楽天モバイルの通話SIMの3.1GBプランに入っています。月間3.1GBの高速通信ができるのですが、これとは別に3日間での通信容量による速度制限がかかるようです。他の格安SIM(MVNOサービス)にも月間容量以外の速度制限条件があるのでしょうか。
楽天モバイルも含めて、直近3日間の通信容量制限を設けているMVNOサービスは少なくありません。ただし、そのような制限を特に設けていないMVNOもあります。
(ITmedia Mobile編集部 井上)
MVNO(仮想移動体通信事業者)の通信サービスは、MNO(移動体通信事業者:大手キャリア)から携帯電話の基地局と電波を借りて通信サービスを提供します。MVNOのデータ通信は、MNOから接続帯域(速度)を借りて当該MVNOサービスのユーザー全員で共有というスタイルで実現していることが多いです。
ここでポイントになるのは「当該MVNOサービス(格安SIM)のユーザー全員で共有」というところです。つまり、帯域を占有するような使い方をする人が多いと、同じサービスを使う他のユーザーの通信速度が遅くなってしまう可能性があるのです。
もちろん、MVNOはユーザーの増加に応じて「帯域の買い増し」や「設備増強」もしていますが、無尽蔵に投資をすると「格安」を維持できなくなる可能性があります。
そこで、楽天モバイルのように1人で帯域を占有することを防ぐために月間通信容量とは別に、直近3日間の合計通信容量に応じた速度制限を設けているMVNOもあります。一方で、そのような制限を特に設けていなかったり、プランによって適用するか否かを分けたりするMVNOもあります。
楽天モバイルを含めた4つのサービスについて、以下で確認してみましょう。
楽天モバイルでは、3日間の通信容量の合計が一定量を超過すると、通信速度が上下200kbpsに制限されます。プランごとのしきい値は、以下の通りです。
なお、速度規制中も高速通信容量(繰り越し分、追加パック分を含む)を消費することにも気を付けましょう。
OCN モバイル ONEは、1日単位と1カ月単位で通信容量を設定しているプランが混在していますが、設定単位以外での通信容量制限は特にかけていません。
ただし、通信設備の混雑の継続を避けるための通信制御がかかる場合はあります。
IIJmio高速モバイル/D(IIJmio)は、高速通信容量を「クーポン」という形で管理しています。クーポンがない状態、あるいはクーポンをオフにしている状態で、直近3日間で合計366MB以上通信すると通信速度制限がかかる場合があります。一方で、クーポンがオンの状態では、日単位の通信容量制限はありません。
要するに速度制限中(上下200kbps)にたくさん通信をすると、さらなる速度制限がかかる可能性があるという運用です。高速通信中の速度を制限する他社とは異なるポリシーとなっています。
BIGLOBE LTE・3G(BIGLOBE SIM)は、直近72時間の通信容量の合計によって通信速度に制限がかかる場合がありますが、プランによって制限の有無、ある場合のしきい値が異なります。具体的には、以下の通りとなります(現行プランのみ掲載)。
ライトSプラン以上を申し込めば、直近72時間の通信容量を気にせず使えるようになっています。
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