最後にソフトバンクの夏モデルはどうだろうか。石川氏は「3社ともスマホはiPhone人気が強いのですが、ソフトバンクはその傾向が特に強いですね。ただXperiaシリーズを扱うようになって、さらにこの夏はGalaxy S6 edgeもラインアップしました。人気を二分するAndroidスマホが出てきて選択肢が広がったうえ、MNPなどのキャンペーンを強化しているのも特徴です」と説明する。
ただキャンペーンによってXperia Z4よりもXperia Z3の人気が続いている。もともと性能差が大きくないため、Z3のお買い得感が強いようだ。機種変更ではスマホをステップアップするユーザーが目立つとのこと。「もともとシャープユーザーの方が機種変更する場合、AQUOS CRYSTALからAQUOS CRYSTAL 2ではなく、AQUOS Xxを選ばれています。せっかくシャープの端末を使い続けるなら上位機種に。という意識が働くようです」(石川氏)。
またSIMロック解除の影響もいち早く現れているという。「この夏モデルから、購入から約半年後にSIMロックが解除できるようになりました。ソフトバンクの場合、キャンペーンを使って他キャリアよりもXperia Z4やGalaxy S6 edgeを安く買えますから、それを理由にXperia Z4を選ばれる方もいます」(石川氏)。
秋葉原という屈指の電気街にあるヨドバシカメラマルチメディアAkiba。携帯電話を買いに来る層はやはりアキバっぽく、ハイスペック志向が強いのだろうか?
「男性ですとスペックにこだわる方は多いですね。ただ、安さを求めている方も多いです。新機種が発売されて1〜2週間くらいはスペックを重視する方、あるいはメーカーやブランドで指名買いする方が多いですね」(石川氏)
また品ぞろえの多さを期待する人も多く、その理由はコンパクトなスマホを求めるためらしい。「ハイスペック志向はありますが、それだけではなくコンパクトで使いやすい端末を選んでいかれる方もやっぱりいます。スタッフと会話しながら選んでいく中で、結果的にスペックの高さよりサイズ感を優先する場合が多いですね」(石川氏)とのこと。
そして複数台ユーザーが多いのも特徴で、「1台目がハイスペックだったら、2台目はコンパクトで使いやすいものを選ぶ、という方も多いです。最新の高性能モデルに、キャンペーンで安くなったコンパクト機やミドルクラスを組み合わせたりしています」(石川氏)という。
3社の夏モデルとも、キャリアやメーカーが企画したコンセプト通りで売れていると見て良いようだ。しかし店頭で重視されるのはやはり価格。最新モデルでスペックが上がりやデザインが変わっても、安い冬春モデルを選ぶ人は多い。特に人気シリーズの場合、他社製品ではなく、過去のモデルが直接のライバルになるケースが目立った。スマホのモデルチェンジで何が変わったのか、それは自分に必要なものなのか、また価格に見合うものなのかを、ユーザーがしっかり見定めているのだろう。
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