2014年のARROWSとフィーチャーフォン、スマホの大画面化&高解像度化に思うことITmediaスタッフが選ぶ、2014年の“注目端末&トピック”(ライターせう編)

» 2014年12月22日 00時00分 公開
[井上翔,ITmedia]

 ここ数年、「スマートフォンを1台だけで満足に使える日は来るのだろうか」とずっと言っているような気がする筆者。1台化するのは2013年の段階で実は諦めている。では、どのような端末を買ったり使ったりしたのだろうか。振り返ってみよう。

富士通のAndroidスマートフォンは“冒険心”を取り戻せるか?

 “ARROWSジャーナリスト”と他称されているほど、富士通のAndroidスマートフォンを入手しまくっている筆者。思うと、2014年もITmedia Mobileで執筆した記事もARROWS関係のものばかりだったような気がする。

 ARROWSが筆者好みだから、というのも否定しない。しかし、同じメーカーを選び続けた方が“進歩”を見極められる、という観点がARROWSを選び続ける理由としてはより強い。2014年のARROWSは果たしてどのような進歩を果たしたのだろうか。

 まずは夏モデルの「ARROWS NX F-05F」。ジャストシステムと協業して「Super ATOK ULTIAS」(スーパーエイトックウルティアス)という新しい文字入力システムを採用したことが特徴的だ。ULTIASは月額476円(税別)の「ATOK for Android Professional」と同様のPC版ATOKベースの変換エンジン・辞書だけでなく、地名補完変換や郵便番号変換といった付加機能が無料で使えるのが大変に魅力的だ。アプリの追加によるカスタマイズ性がAndroidスマホの強みだが、アプリを入れまくってカスタマイズするユーザーは案外少ない現実を鑑みるに、プリインストールの文字入力システムを地道に改善する、という姿勢はユーザーのことをよく見ているなぁ、と感心しきりだった。

 先代の「ARROWS NX F-01F」で屋外での視認性と省電力性において好評だった「WhiteMagic」液晶。この液晶は特性上、表示される色の印象(色味)がほかの液晶とは異なる感じになってしまうという弱点を抱えている。F-05Fではサイズこそ据え置きだったが、色味を改善した改良型WhiteMagic液晶を採用し、表示における違和感を軽減している。このように、地味なところでの機能改善をしっかりやっていくところも富士通らしさを感じるところである(最初からそうしろよ、と思うことも少なくないが……)。

photo WhiteMagic液晶の“弱点”である色味の改善を果たした「ARROWS NX F-05F」。最近になって急に街中でよく見かけるようになった

 2012の夏モデルである「ARROWS NX F-06E」以来、F-05FまでのARROWSは初期のスペック史上主義、言いかえれば“やんちゃ”っぷりを封印してひたすらハードウェア・ソフトウェア両面での品質改善に力を注いできた。その成果もあってか、富士通はオリコンのスマートフォン満足度調査ではiPhoneを抑えて満足度1位を獲得している(→オリコンの携帯メーカー&携帯端末の顧客満足度ランキング――1位は「富士通」)。その一方で、他社のスマートフォンと比べると大変地味で目立たない存在になってしまった感も否定できなかった。

 そんな“やんちゃさ”を思い出そうという第一歩を感じたのが「ARROWS NX F-02G」だ。ドコモの冬モデルとしては「GALAXY Note Edge SC-01G」と並んで唯一となるワイドQHD(1440×2560ピクセル)ディスプレイを採用し、待望の(USB機器同士を接続できる)USB On-The-Goの復活も果たした。

 シーズンごとの最高スペックを、という傾向が戻りつつあることを感じさせたのだ。だからといって、ここしばらくの品質重視の姿勢が変わったわけではなく、安定かつ安心して使える端末に仕上がっている。ワイドQHDディスプレイによる消費電力増加はちょっとなぁ、と思うが(これはNote Edgeも同様)、安定して使えることを担保にした“やんちゃ”なら、以前のようにユーザーからのひんしゅくも買わずに済むはずだ。ぜひ2015年は“やんちゃな優等生”ポジションを確立してもらいたいところである。

photo 久々に“やんちゃ”さをのぞかせた「ARROWS NX F-02G」。USB On-The-Goが復活したのは隠れたセールスポイントだが、ワイドQHDディスプレイで省電力性は後退してしまった……

高解像度や大画面って本当に“正義”?

 先ほど触れたF-02GやSC-01G、あるいは「isai FL LGL24」「isai VL LGV31」のように、フルHD(1080×1920ピクセル)を超える解像度を持つスマホがちらほら出てくるようになった。来年はワイドQHD解像度がスマホの標準になりそうな感じすらする。また、「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」を見ていれば分かるが、スマホの大画面化ももはやトレンドになったと断言してもいい状況になった。しかし、これらの風潮は果たして“正義”なのかと疑問に思うことが最近特に多い。

 ワイドQHDディスプレイの機種はバッテリー消費がかなり激しい。写真や動画を再生すると、確かにフルHDよりキレイで見栄えが良くなる。しかし、Webブラウズ、SNSチェックやLINEなどのコミュニケーションツールの利用時にもその恩恵に与れるか、と言われると、それはほぼないだろう。

 同じ画面を表示するだけでも、バッテリーがより早く減っていく――。果たしてこれはユーザーの使い勝手を考えての選択なのだろうか。筆者にはどうしてもそう思えない。F-02Gのくだりで言ったことと矛盾しているのは百も承知であるが、さスマホぐらいのサイズでワイドQHDディスプレイは“やりすぎ感”をどうしても抱いてしまうのだ。冒険するならもっと別のところでやってくれ、と。

photo ともにワイドQHDディスプレイを採用するF-02GとSC-01G(厳密には後者はプラスアルファのエッジスクリーンもある)。両者ともバッテリー容量はかなり大きいはずなのだが、画面を付けていると“大飯食らい”になってしまう

 画面の大型化は写真や動画においてより大きな画面で楽しめるだけではなく、画面全体が見やすくなるので、高解像度化に比べて恩恵に与れる人はより多いだろう。しかし、画面の大型化は困る、という方も特に男性には多いのではないだろうか。男性は服のポケットに携帯電話を入れることが多い。しかし、大型化の一途をたどるスマホではポケットに入らなかったり、入ったとしてもはみ出したりしてしまうことが多い。また、操作を片手で行えないという問題も発生する。

 スマートフォンの“スマート”という言葉にはいろいろな意味があるが、大きさ的な意味でこのままでは“ファットフォン”(太った電話)化が進んでしまうのではないかと心配だ。「Xperia Z3 Compact」のような小ぶりのスマホに、もう少しバリエーションがあると大変喜ばしいのだが、どうしても市場的にはマイナーになっていると考えると……。

photophoto 胸ポケットからはみ出し(写真=左)、片手で操作できない(写真=右)大画面化したスマートフォン。カバンにしまえばいいじゃんとか、両手で操作すればいいじゃんとかいう問題ではないと個人的には思う
photo ポケットに収まるハイスペックスマホが欲しくて購入した海外版の「Xperia Z3 Compact D5803」。コンパクトなハイスペックスマホは大画面スマホほどの需要がないためか、現在、日本では小型スマホはほとんど登場していないのが残念

メインの携帯電話を4年ぶりに買い換えた。が……

 相変わらず、メインの携帯電話(一番利用期間の長い契約)はフィーチャーフォンである筆者。2014年、久しぶりに端末を新調し、「F-07F」にした。

 F-07Fは「F-01E」をベースにした機種で、ワンプッシュオープンや指紋センサーを省略した機種である。それだけではなくて、それまで使ってきた2011年冬モデルの「F-02D」と比較すると、同じCPUながら稼働周波数が若干落ちている上、タッチパネルまでなくなっている。“スペックダウン”の機種変更は自分としては事実上初めてではあるが、それでも新しい機種を使いたかった、ということである。それが許容できるのも、“電話機”としては使っていないスマートフォンがあるからこそなのかもしれない。

 しかし、スマホで「VoLTE」が始まり、ある意味で電話のしやすさから一定の支持を受けているフィーチャーフォンが逆転されてしまった感が強い。電話に重点を置くフィーチャーフォンこそVoLTE対応をすべきだと思うのだが、VoLTE対応フィーチャーフォンを将来的に検討する、としているのがKDDIだけなのがけっこう寂しい。ドコモも頑張ってVoLTE対応フィーチャーフォンを出してもらえないものだろうか。何だかんだで、この形が携帯電話として一番“スマート”だろうから。

photo 「F-07F」は約3年ぶりに新調したフィーチャーフォン。でも、スペックは過去のモデルよりも低い……

 ということで、ちょっととりとめなく自分の身の回りを中心に振り返ってみた。2015年も色々なスマホ・タブレットのレビューをしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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