KDDIは11月5日、2016年度第2四半期の連結決算を発表した。売上高は2兆1518億円(前年同期比6%増)、営業利益は4514億円(同18%増)となり、第2四半期決算としては3年連続で最高益を更新した。
同日開催された報道関係者向け決算説明会では、田中孝司社長が決算概要を説明し、記者からの質疑に応じた。
昨今、安倍晋三内閣総理大臣の指示のもと、総務省が「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」を設置した。10月26日に開催した第2回会合では、特に通信利用の少ない契約者や、同じ携帯電話を長期利用している契約者に対する料金の公平な負担を求める意見が消費者相談員団体から上がった。
それを踏まえてか、今回の決算説明会で田中社長は、au携帯電話の料金プランの考え方を改めて説明した。KDDIは、「年齢と利用状況に合わせたセグメント別に料金プランを作るアプローチ」を取っているという。
データ通信量の少ないジュニア(小学生)とシニア(高齢者)向けに、年齢制限を設けた音声通話とパケット通信量が一体となった安価なプランを作ったり、「LTEプラン+LTEフラット」と「カケホとデジラ」の間をうめる「スーパーカケホ」を用意して、料金に多様性を持たせている、という考え方だ。
また、「長期優待データギフト」や「アップグレードプログラム」によって長期利用者向けの取り組みを行っていることも合わせて説明した。
しかし、タスクフォースでは、より少ない容量(月間1Gバイト)のプランや、端末の買い換え頻度の差による料金面での不公平さの是正を求める意見が出ている。質疑でその点を問われた田中社長は、先進国との料金比較や、ネットワークの先進性を踏まえると「決して高くない」との認識を示した。その上で、現在の料金体系でも「高い」という声を真摯(しんし)に受け止め、タスクフォースでの議論がある程度進んだ段階で対策を検討する姿勢も示した。
会見後の囲み取材では、インセンティブ(販売奨励金)やキャッシュバックに対する姿勢も問われた。田中社長は、「過度なものは良くない」とする一方で、「ある程度の販売奨励金を入れないと何年か前の(携帯電話の販売台数が落ち込んだ)状況に戻ってしまう」と、10万円近いハイエンド端末が人気の中心にある日本市場では完全になくすことは難しいという認識を示した。auユーザーの機種変更周期は平均2年半で、延長傾向にあるが、2年未満で機種変更する人も、6年以上同じ機種を使っている人もそれなりにいる中での平均だという。「公平」の落としどころをどこに持っていくのか、田中社長がさじ加減に悩んでいる様子もうかがえた。
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