ソニーモバイルコミュニケーションズは、現地時間の9月9日までドイツのベルリンで開催している「IFA 2015」のソニーブースにおいて、最新スマートフォン「Xperia Z5」「Xperia Z5 Compact」「Xperia Z5 Premium」を展示している。
これら3機種は、Xperiaとしては史上初となる指紋認証センサーを搭載している。指紋認証などの生体認証に対応するAndroid端末は、ハイエンド機を中心に昨今増加傾向にある。Xperiaのフラッグシップである「Xperia Z」シリーズの最新モデルとしては、その流行から目を背けず、しっかりキャッチアップした結果なのだろう。
本稿では「Xperia Z5(グローバル版)」を例に、Xperia Z5シリーズの指紋認証機能をチェックしてみようと思う。果たして、電源キーのデザイン変更というアイデンティティの変更に見合うだけの利便性を提供してくれるのだろうか。
Xperia Z5シリーズの3機種の写真解説記事でも述べた通り、3機種ともに指紋認証センサーは本体右側の電源キーと一体化している。指紋認証が有効な場合、キーを押してスリープを解除すると、指紋をそのまま読み込むので、スリープからロック解除までを自然な操作で行うことができる。センサー(キー)をさらに押し込んだり、指でなぞったりする必要はない。
指紋認証を利用するには、設定が必要だ。端末設定の「セキュリティ」にある「指紋登録」を、指紋を未登録の状態で選択すると、セットアップ画面が表示される。「開始する」をタップすると、設定が始まる。
ほかの生体認証対応端末がそうであるように、何らかの理由で生体認証が使えない場合の代替認証方法を登録する必要がある。Z5の場合は、PIN(暗証番号)かパスワードを代替認証として利用できる。
代替認証を登録して先に進むと、ロック画面での通知の表示設定を行う画面になる。「全て表示」「プライベートな通知は非表示」「全て非表示」の3種類から選択できる。好きな設定を選んだら次に進もう。なお、ロック画面での通知の表示と、その設定はAndroid 5.0以降で対応しているシステム標準機能である。
ロック画面の通知表示を設定したら、いよいよ指紋を登録する。登録の前に、改めてどこにセンサーがあるのか示すので、「了解しました」をタップして次に進もう。
「始めましょう」と表示されると、指紋認証センサーがオン(有効)になるので、画面の下に表示されている円状の進捗(しんちょく)インジケーターが1周するまでセンサーを何回かタッチしよう。
登録が完了すると、指紋設定の画面に戻る。指に起こる“万が一”の事態に備えて、指紋は最大で5個まで登録できるようになっている。追加したい場合は、「指紋を登録」を押せばすぐに登録できる。
このように、ガイドに従って行えば、指紋登録は難なく完了できるようになっている。
登録が完了したら、実際に使ってみよう。ロック画面が表示されたら、登録した指をセンサー(電源キー)に添えるだけですぐにロックを解除できる。下の動画を見れば、その速さは一目瞭然だ。一度使ったらやみつきになることは間違いない。
Xperia Z5シリーズの指紋認証は、発売前の段階でも十分快適に使うことができた。センサーの位置とセットアップ画面にからも分かるように、右手で持って右手の親指でロック解除することを前提にしている節はあるようだが、動画にもあるように、左手で持って左手の人差し指(あるいは中指)でロック解除をしても問題ない。どちらの手でスマホを使っていても大丈夫そうだ。
さて、Z5シリーズの指紋認証は、FIDO規格に準拠したパスワードレス認証にも対応している。日本では、NTTドコモの一部サービスがこの規格に対応している(参考記事)。複数のキャリアが扱うであろうZ5シリーズによって、パスワードレス認証の波がドコモ以外のキャリア、あるいはサービス事業者に広がるか、注目したい。
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