ユーザーが許せる幅を探せ!──ドコモが考える「大画面と幅と気持ちよさ」の関係:それは“3ミリ刻み”の戦いであった(2/4 ページ)

» 2013年11月07日 10時45分 公開
[長浜和也,ITmedia]

モックアップとユーザー調査で知る横幅の許容範囲の変化

──デバイスメーカーは、幅60ミリから65ミリのモデルを多く出していますが、横幅における“黄金率”のようなものはあるのでしょうか?

宮沢氏 人間の手にはある程度条件があって、その範囲で、大画面ディスプレイを搭載できるようにしたいですね。ただ、流行というものはあります。フィーチャーフォンでは、幅が48ミリとか53ミリが主流でしたが、いまは大きくなっています。フィーチャーフォンのユーザーは幅が70ミリと聞くと大きいと思うかもしれませんが、大きいと思うサイズはデバイスの機能とユーザーの意識の変化で変わっていくようです。ドコモのデザインチームでは、ユーザーが幅をどのように感じるかを調べるために、モックアップを使ってユーザー調査を行っています。

2013年夏モデルで「片手操作を重視」したELUGA P-03Eはディスプレイサイズが4.7インチで横幅は65ミリだった

高間氏 この調査は、年に2回行っています。最も幅が狭いモックアップは53ミリで、3ミリ刻み、途中からは6ミリ刻みで大きくしていき、最も大きいのは95ミリまで用意するのです。調査に参加するユーザーにはモックアップのサイズを教えません。そのうえで、使って支障のないと感じる許容範囲を調べています。こうすることで、ユーザーはサイズの数値ではなく、使いやすくて支障のないデザインを選ぶようになるのです。

 この調査の結果、8割のユーザーが利用に支障がないと答えたのが59ミリから68ミリの間でした。幅が71ミリになると支障ないと答えるユーザーの比率は下がってきますが、それでも、5割を超えます。以前の調査結果と比べると、男性だけでなく女性も支障ないと答える割合が増えているのです。

 1年前なら、女性は68ミリで大きいと感じていましたが、今では71ミリでも7割が許容できると答えています。幅に対する許容量は明らかに変わっているといえるでしょう。一方、71ミリと74ミリでは、男性でも許容できる割合が一気に下がります。現時点では、そこに1つの目安があると考えています。

2013年夏モデルで登場した「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」は4.8インチディスプレイ搭載で防水防塵性能を持たせて幅が70ミリ。このあたりが許容範囲ぎりぎりとなるようだ

宮沢氏 モックアップは“黒いかたまり”なので、実際に操作はできません。それでも、ユーザーは画面に相当する場所をなぞって、操作における指の動きを確かめています。ユーザーの中には、片手持ちと両手持ちの両方で確かめている場合もありますね。これは、データとして残っていないので主観的ですが、両手持ちのユーザーは片手持ちのユーザーより幅が広いものでも許容できる印象でした。

 モックアップの形状は、Xperia Zのような板状ではなく、丸みを持たせた“ラウンドフォルム”になっています。デザイン形状の影響については、関連する項目が膨大な数になってしまうので調べていません。本体の厚みについては、別なモックアップを用意して調査を行っています。意外と、厚さ11ミリまでは支障がないと考えるユーザーが多いです。ただ、購入するかどうかはまた別な問題になるでしょう。なお、モックアップは幅が広いと薄く、幅が狭いと厚くなるようになっています。ただし、モックアップ1つ1つの具合的なサイズや重さといった仕様が公開していません。

 小画面のモックアップは片手で使い、大画面のモックアップは両手で使うことを想定していますが、ユーザーを見ていると、それほど厳密に分かれていないようです。ドコモとしても、厳密に規定しているわけではありません。ただ、フィーチャーフォンから移行するユーザーは、片手が使いやすいと感じるユーザーは多いですね。

 どちらかというと、何に使っているのかが幅の許容量については重要になります。ディスプレイを見るだけなら片手で操作して、メールを打つなら両手で使う。この調査では「持てればいい」サイズと「持って操作できるといい」サイズも聞いていますが、幅が71ミリを超すと「操作できなくても持てればいい」と考えるユーザーが多くなりました。

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