ここからはP9ならではのダブルレンズの話。
2つのレンズは、それぞれどのような役割を果たしているのだろうか。
実は内側(正面右側)に「カラー」、外側(正面左側)に「モノクロ」のセンサーがそれぞれ入っているのだ。
本当にカラーとモノクロなのか、試しにそれぞれを指で塞いで動作を確認してみたのである。
モノクロモードで撮影した際に、カラーセンサー(右側)のレンズをふさいでみたところ、全く問題なく撮影できた。要するに、モノクロモードではモノクロセンサー“だけ”を使うのである。
一方、カラー撮影(モノクロモード以外)では、主にカラーセンサーを使うのだが、モノクロセンサーも陰影やディテール(細部)を担当しているという。ほんとにそうなのか、試しにモノクロ側のレンズをふさいだときとふさいでいないときで撮り比べてみた。
パッと見は変わらないので、等倍表示したもので比べてみよう。
ダブルレンズで撮った方が、ディテールがしっかりとしているのが分かるかと思う。なるほど確かに両方のレンズを使っているのだ。
「ワイドアパーチャ」機能を使うと、2つのレンズを使っているとハッキリと分かる。モノクロ側のレンズを指でふさぐと、こんな風に警告が出るのだ。
さて、その「ワイドアパーチャ」機能だが、アパーチャは「絞り」という意味。最近「背景ぼかし」機能がいろいろなスマホカメラに搭載されているけれど、そのもっと高度なヤツだと考えればいい。
フォーカスを合わせたいところをタップすると、右に絞り値を調整するスライダーが表示されるのである。これを調整するのだ。
レンズそのもののF値は2.2だが、スライダーを動かすことで擬似的に背景をよりボカしたりくっきりさせたりできるのだ。数字を小さくするとよりボケが大きくなり、大きくするとよりくっきりする。その調整時にモノクロセンサー側のデータが重要になるのである。
このモードで撮った写真は、標準の「ギャラリー」アプリでの再生時に調節できるのであれこれ試してみた。
要するに、ワイドアパーチャモードで撮っておくと、後からフォーカスの位置や背景・前景のボケ具合を変更できるのだ。これは面白い。
完璧あるいは万能、というわけではなく、エッジ部分が不自然になることもあるが、多くのスマホが搭載している「背景ぼかし」機能よりは優秀だ。
というわけで、ワイドアパーチャモードを使った作例を。
極端な設定にすると、ボケかたがデジタルっぽくて不自然さは拭いきれないのだが、機能としてはなかなか面白い。
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