MM総研、国内MVNO市場の2013年度実績と予測を発表――回線契約数は前年度比42.7%増

» 2014年06月10日 19時34分 公開
[エースラッシュ,ITmedia]

 MM総研は、6月10日に「国内のMVNO市場における2013年度実績と予測」を発表した。調査対象は全国の18歳以上の男女で、有効回答件数は682件。調査方法はWebアンケートで、期間は3月20日〜3月23日まで。

 本調査によれば、2014年3月時点でのMVNO回線契約数は前年度比42.7%増の1480万、回線種別では携帯電話(3G/LTE)が最多となる730万となった。また各携帯キャリアがMVNOとして他の移動体通信キャリアの回線を提供する「MNOでもあるMVNO」の回線占有率は50%を超えており、独自サービス型SIMの回線契約数は173万。MVNOサービスの認知度は25.2%ながら「格安SIM」の認知度は55.7%となっているほか、2016年度の市場規模は3240万回線、7680億円と予測している。

リリース本文

 以下、リリースの本文です。

2013年度末時点での契約回線数は、前年度比42.7%増の1,480万。

 MVNOサービスの総契約回線数および売上額は、2013年度末時点で1,480万回線/4,710億円となり、12年度末(1,037万回線/3,570億円)に比べ回線数で42.7%、売上額で31.9%それぞれ増加した。

 14年度以降の契約回線数および売上額は、14年度末:2,020万/5,780億円、15年度末:2,610万/6,810億円、16年度末:3,240万/7,680億円となり、12年度末から16年度末までの年平均成長率は契約回線数で32.9%、売上額で21.1%になると予測する。

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回線種別では携帯電話(3G/LTE)が最多で、前年度比46.0%増の730万。

 13年度末時点の契約回線数を回線種別に分類すると、携帯電話(3G/LTE)が730万(シェア49.3%)、BWA(WiMAXおよびAXGP)が726万(同49.1%)、PHSが24万(同1.6%)で、携帯電話カテゴリが最多となった。

携帯電話カテゴリにおいては、「格安SIM」と呼ばれる大手キャリアサービスの再販型では無い独自サービス型SIMの契約回線数が大きく伸長。特にISP事業者であるNTTコミュニケーションズやインターネットイニシアティブ、ビッグローブ、および老舗MVNO事業者の日本通信が市場を牽引した。

 BWAカテゴリでは、主にAXGP回線をソフトバンクモバイル向けに提供するWireless City Planningが契約回線数を伸ばした。一方でWiMAXおよびWiMAX2+を提供するUQコミュニケーションズは、auが提供する+WiMAXスマートフォン契約者の減少やWiMAX2+投入前の買い控えが影響したことを主要因として、通期では純減となった。

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MNO(移動体通信キャリア)でもあるMVNOの回線占有率は50%を超える。独立系MVNOの成長、高止まりするスマートフォン料金の引き下げに向けて競争環境の整備が求められる。

 13年度末時点の総契約回線数1,480万に占める「MNOでもあるMVNO」(※)の回線占有率は53.6%と、過半数を超えた。高止まりしているスマートフォン料金を適正化するには、独立系MVNOが成長し、大手キャリアを含めた、より公正かつ活発な競争環境を創出する必要がある。

 現在、独自サービス型SIM(※)を提供する事業者の殆どがNTTドコモの回線を利用する。L2接続(※)に係る料金面での課題はあるものの、今年度以降はKDDI・ソフトバンク回線を利用したサービスの増加が予想される。インフラ回線の選択肢が増えることで新たな競争軸が生まれ、サービスが多様化する事が期待される。

※「MNOでもあるMVNO」とはKDDI・ソフトバンクモバイルなどの移動体通信キャリアがMVNOとして他の移動体通信キャリアの回線を提供する形態

※独自サービス型SIMとは、独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する各種サービスを指す

※L2接続とは、ユーザー通信を直接MVNO網に収容することで、MVNO事業者が高い自由度でサービス設計する事が可能な接続方式

独自サービス型SIMの回線契約数は173万。モバイル市場全体に占める構成比は1.1%。主要4事業者のシェア合計は50%を超える。

 MVNO市場の中でも注目を集める「低価格SIM」を含む独自サービス型SIMの回線契約数は、2013年度末時点で173万となった。7キャリアの回線契約数を合計したモバイル市場全体は、同じく2013年度末時点で1億5,700万。独自サービス型SIMはモバイル市場全体から見ると、構成比で1.1%に留まる規模となる。

 しかしながら、普及阻害要因の一部となっていた「サービス認知度の低さ」「端末調達ハードルの高さ」「購入チャネルの少なさ」が改善されつつあり、今後の急速な普及が期待される。

 事業者シェアを見ると、1位はOCNモバイルONEを提供するNTTコミュニケーションズ。次いで、IIJmio SIM・BIC SIM等を提供するインターネットイニシアティブ、b-mobileブランドを提供する日本通信、BIGLOBE LTE・3G/ほぼスマホを提供するビッグローブとなる。4事業者のシェア合計は、独自サービス型SIMの過半数に達する。

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低価格SIM・低価格スマホ、およびM2M(機器間通信)領域の法人向けソリューションが市場を牽引。NTT東西の光回線卸を活用した固定・モバイルの融合サービスにも期待。

 MM総研では、2016年度末時点の総契約回線数を3,240万回線と予測する。2013年度は低価格SIMの本格普及元年となったが、2014年度に入ってからも低価格のSIMフリースマートフォンとのセット販売で大幅に契約数を伸ばしている。また、KDDI・ソフトバンクモバイル回線を利用したサービスの増加が期待され、より一層市場が活性化し、中期的な成長ドライバーになると予測する。なお、NTTは光アクセスのサービス卸「光コラボレーションモデル」を、14年度の第3四半期以降に導入すると発表した。MVNO事業者は、本モデルを活用する事で独自ブランドによる固定・モバイルのセット割引が実現できる。大手キャリアを含めた競争が激化する一方、MVNO事業者は独自性の高いサービスを提供する事で自社のポジションを確立出来る環境となる。

 低価格SIMは個人向けに注目が集まっているが、今後は法人市場でも契約数を大きく伸ばすと予測する。特にM2M/IoT(Internet of Things)領域の法人向けソリューション、企業通信ネットワークのバックアップ用途としての導入拡大が見込まれる。

MVNOサービスの認知度は25.2%、格安/低価格SIMサービスの認知度は55.7%。

 本年3月にMM総研が実施したWebアンケートの結果では、8,939件の有効回答中、通信キャリア以外のMVNO事業者によるデータ通信回線サービス(以下、MVNOサービス)について、「知らない」と回答した人は74.8%だった。

 一方、「詳細を知っている」との回答が5.5%で、以下、「概要を知っている」は6.8%、「聞いたことがある程度」が12.9%となり、「聞いたことがある程度」まで含めたMVNOサービスの認知度は25.2%となった。MVNOサービスに関しての認知度が十分に高まっているとはまだ言えない。

 一方、格安/低価格SIMサービスの認知度も併せて聞いたところ、「詳細を知っている」との回答が8.6%で、以下「概要を知っている」は15.8%、「聞いたことがある程度」が31.4%となり、「聞いたことがある程度」まで含めた格安/低価格SIMサービスの認知度は55.7%となった。「知らない」との回答は44.3%。

 MVNOサービスを知らない人でも、格安/低価格SIMサービスを知っているという人が一定数いることが分かる。但し、ある程度の具体的な内容を知っているという人(「詳細を知っている」「概要を知っている」と回答した人)の割合は、格安/低価格SIMサービスにおいても24.4%にとどまっており、消費者に向けた認知度向上への取り組みはまだ必要と言えそうだ。

格安/低価格SIMを挿しているスマートフォンを新品で購入した人は29.1%。

 格安/低価格SIMをスマートフォンに挿している人(有効回答数388件)に対し、挿しているスマートフォンの調達方法を聞いたところ、新品で購入したと回答した人は「SIMフリーの新品スマートフォンを別途購入した」が16.2%、「SIMカードとのセットで新品スマートフォンを購入した」が12.9%となり、合計でも29.1%にとどまった。最も回答者数が多かったのは「以前キャリア契約で使っていたスマートフォンを流用した」で30.7%であった。また、店舗やネット通販・ネットオークションなどで中古のスマートフォンを購入した人は19.3%であった。

 SIMフリー端末単体、格安/低価格SIMサービスとセットで販売されている端末ともに、大手キャリアが揃えている端末のラインアップに比べて種類が少ないことが影響している。格安/低価格SIMサービス普及の大きな阻害要因の1つになっていると言えるだけに、国内におけるSIMフリー端末ラインアップの早期拡充が望まれる。

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