中華“おサイフ”も秒読み段階!──2013年下半期の中国市場は「LTE」「NFC」に注目せよ山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)

» 2013年08月05日 19時23分 公開
[山根康宏,ITmedia]

TD-LTEなのは“予定調和”だが

 スマートフォンの普及が急速に進み、OTT系サービスの台頭など、中国でもフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が始まった。2013年6月に上海で開催した「Mobile Asia Expo 2013」(MAE2013)では、これから中国で始まるスマートフォンを中心とした新サービスを多数展示していた。その展示内容からも、2013年下半期の中国市場ではLTEとNFCが大きく動き出すことがうかがえる。

 いまだに事業者免許の発行時期が不透明な中国の4G LTEだが、中国移動(チャイナ・モバイル)がTD-LTE方式で最初にサービスを開始するのは、“公然”のこととなっている。同社のテストサービスは2013年6月に一般ユーザーに対象を広げ、中国の16都市でUSBモデムとモバイルルーターを使った高速データ通信サービスを提供している。広東省のように、既存の3G価格とほぼ同等の料金プランを提示し、毎月一定料金を支払うなど商用向けと同じサービスを提供している都市もある。

 この本格的な商用テストサービスを利用するためには、過去数カ月間におけるデータ通信利用実績が必要など、一般の個人ユーザーにはやや厳しい条件を設けている。そのため、サービスの参加者はまだ多くない。TD-LTEはスマートフォン普及に必須であるが、中国における多くのユーザーは、当面TD-LTEスマートフォンが確実に利用できるまで待っているというのが実情だ。

MAE2013の中国移動ブースは、4G LTE一色の展示内容だ(写真=左)。テストサービスのために、データ端末を提供している(写真=右)

 TD-LTE対応スマートフォンは、中国の大手メーカーが販売予定とアナウンスしていたものの、実際に動作するモデルはMAE2013より前に公開していなかった。だが、MAE2013で中国移動はブースにSamsung、LG、Huawei、ZTE、Sony、Coolpad各社のLTE対応モデルを多数並べ、本格的な商用サービス開始が間近であることをアピールしていた。展示した機材では、会場で試験的に運用していたTD-LTEネットワークを実際に接続していて、多くの来場者がLTEの高速通信を体験していた。

 なお、中国移動で販売予定のTD-LTE対応モデルは、LTEだけではなく、既存のGSMやTD-SCDMA方式にも対応する。このため、従来の2Gと3GのユーザーがLTEのカバーエリアを気にすることなく乗り換えることが可能だ。展示していた機材は、TD-LTEとGSMの「デュアルSIM、デュアルモード、デュアルスタンドバイ」仕様もあったが、CSFB(Circuit Switched Fallback)対応でシングルSIMのモデルも確認している。このことから、2タイプのスマートフォンを製品化する可能性が高い。

MAE2013で展示していた中国移動のTD-LTE対応スマートフォン(写真=左)。ZTE U9815はデュアルスタンドバイ仕様を採用する(写真=右)

 TD-LTE対応モデルを投入する予定のメーカーの中でも、Sonyは「Xperia M35t」でデュアルSIM版とCSFB版を販売する予定だ。これは、デュアルSIMモデルの需要が高い中国市場を配慮してのことだろうが、TD-LTEの開始に合わせて2つのモデルを投入することで、中国移動ユーザーにXperiaシリーズの認知度を高めたいという考えもあるようだ。Sonyは、これまでW-CDMA方式を採用する中国聯通(チャイナ・ユニコム)にはグローバル向けモデルをいち早く投入してきたが、加入者数が圧倒的に多い中国移動が採用するTD-SCDMA(中国独自の3G規格)対応モデルの投入は、わずか数機種に過ぎない。

 調査会社のAnalysys Internationalによると、2013年上半期の中国国内スマートフォンシェアはSamsungの17.3パーセントを筆頭に、Lenovo、Coolpad(宇龍酷派)、Huawei、ZTE、Apple、Tianyu(天語)、Geonee(金立)、HTC、OPPOと続き、Sonyは10位以内にも入っていない。同時期の中国国内におけるスマートフォン販売総数は7528万台で、シェア10位のOPPOでさえも2.9パーセント、218万台を販売している。Xperiaが第2四半期に全世界で960万台を販売して好調なSonyだが、中国移動向けTD-LTEスマートフォンがヒットすれば、それだけで販売数を大きく引き上げることができるだろう。

SonyはMAE2013前日の発表会でもTD-LTEスマホを大きくアピールした(写真=左)。Xperia M35tのCSFB版(写真=右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月30日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  2. 「PayPayカード ゴールド」の特典変更は改悪? 損益分岐点を計算、年間100万〜220万円利用ならお得に (2026年04月28日)
  3. 相互交換が始まった「PayPayポイント」と「Vポイント」のお得な活用法 6月の“ルール変更”にも要注意 (2026年04月28日)
  4. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  5. ダイソーで550円の「スマートフォン ワンハンドシャッター」はカメラ撮影に役立つ? 「ボタンを押すだけ」がポイント (2026年04月29日)
  6. 携帯電話のホッピング問題、「6カ月以内の継続利用を認める」方向で決着か 2026年夏に結論 (2026年04月23日)
  7. 「Fitbit Inspire 3」が10%オフ 最適な睡眠をサポートするスマートアラーム搭載 (2026年04月29日)
  8. 修理費で13万円超えも 折りたたみスマホに「端末保険」が事実上必須といえる理由 (2026年04月27日)
  9. 血圧を測定できるスマートウォッチ「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」 17%オフで約5万円に (2026年04月27日)
  10. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年