまい、なかなか視線が定まらない。また操作を決定するためにボタンをじっと見ている必要があるが、どうしても途中で視線が外れてしまい、うまく操作できるようになるまで少し時間がかかった。想像するよりもかなり慣れが必要な印象で、思わずタッチパネルに手が伸びてしまう。かなり個人的な問題だが、視線での操作に集中しようとすると、自然に息が止まってしまうのも興味深かった。

 スマートデバイスを触らずに操作する方法は、すでにいくつかの製品に盛り込まれている。富士通製のAndroidタブレット「ARROWS Tab LTE F-01D」には、インカメラに向かって手をかざすことで簡単な操作が行える「ジェスチャーコントロール」が採用されている。また、Samsung電子の「GALAXY S III SC-06D」は、ユーザーがディスプレイを見ている間のみバックライトを点灯する「Smart Stay」を搭載した。もちろんこれらは、補助的な操作機能を提供しているにすぎない。ドコモのi beamが実用化されれば、デバイスの操作全般を目の動きで行えるようになる。その場合は片手操作がより快適になるだけでなく、手や腕にハンディキャップがあるユーザーにも恩恵となるはずだ。

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