格安SIM業界の新興企業として注目されている「FREETEL(フリーテル)」。格安SIMなのに通信速度が速い、料金が安い、など利用者の評判の高さも話題となっています。筆者は、実際に半年以上利用しているユーザーですので、そのサービスの満足度や魅力について語ってみたいと思います。
通信事業者ベンチャーのプラスワン・マーケティングが運営するFREETELは大手通信キャリアの料金に不満を持つユーザーの視点で新しいサービスを打ち出しているMVNOです。ドコモとレイヤー2による相互接続を開始したのは2015年7月。この1年ちょっとの間に次々と画期的なサービスを発表し、非常に魅力的なMVNOに生まれ変わりました。
格安SIMを提供するだけでなく、自らSIMフリーのスマートフォンやフィーチャーフォンなど端末の開発も行い、サポートも専門部署を設けて直接ユーザーサポートを行っています。
プラスワン ・マーケティングの増田薫社長は「SIMと独自端末の販売、そしてサポートも全部自前でやっているのはウチしかない」と、自社のサービスで完結させながらも、料金設定の高い大手キャリアと差別化して、安くて消費者に喜んでもらえる通信サービスを提供したいという想いを語っています。
実際に毎日使っていてその魅力は何なのか? 筆者が感じていることを紹介します。
筆者は2016年1月からFREETELのSIMカードをメインで利用するiPhoneに使っています。毎月の料金を2,000円から3,000円程度に抑えながらも高速なデータ通信を利用。かつ不満のないレベルで通信を行えていることに大変驚いています。
最大の特徴は「ピークタイム」でもスムーズに高速通信が使えている点。通常、どうしてもユーザーのスマホ利用が集中するランチタイムは通信速度が低下しがち。FREETELも他のMVNOと同様、他の時間帯と比較するとお昼時には速度が落ちますが、それでも銀座や渋谷など都心部で下り10Mbps以上を記録し、1Mbpsにも満たない他社MVNOと比べて十分すぎるほどの“高速通信”を実現しています。筆者がこれまで抱いていた「MVNOの安かろう悪かろう」のイメージをFREETELは払拭してくれました。
やはり料金が安いというのも見逃せません。筆者がFREETELに注目し始めた当初、衝撃を受けたのが「使った分だけ安心プラン」という従量制の料金プランを打ち出したこと。
現在、通信業界で主流になっている定額制は毎月定められた料金を支払い、決まった高速データ通信量を使える料金制度。これには無駄も多く、例えば月に8GBまでの高速データ通信を使える月額2,000円のプランを契約した場合、1GBしか使わなかったとしても2,000円を支払わなければいけません。余った通信量を翌月に繰り越せるMVNOもありますが、自身の体験談でいえば使い切らなかったことの方が多いのが実態です。
一方、FREETELの従量制「使った分だけ安心プラン」は月に8GB未満だったら2,140円、5GB未満なら1,520円、1GB未満なら499円、といった具合に毎月の利用状況に応じた料金を支払います。使いすぎたとしても10GBまでで、2,470円が上限なので安心できます(いずれもデータ専用プランの料金。通話ありのプランは月額プラス700円。各タイプの料金は以下のとおり)。
データ専用 | データ専用+SMS | データ・通話 | |
---|---|---|---|
100MB | 299円 | 439円 | 999円 |
1GB | 499円 | 639円 | 1,199円 |
3GB | 900円 | 1,040円 | 1,600円 |
5GB | 1、520円 | 1,660円 | 2,220円 |
8GB | 2,140円 | 2,280円 | 2,840円 |
10GB | 2,470円 | 2,610円 | 3,170円 |
あまり使わなければ月々の通信料金を安く抑えられるわけですから、カフェやファストフード店では積極的に公衆無線LANサービスを利用しようという気分になり、節約するという意識が高まりました。FREETEL以前に使っていた他社MVNOでは、月額3,000円台後半に固定された料金を毎月支払っていましたが、FREETELにしてからは平均で2,000円台半ばで済んでいます。また「縛り」がないため、いつ解約しても違約金がかからないのも嬉しいポイントです。
面白いプランとして「LINE」のトーク(テキスト)利用時には一切料金がかからないという特徴も挙げておきます。例えばですが、FREETELのSIMカードをLINEトーク専用として使えば最低料金の299円で毎月運用なんてこともできてしまいます。
通信可能なSIMカードをとりあえず持っておいて、不要になったらいつでも解約をする。本気で使いたいときには利用量に応じ支払うだけ。自分の使い方に合わせて利用できるSIMカードと言えるのではないでしょうか。
まったく不満がないとは言えません。自社で開発しているスマホは不具合があったり、使ってみるとスペックほどの良さを感じられなかったりと、端末の開発にはまだまだ改善の必要性を感じます。
そうした声を受けてか、 5月に発売した「FREETEL SAMURAI REI(麗)」はフルメタルの美しいボディや使いやすい独自メニューを搭載するなど、これまでのFREETELブランドのスマホとしては一歩飛び抜けたモデルを発売しました。このREIは発表時から話題となり、現在ではFREETELを代表する人気機種となっています。
REIには片手でも操作しやすい独自開発のランチャー「FREETEL UI」が組み込まれていて、これがなかなか便利。よく使うアプリやメニューがディスプレイの下部からフワッと出てくるスワイプアップランチャーは片手で持ったときに親指で素早くアプリを起動できて気持ちがいいです。ホームボタンにある指紋認証はスムーズで、プライバシーを守りつつ操作を楽にしてくれる機能を備えています。薄いボディと高いスペックにも関わらず本体代金が3万円程度で買える点は魅力的です。
1年間で大手キャリア並にたくさんの端末を発表・発売しているFREETELですから、もしかしたらすでに「FREETEL SAMURAI REI 2」を開発しているかも?! なんていう期待もしていまいます。
家計を考えたときに通信料金を下げたいと考えるご家庭は多いことでしょう。大手通信キャリアからMVNO事業者の格安SIMに切り替えることで通信料金を抑えられるのはほぼ間違いありません。筆者の場合は通話をあまりせずデータ通信が多いため、3年前に大手キャリアからMVNOへMNPした際には、単純に月額利用料金が3分の1に減りました。ただ、お昼時の通信速度の低下にストレスを感じ、そのMVNOからFREETELに乗り換えまして、現在では何も不満なく快適に使っています。
終始、FREETELについてベタ褒めしましたが、メインの回線にしているほど気に入っていますし、正直な気持ちをぶつけさせていただきました。ちなみに、「ポケモンGO」をプレイするときに高速通信をOFFにするとイライラするので、高速通信での利用をオススメします!
(文:アスカ)
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