今回取り上げている5インチフルHDディスプレイを搭載したスマートフォンは、いずれもクアッドコアCPU付きプロセッサーを搭載しており、その性能が気になるところ。そこで、CPUの性能・データの読み書き・描画性能などを数値化できるベンチマークテストを「ARROWS X F-02E」「ELUGA X P-02E」「Xperia Z SO-02E」「HTC J butterfly HTL21」の4機種で実施し、どれだけ差があるのかを調べてみた。
今回ベンチマークテストをするために使ったアプリは「Quadrant Professional Edition」と「AnTuTu 安兎兎ベンチマーク」の2つ。いずれもCPU、メモリ(RAM)、データの読み書き(I/O)、2Dと3Dグラフィックの描画のスコアを算出できる(AnTuTuではCPUとI/Oで、より詳細なスコアも分かるが、今回はQuadrantと同じ項目のスコアを確認した)。Quadrantは各項目の平均値、AnTuTuは各項目の合計値が総合得点として表示される。2つのベンチマークテストを各機種で5回ずつ実施し、その平均値をまとめた。
Quadrant Professional Editionでは、総合平均8123.2のXperia Zが最も高いスコアをたたき出した。次いで8095.6のHTC J butterflyも高得点だった。Xperia ZとHTC J butterflyのプロセッサーは、QualcommのSnapdragon S4 Pro「APQ8064」だが、同じくAPQ8064を搭載するELUGA Xの平均スコアは7402.4で、先の2機種よりはやや低かった。Xperia ZはCPUのスコアが唯一2万を超え(20821.2)、HTC J butterflyはデータの読み書きのスコア(9752.6)が特に高かった。4機種の中では唯一「Tegra 3」を搭載するARROWS Xの平均スコアは、ほかの3機種よりも半分以上低い3702.2だった。
CPU | メモリ | データの 読み書き |
2D描画 | 3D描画 | 総合 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ARROWS X F-02E | 9791.4 | 2637.4 | 3344.4 | 572 | 2166.2 | 3702.2 |
ELUGA X P-02E | 17751.4 | 9785.8 | 6908.8 | 496 | 2070 | 7402.4 |
Xperia Z SO-02E | 20821.2 | 9806.8 | 7313.2 | 500 | 2176 | 8123.2 |
HTC J butterfly HTL21 | 18382.2 | 9678 | 9752.6 | 500.6 | 2164.2 | 8095.6 |
AnTuTu 安兎兎ベンチマークはどうか。こちらは総合平均19535.6のHTC J butterflyが最も高く、18712.6のXperia Zが続く。CPU、メモリ、データの読み書きはHTC J butterflyが最も高得点だったが、2Dと3D描画のスコアはXperia Zの方が高かった。3位がELUGA X、4位がARROWS Xという結果はQuadrantと同じだが、ARROWS Xの総合平均11475.8はELUGA Xの13591.6と近く、Quadrantほどは差がついていない。CPUのスコアはARROWS Xの方がELUGA Xより高い。
CPU | メモリ | データの 読み書き |
2D描画 | 3D描画 | 総合 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ARROWS X F-02E | 5991.2 | 1980.8 | 894.4 | 713.4 | 1896 | 11475.8 |
ELUGA X P-02E | 5479.2 | 2201.4 | 887.8 | 1007 | 4016.2 | 13591.6 |
Xperia Z SO-02E | 7334.4 | 3107.4 | 898.2 | 1556.6 | 5816 | 18712.6 |
HTC J butterfly HTL21 | 8484 | 3460.6 | 901.8 | 1311.8 | 5377.4 | 19535.6 |
ベンチマークテストのスコアは使い勝手を計る1つの目安に過ぎないが、今回のテストでは、Xperia ZとHTC J butterflyが特に優秀な結果となった。
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