イオリテールは2月26日より、「イオンモバイル」をリニューアルして提供開始した。
従来は日本通信など他社MVNO回線を取り扱ってきたが、自らMVNO事業を開始。データ通信専用なら1GB月額480円(税別)から使える29種類のプランを用意し、200店舗を超える全国のイオン店頭で申し込みを受付するなど、通信事業に本格参入を果たした。
料金プランは音声通話対応プラン、データ通信専用プランだけでなく、複数のSIMを使える「シェアプラン」も用意。修理・故障などのアフターサービスを全国のイオン213店舗で受け付けるほか、フリーダイヤルによる問い合わせ窓口の設置、イオンスマホに関しては初期設定が完了した状態でユーザーに渡すなど、「サポートの充実」も大きな差別化ポイントに掲げたイオンモバイル。だがサービス開始初日に大きなトラブルが発生した。
その内容は「回線の契約が正常通り受付られない」というもので、サービス開始の2月26日に発生。店頭およびWebのどちらでも正常に申し込みができない状況が続いている。丸2日たった2月28日夜の時点で、翌29日から受付を一時中止することが発表されるなど、影響が継続している。
イオンモバイルはトラブルの発生理由を「登録業務が集中、混雑したため」とWebサイト上で説明しているが、同社サービスを楽しみにしていたユーザーとしては不安が残る船出となった。
これまで、イオンモバイルでは他社MVNO回線とスマートフォンを組み合わせて販売するなど、今回のMVNOサービスの提供に向けて着々と準備が整えられていたようにも見えたが、意外なところで大きくつまづいたように思う。受付に関するトラブルが早期に解決し、正常に正常化することを願いたい。
So-netは、月間500MB未満は通信料が0円になる「0 SIM」を1月26日に正式提供することを発表した。
月間のデータ通信量が500MBを超えると、100MBごとに100円の料金が発生。データ通信量が2GBを超えて5GBまでは月額1600円(データ専用プラン契約時)で高速データ通信が利用可能だ。データ通信量が5GBを超えた際の追加チャージは、100MBが500円、500MBが2100円、1GBが3800円とやや割高だ。
0 SIMは、2015年12月に発売された雑誌「デジモノステーション 2016年2月号」の付録SIMとして登場。正式プランとして提供されるにあたって、音声通話に対応するデータ+音声プランやデータ+SMSプランが追加された。データ専用プランを基準にすると、音声通話付きは月額700円の加算、SMS付きのデータプランは月額150円が加算される。
「月間500MB未満は料金無料」が最大の特長の0 SIMだが、通信量や使い方によっては他社のプランの方が安くなることもある。例えば、月間のデータ通信量が3GBのケースでは、0 SIMの月額料金は1600円だが、mineoは月額800円、IIJmioでは月額900円で3GBのデータプランが提供されており、月額料金だけで比較すれば他社プランの方が割安なのである。
他社サービスと比べて0 SIMが割安となるのは、月間の通信量が月間500MB未満または1GB未満のケース。通信量が1GBを超えてくると、料金的には他社サービスの方が割安になる点は気をつけた方が良いだろう。
それでも、月間500MB未満であれば通信料が無料になる。というのは太っ腹で、タンスの肥やしになってしまっていたタブレットを復活させたり、データ通信量が普段よりも多くなってしまった際の「緊急用回線」として活用するなど、0 SIMの利用価値は大いにある。
日本通信の三田聖二会長は、自身のTwitterアカウント(@FSSanda)で「バンクの格安シムたのしみ」(原文まま)とツイート。若干クセのある日本語だが前後のツイートを参照すれば、新たにソフトバンク網を使ったMVNOサービスが近日中に発表されるものとみられる。
そこで少々気になるのはサービスの提供形態だ。これまで通り、日本通信のb-mobileブランドで登場するのが最もシンプルといえるが、同社は1月に発表した新事業戦略にて「自社ブランドでSIMカードを売るMVNO事業者から、法人向けにモバイルソリューションを実現するための“モバイルソリューションイネーブラー”としての役割に徹する」(福田社長)と発言。今後、MVNO事業者として通信サービスだけを提供することには興味が薄れているようにも感じる。
サービスの提供形態や、料金体系などの詳細については日本通信からの正式発表を楽しみに待ちたい。
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