好調を維持する「FREETEL SIM」 安定感のある「楽天モバイル」――「格安SIM」19サービスの実効速度を比較(ドコモ回線8月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

» 2016年09月17日 17時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大225Mbps」「下り最大375Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

 そこで、2015年7月から各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。今回は2016年8月編として、先月のドコモ系MVNOサービス(格安SIM)の通信速度をリポートしたい。au系MVNOサービスやY!mobileについても同時に調査したので、別途記事化する。本企画が格安SIMを選択する際の一助になると幸いだ。

「通信速度定点観測」バックナンバー
SIMカードのイメージ

通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下の19サービス。

  • IIJmio
  • OCNモバイルONE
  • BIGLOBE LTE・3G
  • b-mobile(おかわりSIM)
  • So-net モバイルLTE
  • 楽天モバイル
  • NifMo
  • FREETEL SIM
  • ロケットモバイル
  • U-mobile PREMIUM
  • DMM mobile
  • Wonderlink(LTE I)
  • Wonderlink(LTE F)
  • mineo(Dプラン)
  • DTI SIM
  • 0 SIM
  • イオンモバイル
  • エキサイトモバイル
  • ドコモ(mopera U)

 ドコモの純正サービスである「mopera U」を除くと、MVNOサービスは計18。いずれのSIMもLTEの高速通信に対応したものを使っている。その他の調査条件は以下の通り。

  • 計測端末:ZenFone 2×3台
  • 計測アプリ:RBB TODAY SPEEDTEST
  • 計測日:8月26日(金)
  • 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、午後(12時20分〜)、夕方(18時〜)の3時間
  • 計測場所:東京都千代田区のアイティメディア社内
  • 計測回数:各時間帯・場所で1サービスあたり上下3回ずつ(平均値を掲載)

 今回は、全時間帯ともにアイティメディア社内で計測した。各サービスの測定を開始した時刻は、以降の各時間帯の表を見てほしい。通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再度測定している。人力のテストなので、全てのサービスを同時に測定しているわけではないことはご理解いただきたい。

 本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化する。記事で紹介されている数値は100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。

平日午前:FREETEL SIMがトップ 他のMVNOもおおむね好調

 快晴のもと行われたアイティメディア社内での午前中の計測。計測開始時間の8時50分は、ちょうどエレベーターの“出勤ラッシュ”のピークに当たる。ビルの各階ともに人が増え、少しばかり通信上は不利になりそうな雰囲気だが、結果やいかに。

アイティメディア社内での計測結果(午前中) アイティメディア社内での計測結果(午前中)

 まず、下りの通信速度は「FREETEL SIM」が平均16.4Mbpsで1位を飾った。その後に続いた10Mbps超のサービスは「U-mobile PREMIUM」(14.4Mbps)、「エキサイトモバイル」(13Mbps)、「IIJmio」(11.9Mbps)、「ロケットモバイル」(11.8Mbps)。

 それ以外のサービスはおおむね下りで5Mbps以上を記録したので実用上問題ない。が、そんな中で、平均2Mbps未満となった「DTI SIM」(1.9Mbps)と「0 SIM」(0.2Mbps)の結果が非常に気になる。特に0 SIMは1Mbps未満という結果で、あらかじめ通信速度制限をかけているMVNOサービスと変わらない速度となってしまっている。上りは5.9Mbps出ているだけに、下りの帯域が特に厳しい状況になっているものと思われる。

 上りの通信速度もFREETEL SIMがトップで、平均12.4Mbpsという結果となった。FREETEL SIMは「増速マラソン」と銘打って通信帯域の増強を継続的に行っている。後述する午後(ランチタイム)や夕方の平均通信速度でもおおむね好調な結果を残しているのも、この地道な努力によるものだろう。

 ただし、上りの通信速度については、他のサービスも実用上はおおむね問題ない。となると、やはり鬼門は下りということになるのだろうか……。

アイティメディア社内での測定結果(午前)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 9:00 11.9 5.9
OCNモバイルONE 8:57 5.5 4.2
BIGLOBE LTE・3G 9:04 9.6 5.8
b-mobile(おかわりSIM) 9:07 8 2.4
So-net モバイルLTE 9:11 6.2 4.6
楽天モバイル 9:16 6.5 6.7
NifMo 8:54 8.7 9.2
FREETEL SIM 8:58 16.4 12.4
ロケットモバイル 9:02 11.8 7.9
U-mobile PREMIUM 9:06 14.4 13
DMM mobile 9:09 9.5 4.8
Wonderlink(LTE I) 9:16 6.2 3.2
Wonderlink(LTE F) 8:54 6.4 11.9
mineo(Dプラン) 9:00 5.7 4.3
DTI SIM 9:05 1.9 7.4
0 SIM 9:15 0.2 5.9
イオンモバイル 9:20 8.1 5.9
エキサイトモバイル 9:23 13 13
ドコモ(mopera U) 9:30 5.7 4.3

平日午後:やはりランチに強い純正回線 FREETEL SIMも健闘

 次に、ランチタイムに計測を行った。以前からこの連載で述べられている通り、ランチタイムはスマートフォンや携帯電話を使う人が多く、特に下りのデータ通信速度が遅くなりやすい。MVNOを含む通信キャリアの帯域の余裕をうかがい知ることができる時間帯でもある。

 アイティメディアの所在する東京都千代田区紀尾井町は、周辺にオフィスビルや学校も多く、ランチタイムともなると多くの人が食事に外へと繰り出す。食堂などでランチを取る人もいれば、弁当を買って職場に戻って食べる人もいる。そんな中で、各サービスはどれだけ踏ん張りを見せられるだろうか。

アイティメディア社内での計測結果(午後) アイティメディア社内での計測結果(午後)

 先月と同様、ドコモ純正のISP(接続サービス)である「mopera U」が下り(7.8Mbps)・上り(8.3Mbps)ともに首位となった。「昼時に純正回線が強い」ということは場所が変わっても不変のようだ。言い換えれば、昼時でも安定した通信速度を維持できるだけの帯域の余裕を持っているということだ。

 MVNOサービスに目を向けると、下りについてはFREETEL SIMが平均5.2Mbpsと午前中に続いてトップ(全体では2位)となった。それに次ぐのは「楽天モバイル」の平均2.9Mbps。ランチタイムのMVNOサービスとしては健闘しているといえるだろう。その他のサービスで下り1Mbps以上を確保したのは平均1.7Mbpsの「Wonderlink(LTE F)」と、ともに平均1.4Mbpsの「DTI SIM」「おかわりSIM」のみで、残りのサービスは残念ながら1Mbps未満の速度となった。

 気になるのは、午前中は好調だったU-mobile PREMIUMが平均0.3Mbpsとワースト2になったことと、0 SIMが平均0.1Mbpsで再びワースト1になったことだ。通信帯域に余裕の少ない時間帯とはいえ、ここまで速度が低下してしまうと場合によってはSNSの閲覧ですら困難だ。早急な対策が必要といえる。

 一方、上りでMVNOサービス最速だったのはWonderlink(LTE F)で、平均7.8Mbpsをマークした。その他のサービスは、ともに平均1.1Mbpsとなった「IIJmio」と「イオンモバイル」以外は平均2Mbps以上の速度を確保した。

 下りと比較すると、上りの通信量は少ないと言われており、現状では1Mbps程度あれば十分だという向きもある。しかし、スマホの動画配信アプリや写真共有アプリが普及する中で、上りの通信速度も少しずつではあるが重要さを増している。今後は、上りの通信速度にもしっかりと注目していくべきだろう。

アイティメディア社内での測定結果(午後)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:20 0.7 1.1
OCNモバイルONE 12:23 0.4 3.3
BIGLOBE LTE・3G 12:26 0.8 3.1
b-mobile(おかわりSIM) 12:30 1.4 2.8
So-net モバイルLTE 12:30 0.8 4.4
楽天モバイル 12:34 2.9 2.6
NifMo 12:20 0.3 3.5
FREETEL SIM 12:23 5.2 2.2
ロケットモバイル 12:26 0.6 5
U-mobile PREMIUM 12:34 0.3 2.6
DMM mobile 12:41 0.8 3
Wonderlink(LTE I) 12:38 0.8 5.3
Wonderlink(LTE F) 12:20 1.7 7.8
mineo(Dプラン) 12:23 0.7 5.1
DTI SIM 12:25 1.4 6.8
0 SIM 12:30 0.1 3.7
イオンモバイル 12:33 0.7 1.1
エキサイトモバイル 12:37 0.8 2.9
ドコモ(mopera U) 12:40 7.8 8.3

基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO

格安SIM、SIMロックフリースマホのすべてが分かる

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月27日 更新
  1. 値上げのY!mobile、旧プランから「シンプル3」に変更すべき? 5月中の“救済措置”を見逃すな (2026年05月25日)
  2. ChatGPTには「まあまあ落ち着いて」が通じない? 巨人・阿部監督を辞任に追い込んだ“文脈なき正論”のわな (2026年05月26日)
  3. ダイソーで550円の「マグネット式ノートパソコン用スマートフォンホルダー」は磁力も強くて優秀だった (2026年05月23日)
  4. 「日本で前年比4倍成長」のNothing、次の一手は? au販路拡大と楽天の“すみ分け”に見るキャリア戦略 (2026年05月26日)
  5. “NHK受信料督促強化”の効果あり 井上会長「勇気付けられる数字」も、根強い「強制サブスク」への不満 (2026年05月25日)
  6. なぜ? カーナビが「NHK受信料」対象になるワケ 課金されるケースと徴収を免れる方法 (2025年04月15日)
  7. ドコモ「dポイントマーケット」を7月28日に終了 開始から1年9カ月で幕 (2026年05月26日)
  8. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  9. 公用車カーナビのNHK受信料未払いが続出…「事業所ごとの契約」見直し要望にNHK会長の見解は? (2026年05月25日)
  10. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年