40代女性は“デコ”が好き?――トレミールに聞くスマホアクセサリー事情:佐野正弘のスマホビジネス文化論(1/2 ページ)

» 2014年02月03日 12時00分 公開
[佐野正弘,ITmedia]

 スマートフォンの市場拡大とともに急成長を遂げている、ケースなどスマートフォンのアクセサリーを提供するメーカー。だが実際のところ、アクセサリーメーカーがどんな経緯でこの市場に参入し、どんな点を重視して開発に取り組んでおり、どんな商品が売れ筋となっているのかなど、意外と知られていないことが多い。そこで今回は、KDDIの「au +1 collection」などに、女性向けのスマートフォンアクセサリーを提供しているトレミールに、スマートフォンアクセサリーに対する取り組みについて話を聞いた。

photophoto トレミール 代表取締役の茶谷幸司氏(写真=左)とアクセサリーソリューション部 マネージャーの大竹温子氏(写真=右)

キャリアショップ事業からデコレーションのニーズを知る

 トレミールは、KDDIやイー・モバイル(現在はイー・アクセス)に所属した経験を持つ、代表取締役の茶谷幸司氏が独立して立ち上げた企業。主にインフラ・サポートなどモバイルに関するソリューション事業や、イー・モバイルショップの運営など、携帯電話に関連する周辺事業を展開している。

 そんな同社が、スマートフォンアクセサリーを手掛けたのには、2009年にイー・モバイルが顧客サポートを強化するべく設立したキャリアショップ「イー・モバイル 赤坂」を手掛けたことが大きく影響している。当時のイー・モバイルはデータカードが主体であり、顧客も男性が中心だった。そのため女性にも広く使ってもらえるよう、端末にストーンなどで装飾を施す“デコレーション”を手掛けるショップ「L-MOBILEDO」を併設することとなった。

 当時はネットブックとデータカードのセット販売による、いわゆる“100円PC”が人気だったことから、デコレーションしたPCをディスプレイしたり、イー・モバイルのヒット商品となった「Pocket Wi-Fi」シリーズ用の純正ケースを開発したりするなどして、地道に事業を続けていた。だが2011〜2012年ごろにかけ、デコレーションを施したアクセサリーの人気が高まってきたことにより、この事業は大きな転機を迎えることとなる。

 というのも、当時スマートフォンケースにデコレーションを施すには、小ロットのオーダーメード品が主流であり、品質面の問題もあって大量生産品はあまり人気が出なかったという。そこでトレミールは、ベースとなるデザインに名前などを追加できる、パターンメード型のデコレーションサービス「CRYSTAL Decoration for SMART PHONE」を提供。その権利が付いたプリペイドカードを大手量販店で販売したことにより、ディズニーが興味を持ちライセンス獲得に至るなど、高い注目を集めたそうだ。

 そしてこのビジネスを進めるうちに、茶谷氏はあることに気が付いたという。それは、スマートフォンの本体全面にデコレーションするだけでなく、ポイント的に一部分だけデコレーションを施したいというニーズが、実は大きいということ。そこでトレミールでは、シールを貼るだけで、ポイント的にデコレーションを施すことができる「CRYSTAL Decorationシール」の販売を開始。1枚当たり1000円を超える価格ながらも、半年で3万枚以上販売するなど大ヒット商品となったことで、アクセサリービジネスを本格化するに至ったそうだ。

photo デコレーションを手軽に施せる“デコシール”のヒットが、アクセサリー事業に力を入れるきっかけに。デコシールは現在もトレミールの主力商品となっている

購買層は40〜50代、理由は“キラキラ”?

 こうした経緯から、トレミールはデコレーションを主体とした女性向けスマートフォンアクセサリーに力を入れることとなったわけだ。現在同社では、デコレーションを施したスマートフォンケースのほか、スマートフォンの一部分をデコレーションできる「デコシール」、そしてスマートフォンに取り付けて落下を防止する「スマホシュシュ」などを開発し、販売している。

photophoto デコレーション関連以外にも、落下防止グッズの「スマホシュシュ」などを手掛ける

 デコレーションを施したスマートフォンのアクセサリー……と聞くと、若い人が積極的に利用するイメージが強いのではないだろうか。だが茶谷氏によると、「実は、デコレーションケースが最も売れているのは40〜50代」とのこと。その要因は、大きく分けて2つあるようだ。

 1つは、「女性は年齢に関係なく、キラキラしたものが好き」(茶谷氏)ということ。女性のファッションを見ると、年代を問わず輝きを持つものが付いていることが多く、“キラキラ文化”が根付いているのだという。常に持ち歩いているスマートフォンもファッションの延長線上にあることから、ケースにも輝きのある装飾が好まれるのではないかと、茶谷氏は分析している。

 そしてもう1つは、年齢による嗜好の変化にあると、茶谷氏は話す。20〜30代ではデザインに関する好みの幅が広く、デコレーション以外のデザインのケースにも関心を示しやすいことから、支持が分散しやすい。しかし年齢が上がるに従って好みの幅が絞られるようになり、結果として女性に深く根付いている、キラキラ感のあるデコレーションケースに支持が集まりやすいのだそうだ。

 もう1つ意外な傾向として、デコシールは自分用としてより、“贈答用”として購入されることの方が多いのだそうだ。シールを自分で購入して使った人が、気に入ってほかの人にも使ってもらいたいと、プレゼントするケースが多く、1000円を超える商品ながらまとめ買いやリピート率が高いのだという。

photophoto トレミールのスマートフォンケース。デコレーションといっても派手なものではなく、比較的シンプルなものが多い
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