Wonderlink LTE FとDTI SIMが好調を維持――「格安SIM」16サービスの実効速度を比較(ドコモ回線2月編)通信速度定点観測(2/2 ページ)

» 2016年03月14日 12時57分 公開
[小林誠ITmedia]
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午後のアイティメディア社内ではWonderlink(LTE F)がトップを奪取!

 最後に東京都内のアイティメディアの会議室で午後に測定した。こちらは2月29日(月)に行っている。

 冬型の気圧配置になり北海道や東北地方など北日本で大荒れとなった。ただし東京は寒いものの穏やかな天候で、24日の横浜よりもほのかに春を感じられる。外を歩いている人も多い印象を受けた。ランチタイムに外出する人が多ければスマートフォンを使う人も増えそうだが……果たして。

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 1月の結果や横浜駅前のランチタイムの速度と比較すると、トップの通信速度は落ちた。下り平均14.24MbpsのWonderlink(LTE F)がトップ。mopera Uも1月の下り平均20Mbpsには及ばないものの、Wonderlink(LTE F)は1月にもトップ3に入っており混雑時に強い。

 下り平均の2〜4位はいつもの面々でFREETEL SIM、mopera U、DTI SIMで下り平均10Mbps台。続くのが4.43Mbpsの楽天モバイル、3.86Mbpsのワイヤレスゲート、3.48MbpsのSo-net モバイルLTE。5位は1.23Mbpsで何とか1Mbps台をキープしたU-mobile(LTE使い放題)で、あとの9サービスは下り0Mbps台となった。

 上りの通信速度はBIGLOBE LTE・3Gが8Mbpsを超えてトップ。NifMo、So-net モバイルLTEが7Mbps台で2位と3位に。上りのワーストワンはワイヤレスゲートだが、3.88Mbpsなので安定はしている。

アイティメディア社内での計測結果
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:21 0.82 5.07
OCNモバイルONE 12:21 0.41 4.15
BIGLOBE LTE・3G 12:26 0.99 8.18
b-mobile(おかわりSIM) 12:26 0.86 5.13
So-net モバイルLTE 12:33 3.48 7.02
楽天モバイル 12:33 4.43 6.83
NifMo 12:37 0.65 7.35
ぷららモバイルLTE 12:37 0.2 6.18
ワイヤレスゲート 12:41 3.86 3.88
FREETEL SIM 12:41 11.83 4.35
DMM mobile 12:45 0.86 6.06
U-mobile(LTE使い放題) 12:45 1.23 5.03
Wonderlink(LTE I) 12:47 0.83 5.28
Wonderlink(LTE F) 12:52 14.24 6.16
mineo(Dプラン) 12:52 0.94 4.59
DTI SIM 12:55 10.36 6.91
ドコモ(mopera U) 12:47 11.07 5.53

2月は毎回トップが変わり異変の予感! 平均的に速いのは常連だが……

 2月は計4回の測定で、b-mobile(おかわりSIM)、mopera U、NifMo、Wonderlink(LTE F)がトップに躍り出た。mopera UとWonderlink(LTE F)の強さは今や当たり前になっている。特にWonderlink(LTE F)の勢いがどこまで続くか? パナソニック系サービスでありながらMVNOでの知名度はさほどでもなく、これからも回線に余裕がありそうなので、しばらくは快適に使えそうだ。

 また、b-mobile(おかわりSIM)とNifMoがトップを飾ったのは珍しく、どちらもムラはあるものの今後に期待したい。

 安定した強さを見せるFREETEL SIMは、今回上りの速度が一気に落ちた印象。ゆっくりとだが以前のような強さが感じられず、果たして今後持ち直すのか気になるところ。同サービスは格安スマートフォンの提供もあって知名度は上がっていると思うが、それによってユーザーが増え、ネットワークの混雑が懸念される。とはいえ、同社は継続して設備増強を行っているので、大幅に速度が低下することはないと思いたい。

 同じく横浜駅午前で強さを見せたBIGLOBE LTE・3Gや、トップほどではないにしても安定しているDTI SIM、So-net モバイルLTE、ワイヤレスゲートがジワジワと上位に食い込んできているのは、今後の波乱へとつながりそうで面白い。

 各サービスの傾向をまとめると以下の通り。

  • IIJmio……午前はお任せ、ランチタイム苦手
  • OCN モバイル ONE……午前はそこそこ、混雑時が苦手
  • BIGLOBE LTE・3G……下りは午前中に強く、以降は上りに期待
  • b-mobile(おかわりSIM)……午前はお任せ、以降は上りに期待
  • 楽天モバイル……下り実測1Mbps以上を維持!
  • So-net モバイル LTE……数Mbpsで安定!
  • NifMo……ムラがあるも夕方に強い!
  • ぷららモバイルLTE……下りは×、上りに期待
  • ワイヤレスゲート……常に4Mbps前後にレベルアップ!
  • FREETEL SIM……下りは今も強いが上りは心配……
  • DMM mobile……ランチタイムが苦手
  • U-mobile(LTE使い放題)……午前中は好調も以降は奮わず
  • Wonderlink(LTE Iシリーズ)……LTE Fの影で地味な結果が続く
  • Wonderlink(LTE Fシリーズ)……今回のMVNOでは最も安心
  • mineo(Dプラン)……混雑時に奮わず
  • DTI SIM……下り10Mbps前後が多く期待!
  • ドコモ(mopera U)……ランチタイムの強さが◎

 2月の全体的な通信速度を見ると、トップ3は「Wonderlink(LTE F)」「DTI SIM」、ドコモ本家の「mopera U」ではないかと思う。やはりランチタイムと夕方という混雑時に通信速度を維持できると好印象。ワイヤレスゲートはじわじわと平均速度がアップしていて今後に期待が持てる。

 大手キャリアに限らず、MVNO各社にとっても春はユーザー獲得の大きなチャンス。ここで回線やサービスの強化に力を入れることも考えられ、3月の測定結果も楽しみだ。

 今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。

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